三重大学ウェブシラバス


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科目の基本情報

開講年度 2023 年度
開講区分 生物資源学部
受講対象学生 資源循環学科・森林資源環境学教育コース
学部(学士課程) : 2年次
選択・必修 選択
授業科目名 生物地球化学
せいぶつちきゅうかがく
Biogeochemistry
単位数 2 単位
ナンバリングコード
BIOR-Envi-2131-005
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期

開講時間 火曜日 1, 2時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所 211教室

担当教員 松尾 奈緒子

MATSUO, Naoko

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 森林などの生態系における元素循環のうち、生物が関与する炭素や窒素など生元素の循環を化学反応や酸化還元反応の視点から解説する。また、こうした生元素循環の把握や生態系の構造解析、降水の水蒸気起源、汚染物質の発生源の推定、古気候の復元など地球システムを理解するために利用されている安定同位体についても解説する。
学修の目的 地球システムを理解する際や、地球や地域の環境問題やエネルギー問題について考える際の基礎となる、生物圏の元素循環について理解する。またその評価手法を身につける。
学修の到達目標 生態系では好気的か嫌気的のどちらか一様な環境ということはほとんどなく、それらがミクロな範囲で隣接していたり、段階的に存在したりする。そして生物圏における物質循環の多くのプロセスが、そうした環境に応じた微生物や植物の酸化還元反応によって駆動されている。このことを理解すると世界がまったく違って見えてくる(と思う)。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
 (1)幅広い教養と倫理観、国際感覚を身につけ、豊かな人間性を有している。
○(2)生命、環境、食料、健康等に関する生物資源学の基本的な知識と技術、経験を有している。
○(3)科学的で論理的な思考を展開することができ、計画的に問題の解決に取り組むことができる。
 (4)豊かなコミュニケーション能力を持ち、他者と協力して行動することができる。
 (5)社会の変化に柔軟かつ自律的に対応し、発展的に生きていくことができる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  •  主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

○ JABEE 関連項目
成績評価方法と基準 毎回の小問(60%)、期末課題(40%)、計100%。(合計が60%以上で合格)
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

Moodleを活用する授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫
教科書 指定教科書はなし。配布資料を使用(事前にMoodleにアップ)。
参考書 地球化学講座シリーズ(日本地球化学会監修、培風館)、 地球環境化学入門(アンドリュースら著、渡辺正訳、シュプリンガー・フェアラーク東京)、チェンジング・ブルー―気候変動の謎に迫る(大河内直彦 著、岩波書店)
オフィスアワー 毎週月曜日午後13:00~16:00、場所407号室
受講要件
予め履修が望ましい科目 基礎化学、基礎生物
発展科目
その他 環境教育に関連した科目

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 炭素循環、窒素循環、微生物、酸化還元反応、安定同位体、古気候、酸性降下物
Key Word(s) Carbon cycle, nitrogen cycle, microorganism, oxidation/reduction, stable isotope, paleoclimate, acid deposition
学修内容 第1回 生物地球化学への導入
生物地球化学とはなにか。生物が駆動する生元素循環。酸化と還元。

第2回 生物地球化学の基礎
化学の基礎をおさらいし、この授業を通してのキーワードを確認する。キーワード:酸化数、地球サブシステム、物質輸送のボックスモデル、平均滞留時間

第3回 生物圏の炭素循環1
地球上の炭素の分布や形態、陸上・海洋生態系の炭素循環を概観した後、各プロセスについて順次学んでいく。まずは、陸上生態系における光合成と呼吸の反応を酸化還元反応として理解する。キーワード:無機態炭素、有機態炭素、酸化還元

第4回 生物圏の炭素循環2
陸上生態系における分解、風化、そして陸から海への炭素流出について学ぶ。キーワード:化学量論(Stoichiometry),レッドフィールド比

第5回 生物圏の炭素循環3
炭酸塩の生成・溶解、海洋中深層の炭素、海底堆積物について学ぶ。キーワード:二酸化炭素平衡反応、デトリタス

第6回 安定同位体地球化学1
安定同位体とはなにか、なにがわかるか。キーワード:平衡同位体効果、動的同位体効果、同位体分別、安定同位体比

第7回 安定同位体地球化学2
生態学や環境科学における安定同位体の利用について概説し、事例として炭素・窒素安定同位体比を利用した生態系構造解析方法について解説する。キーワード:トレーサー、食物網、栄養段階、食性解析

第8回 安定同位体地球化学3
気象学・気候学における安定同位体の利用について概説し、事例として酸素安定同位体比を利用した古気候の復元方法について解説する。キーワード:平衡同位体効果、有孔虫殻、海水、氷床、氷期/間氷期

第9回 生物圏の窒素循環1
陸上生態系の窒素循環について概説し、無機化と硝化について学ぶ。キーワード:制限元素、内部循環、微生物、好気呼吸

第10回 生物圏の窒素循環2
植物による吸収・同化、微生物による吸収・同化(不動化)について学ぶ。ここまでが陸上生態系における窒素の内部循環。キーワード:可給態窒素、硝化還元酵素、好気的/嫌気的環境、菌根菌

第11回 生物圏の窒素循環3
脱窒、溶脱、アンモニア揮散など、陸上生態系からの窒素流出プロセスについて学ぶ。キーワード:嫌気呼吸、嫌気性アンモニア酸化(Anammox)、土壌吸着、土壌pH

第12回 生物圏の窒素循環4
窒素固定、大気降下物など陸上生態系外から系内への窒素流入プロセスについて学ぶ。キーワード:単独/共生窒素固定細菌、ハーバー・ボッシュ法、酸性降下物、湿性/乾性降下物

第13回 森林の水質形成機能1
森林の窒素収支、森林からの硝酸イオン流出プロセスなどについて学ぶ。キーワード:硝酸イオン、窒素・酸素安定同位体比、質量に依存しない同位体分別、森林の窒素飽和

第14回 森林の水質形成機能2
森林における降雨流出プロセスにともなう水のpHの変化とその決定要因について学ぶ。キーワード:水素イオン、塩基性陽イオン、酸中和、陽イオン交換、化学的風化

第15回 森林の水質形成機能3
森林の酸緩衝能をアジアとヨーロッパとで比較する。キーワード:基岩風化、水質形成、土壌、窒素負荷診断

第16回 期末テスト
事前・事後学修の内容 事前学修
前週にMoodleにアップした配布資料に目を通し、予習する。参考図書に挙げた教科書や本を読む。それ以外にも地球化学や生物地球化学に関する本には面白い本がたくさんあるのでせひ読んでください。

事後学修
授業後にGoogle Formで小問に解答し、提出する。また、小問の出題箇所や授業中に重要ポイントだと伝えた箇所を重点的に配布資料を読み直し、復習する。小問の解答やGoogle Formの自由記述欄の質問に対して、翌週の授業の前半に解説する。
事前学修の時間:120分/回    事後学修の時間:120分/回

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