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科目の基本情報

開講年度 2023 年度
開講区分 医学部医学科 ・臨床実習
受講対象学生 学部(学士課程) : 4年次, 5年次
医学部医学科の臨床実習クリニカル・クラークシップ(4年次1月~5年次3月まで)
選択・必修 必修
授業科目名 三重大学臨床実習(クリニカルクラークシップ)家庭医療学(医学部附属病院総合診療部)
みえだいがくりんしょうじっしゅう(くりにかるくらーくしっぷ)かていいりょうがく(いがくぶふぞくびょういんそうごうしんりょうぶ)
Mie University Family Medicine (General Practice) clinical clerkship
単位数 単位
ナンバリングコード
medc-medc-FAME-3601-001
開放科目 非開放科目    
開講学期

スケジュール表による

2023年1月〜2024年3月

開講時間
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所 地域の小病院・診療所、三重大学医学部探索医学研究棟 2階総合診療科医局、多目的室、医科学研究棟 6階ゼミナール室など

担当教員 山本憲彦、若林英樹、*後藤道子、市川周平、山本貴之、中村太一、日比亨、地域の総合診療・家庭医療クリニカル・クラークシップ指導医 *コーディネーター

Yamamoto Norihiko, Wakabayashi Hideki, *Goto Michiko, Ichikawa Shuhei, Nakamura Taichi, Hibi toru, General Medicine (Family Medicine) Clinical Clerkship Clinical Instructor *coordinator

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 本臨床実習(クリニカル・クラークシップ)により、家庭医療、総合診療、プライマリ・ケア、地域医療の実際を学ぶ。
地域の病院・診療所で、チームの一員として、プライマリ・ケアの実践に関わる中で、医師としての基本的な知識・臨床技能や態度を学ぶ。
学習者自身が自身の将来像を踏まえて本研修で獲得すべき目標を設定し、それを指導医・指導施設にあらかじめ共有することで、学習者は学習者個別の必要と社会からの要請の双方に応じた主体的な学びを得る。(初日大学でのオリエンテーション)
各学習者の学び・当初の自身の学習目標の達成度合いを、実習中間日に振り返り、残りの実習期間での課題を自ら設定し、学習者と指導医間で共有する。(中間振り返り)
また、2週目の週末には、大学でスキル実習を行う、1週目、3週目の週末には臨床推論・プレゼンテーション、SDHの講義がオンラインで行われる。
実習最終日までに、自身の学習成果を実習到達目標毎(プライマリ・ケアの機能と役割、患者背景を踏まえたケア、病診連携/診診連携・多職種連携)にポートフォリオを用いて省察を含めて記載し、
加えて、上記の実習到達目標毎に学習者のグループディスカッションで共有し、各学習者の研修場所や地域などの背景による違いを学ぶ(最終振り返り)
学修の目的 総合診療クリニカル・クラークシップにより、地域住民のニーズに合致する医療、家庭医療をチームの一員として関わり、大学で学んだ医療の基本的な知識と技術を再確認する。
また、家庭医・総合診療医である指導医の姿から、プライマリ・ケアの現場で求められる態度を学ぶ。
大学病院での実習では体験できない日常の健康問題の特色を学び、プライマリ・ケアでの問題の解決の手法や患者の世界と接するプライマリ・ケア特有の診療を学び、予防・健康増進や在宅医療を学ぶ。
また、継続的ケアを維持するための良好な患者医師関係や病診連携、診診連携、多職種との協働活動、さらに家庭医や地域全体を視野に入れた医療活動などを体験する。
学修の到達目標 ・プライマリ・ケアの機能,役割を説明できる。(以下のキーワードを参考)
  患者の疾患の特徴(慢性疾患,軽症,未分化な病気,病気を抱えていない患者)
  患者が診療に期待する内容
  複数の健康問題を取り扱うこと
  医師の治療目標の特徴(個別性の重視,cureとcare,地域背景の理解)
  施設ごとにできる医療範囲の違い
  診療の継続性
  近接性(患者の通院距離としての近さ、心理的な近さ、かかりやすさ)
・患者背景を踏まえたケアの重要性を説明できる。(以下のキーワードを参考)
  患者の想い、家庭、生活、地域の特性を含めた患者背景
  倫理的問題に対して、患者背景をふまえて検討することが重要だと認識できる
・病診連携/診々連携の重要性を理解し説明できる。(以下のキーワードを参考)
  紹介元・紹介先の双方の状況・役割を理解し説明できる
  患者の利益・利便を優先した連携
  地域における、自施設の立ち位置
  紹介先に求められる紹介状を記載することができる
  患者の代理人として、患者背景も踏まえた記載
・多職種連携・多職種協働の重要性を理解し説明できる。(以下のキーワードを参考)
  複数の職種が、1人の患者ケアに関わる連携の有効性
  他の職種の業務内容の理解
  多職種が参加する会議・ミーティングへの参加(可能であれば)
・プライマリ・ケアに従事する医師の生活面も含めた現状を実感できる
・医療における経済面を意識することの重要性を説明できる。
  患者の費用負担を考慮した適切な医療
  診療所/病院の経営者としての視点
  限りある医療資源を社会全体にどう分配すべきか?というマクロの視点
・地域住民への健康増進の視点を持つことの重要性を説明できる。
  健康教室への参加・地域の健康づくりへの貢献
  ワクチン・健康診断の場への参加
・医療政策について考える視点の重要性を説明できる。
  行政が中心となる医療政策,プロジェクトへの関心
3.コアとしての臨床能力を獲得するために必要な臨床例および臨床問題
A.症状,徴候,検査データ
・プライマリ・ケアで頻度の高い、以下の愁訴について問診・診察を行い、鑑別診断
を挙げて、自分なりに診療方針を立ててまとめることができる
 □ 感冒症状
 □ 咳
 □ 頭痛
 □ その他(不眠,便秘,体重減少,貧血,めまいなど)
B.疾 患
・実習施設の特徴によって、以下の①もしくは②のいずれかの疾患について、治療の
医学的な目標を踏まえた治療計画を作成できる。
①プライマリ・ケアで頻度の高い,高齢者における外来疾患
 □ 高血圧症
 □ 糖尿病
 □ 脂質代謝異常症
②プライマリ・ケアで頻度の高い,高齢者における入院疾患
 □ 肺炎
 □ 尿路感染症
 □ その他(心不全、気管支喘息、消化性潰瘍、貧血など)
C.その他
・高齢者医療における下記のキーワードを理解し、高齢者総合評価を実施できる。
 □ 高齢者医療における多職種連携・多職種協働
 □ 虚弱高齢者(Frail elderly)という概念
 □ 老年医学の巨人(Geriatric giants)という概念
 □ 介護保険制度
 □ ADL(Activity of daily living)とIADL(Instrumental activity of daily living)
 □ 抑うつ,認知機能の評価スケール
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○「態度」・豊かな人間性と高い倫理観を持って行動できる。
○「態度」・科学的根拠に基づいて考え、判断することができる。
 「態度」・地域医療の実践に必要な使命感と責任感を有している。
○「態度」・生涯を通して自らを高めていく態度と医科学の進歩を追求する研究心を持っている。
○「技能」・患者の身体的、ならびに社会心理的状況を科学的、統合的に評価し、全人的医療を実践できる。
○「技能」・医学・医療の国際化に対応できる「語学力」「自己表現力」「多文化理解力」を有している。
 「技能」・医療チームで必要な「コミュニケーション力」「リーダーシップ」「協調性」を理解し、多職種連携によるチーム医療に参加することができる。
○「知識」・医療実践に必要な医学・医療の知識を修得している。
○「知識」・社会人と医療人に求められる豊かな知識と教養を有している。
 「知識」・地域と国際社会で求められる保健・医療・福祉を理解している。

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 中間振り返りプレゼンテーション・最終日提出のポートフォリオ・高齢者総合評価シート・実習中の外来/病棟などでの実際の医療面接・診療・手技・態度などを総合的に評価し、60点以上を合格とします。但し、定められた提出物が未提出の場合は、60点を超えていても不合格とします。また、正当な理由のない遅刻や欠席は減点の対象になります。
授業の方法 講義 実習 実技

授業の特徴

PBL

特色ある教育

プレゼンテーション/ディベートを取り入れた授業
地域理解・地域交流の要素を加えた授業
キャリア教育の要素を加えた授業
その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど)

英語を用いた教育

授業改善の工夫 LINE WORKS(業務用SNS,業務用インスタントメッセンジャー)やeラーニングを用いて、大学教員から離れた実際の臨床の場であっても、即時の振り返りや情報共有が進むように取り組んでいます。
また、ルーブリックを用いたワークベースドアセスメントの取り組みを始めています。実際の臨床現場でチームの一員として、医療と関わり学習する学習者の実習中の形成的な評価のためのツールとしてルーブリックをベースにした評価表を使用しています。
これらにより、1ヶ月の実習期間を最大限活用し、学習者の目標や成長段階、興味や将来像に合わせたきめ細やかな学習の環境を提供予定です。
教科書
参考書 1.金城光代:ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第2版、2017 医学書院
2.藤沼康樹:新・総合診療医学 診療所総合診療医学編 第3版 2019 カイ書林
3.林野泰明監訳:実践行動医学2010 メディカルサイエンスインターナショナル
4.徳田安春総監訳:マクギーのフィジカル診断学 原著第4版 2019 診断と治療者
5.William Silen : COPE’s Early Diagnosis of the acute abdomen OXFPRD
6.Harriso's principles of INTENAL MEDICINE
7.日本家庭医療学会編:新 家庭医 プライマリ・ケア医入門 -地域で求められる医師をめざして-.プリメド社, 2010
8.モイラ・スチュワート:患者中心の医療.診断と治療社, 2002
9.マクダニエル他:家族志向のプライマリ・ケア.シュプリンガー・フェアラーク東京,2006
10.竹村洋典編:海のむこうの総合診療. 治療 vol.97, No.7,南山堂, 2015
11.診断と治療(Vol.103 No.12) 知っておくべき総合診療の現在 実践と教育・研究から未来を展望する 2015.診断と治療社
12.レジデント(Vol.9 No.3) 医療面接 学びなおし~基礎から臨床に使える応用まで~.2016
オフィスアワー コーディネーター:三重大学大学院医学系研究科/ 総合診療部 講師 後藤道子
メール:tamgoto@med.mie-u.ac.jp  *LINE WORKSでのメッセージも可
オフィス:探索医学研究棟 2階総合診療部医局
オフィス・アワー:月曜日~金曜日 9時~17時 
*教育・研究・診療などのため不定期に不在となるため、不在時は秘書へ連絡
受講要件 学生教育研究災害傷害保険、学研災付帯賠償責任保険に必ず加入すること
クリニカル・クラークシップ受講前に必要な予防接種を受けること
予め履修が望ましい科目
発展科目 ・家庭医療学(総合診療科)エレクティブ 
・長期地域臨床実習(Longitudinal Regional Community Curriculum :LRCC/LIC)名張市立病院、志摩市民病院、市立伊勢総合病院、みたき総合病院、紀南病院での3か月・4か月のエレクティブ
その他 コロナ禍で期間や学習内容が変わることがありますので、予めご了承ください。

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 家庭医療学、家庭医、総合診療科、総合診療医、プライマリ・ケア、地域医療、高齢者医療、地域志向、患者中心の医療の方法、多職種連携、病診連携・診診連携
Key Word(s) Family Medicine,Family Practitioner,General Practice,General Practitioner,Primary Care,Regional Medicine,Geriatric Medicine,Geriatric Medicine,Comunity Oriented Primary Care,Patient Centered Clinical Method,Interprofessional Collaboration,Hospital and Clinic Cooperation
学修内容 初日は大学に集合し家庭医療の基盤的研修などを行う。
2日目以降は家庭医療・総合診療を行っている医療施設に分かれ、研修を4週間行う。
2週目の木or金曜日は各実習先施設で中間の振り返り(プレゼンテーション)を行う。実習前半で感じた自らの成長を報告し、実習後半に向けての目標を設定し発表する。
また、2週目の週末には、大学でスキル実習、臨床推論・プレゼンテーション、SDHの講義がオンラインで行われる。
最終日は大学で対面、もしくはオンラインで報告会・試験を行い、研修の総括を行う。

学習内容のうち、医学教育モデル・コア・カリキュラム令和4年度改訂版へ対応している項目は以下の通り。
https://www.mext.go.jp/content/20230207-mxt_igaku-000026049_00001.pdf

第1章 医師として求められる基本的な資質・能力
PR:プロフェッショナリズム
GE:総合的に患者・生活者を見る姿勢
LL:生涯にわたって共に学ぶ姿勢
RE:科学的探究(Research)
PS: 専門知識に基づいた問題解決能力
CS: 患者ケアのための診療技能
CM: コミュニケーション能力
IP: 多職種連携能力
SO: 社会における医療の役割の理解
事前・事後学修の内容 本授業の目的を達成するための自己学習の資源:
 ・eラーニング・サイト;三重大学家庭医療学システム
   *ビデオ講義、プレゼンテーション・ポートフォリオ提出など
   *https://family-medicine.medic-mie-u-lms.jp/home
 ・学生/施設指導医/大学教員内での専用コミュニケーションツール(LINE WORKS)

参考資料:
1.金城光代:ジェネラリストのための内科外来マニュアル 第2版、2017 医学書院
2.藤沼康樹:新・総合診療医学 診療所総合診療医学編 第3版 2019 カイ書林
3.林野泰明監訳:実践行動医学2010 メディカルサイエンスインターナショナル
4.徳田安春総監訳:マクギーのフィジカル診断学 原著第4版 2019 診断と治療者
5.William Silen : COPE’s Early Diagnosis of the acute abdomen OXFPRD
6.Harriso's principles of INTENAL MEDICINE
7.日本家庭医療学会編:新 家庭医 プライマリ・ケア医入門 -地域で求められる医師をめざして-.プリメド社, 2010
8.モイラ・スチュワート:患者中心の医療.診断と治療社, 2002
9.マクダニエル他:家族志向のプライマリ・ケア.シュプリンガー・フェアラーク東京,2006
10.竹村洋典編:海のむこうの総合診療. 治療 vol.97, No.7,南山堂, 2015
11.診断と治療(Vol.103 No.12) 知っておくべき総合診療の現在 実践と教育・研究から未来を展望する 2015.診断と治療社
12.レジデント(Vol.9 No.3) 医療面接 学びなおし~基礎から臨床に使える応用まで~.2016
事前学修の時間:60分/回    事後学修の時間:60分/回

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