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開講年度 | 2023 年度 | |
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開講区分 | 教育学部・教科及び教科の指導法に関する科目(A類)・国語 | |
科目名 | 国文学 | |
こくぶんがく | ||
Japanese Literature | ||
受講対象学生 |
教育学部, A 類 他類の学生の受講可 学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次 72~74 期生 |
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卒業要件の種別 | 選択必修 国語教育コースの選択必修科目 |
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授業科目名 | 国文学講義・近代Ⅰ | |
こくぶんがくこうぎ・きんだいいち | ||
Lecture on Japanese Modern Literature 1 | ||
単位数 | 2 単位 | |
ナンバリングコード | educ-lang-LITR2014-001
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開放科目 | 非開放科目 | |
開講学期 |
前期 |
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開講時間 |
火曜日 9, 10時限 |
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授業形態 |
対面授業 * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい
「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業 |
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開講場所 | ||
担当教員 | 和田 崇(教育学部) | |
WADA, Takashi | ||
実務経験のある教員 | 【教員名】和田崇 【実務経験】高等学校における非常勤講師の経験を有す 【講義内容との関連性】実務経験より得た文学教育の現状に関する知見を活かして,文学作品の歴史的背景や読解法を国語科教科書と関連づけながら教授する。 |
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SDGsの目標 |
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連絡事項 | * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい |
授業の概要 | 1945年8月に広島と長崎へ投下された原子爆弾は、両都市の推定人口の約3分の1にも及ぶ死者を出した。また、原爆の被害は急性死亡だけでなく、放射線被曝(いわゆる原爆症)による被害も甚大で、今なお苦しめられている患者も大勢いる。そのため、原爆を描いた作品は、終戦直後に書かれた栗原貞子の詩「生ましめんかな」や原民喜の小説「夏の花」から、近年の こうの史代 による漫画『この世界の片隅に』に至るまで、長く描き続けられている。本講義では、具体的な作品を取り上げながら原爆を描いた文学について概観し、原爆を表象することの意義を多角的な視点から検証する。 作品選定にあたっては、旧西ドイツで翻訳刊行されたSeit jenem Tag: Hiroshima und Nagasaki in der japanischen Literatur, Hg. Von Ito Narihiko et al., Frankfurt am Main: Fischer, 1984.と、旧東ドイツで翻訳刊行されたAn jenem Tag: Literarische Zeugnisse über Hiroshima und Nagasaki, Hg. von Jürgen Berndt, Berlin; Volk und Welt, 1985.に収録された作品を参照した。なぜなら、東西冷戦下で政治的に対立した両国で翻訳・紹介された日本の原爆文学を検証することで、原爆にまつわるイデオロギーの偏向や普遍性を探究できる可能性があるからである。多様な原爆文学を読み解く中で、教材としての戦争文学の意義も同時に考えていきたい。 |
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学修の目的 | 日本の原爆文学に関する歴史的背景や基礎的な知識を学ぶ。 学習内容を教材研究に関連づけて、作品の表現や内容を主体的に探究する力を身に付ける。 |
学修の到達目標 | 日本の原爆文学に関する基礎的な知識や文学作品の読解法を学び、それを文学教材の指導に応用できるようになる。 |
ディプロマ・ポリシー |
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成績評価方法と基準 | ・予習課題(事前提出)26%+授業課題(授業時に提出)60%+授業への積極的参加度14%=計100%(合計60%以上で合格) ・3分の2以上の出席を要す(ただし、出席点として評価には加えない)。 ・予習課題(全13回)のうち、未提出が4回を超えた場合は単位を不認定とする。 |
授業の方法 | 講義 |
授業の特徴 |
Moodleを活用する授業 その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど) |
授業改善の工夫 | |
教科書 | テキストはMoodleで配布する。 |
参考書 | 〔文献目録〕 ・広島文学館編『文学資料データベース』https://bngkkn.hiroshima-u.ac.jp/database/ ・『広島平和記念資料館 平和データベース』https://hpmm-db.jp/ ・原爆文学研究会の機関誌『原爆文学研究』http://www.genbunken.net/kenkyu/kenkyu.htm ・文献情報研究会編著『原爆文献大事典:1945(昭和20)年~2002(平成14)年』(文献情報研究会 2004) 〔研究〕 ・長岡弘芳『原爆文学史』(風媒社 1973) ・黒古一夫『原爆文学論:核時代と想像力』(彩流社 1993) ・水田九八二郎『原爆児童文学を読む』(三一書房 1995) ・江刺昭子ほか編『女がヒロシマを語る』(インパクト出版会 1996) ・井上ひさし・小森陽一編著『座談会 昭和文学史 第五巻』(集英社 2004) ・津久井喜子『破壊からの誕生:原爆文学の語るもの』(明星大学出版部 2005) ・川口隆行『原爆文学という問題領域(プロブレマティーク)』(創言社 2008/2011増補版) ・村上陽子『出来事の残響:原爆文学と沖縄文学』(インパクト出版会 2015) ・川口隆行編著『〈原爆〉を読む文化事典』(青弓社、2017) ・川口隆行『広島(ヒロシマ)抗いの詩学:原爆文学と戦後文化運動』(琥珀書房 2022) 〔作品集〕 ・昭和戦争文学全集編集委員会編『昭和戦争文学全集13:原子爆弾投下さる』(集英社 1965) ・「核戦争の危機を訴える文学者の声明」署名者企画『日本の原爆文学』全15巻(ほるぷ出版 1983) ・家永三郎ほか編『日本の原爆記録』全20巻(日本図書センター 1991) ・浅田次郎ほか編『コレクション戦争と文学19:ヒロシマ・ナガサキ:閃』(集英社 2011) ・『セレクション戦争と文学1:ヒロシマ・ナガサキ』(集英社文庫 2019) ・大原三八雄ほか編『日本原爆詩集』(太平出版社 1970) ・大原三八雄編『世界原爆詩集』(角川文庫 1974) ・合同出版編集部編『八月:原爆詩集』(合同出版 2008) ・来栖良夫ほか編『ヒロシマ・ナガサキ原爆児童文学選:太陽の落ちた日』(労働教育センター 1980) ・『原爆児童文学集』全30巻(汐文社 1985-1986) *その他は授業内で適宜提示する。 |
オフィスアワー | 時間:毎週月曜日5,6限 場所:国文学第1研究室(和田崇研究室) |
受講要件 | |
予め履修が望ましい科目 | 国文学概説 |
発展科目 | 国文学演習・近代Ⅰ~Ⅳ |
その他 |
・定期試験を実施しないため、評価において毎時の課題の占める割合が高いことに注意する。 ・社会状況や本学の方針に応じて、ハイブリッド、完全オンラインの各授業方法へ柔軟に対応する。 |
MoodleのコースURL |
https://moodle.mie-u.ac.jp/moodle35/course/view.php?id=16086 |
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キーワード | 日本近代文学、原爆 |
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Key Word(s) | Modern Japanese literature, Atomic bomb |
学修内容 | 第1回…イントロダクション:原爆文学とイデオロギー 第2回…原爆小説を読む(1):美川きよ「あの日のこと」(1946) 第3回…原爆小説を読む(2):原民喜「夏の花」(1947) 第4回…原爆詩を読む(1):1940-1950’ 栗原貞子・峠三吉・原民喜など 第5回…原爆の記録を読む(1):峠三吉・原民喜 第6回…原爆小説を読む(3):井伏鱒二「カキツバタ」(1951) 第7回…原爆小説を読む(4):大田洋子「半人間」(1954) 第8回…冷戦下の東西ドイツで翻訳された日本の原爆文学〔特殊講義〕 第9回…原爆小説を読む(5):佐多稲子「色のない画」(1961) 第10回…原爆小説を読む(6):竹西寛子「儀式」(1963) 第11回…原爆の記録を読む(2):大江健三郎『ヒロシマ・ノート』(1964)*抜粋 第12回…原爆詩を読む(2):1960’-1970’ 近藤東・栗原貞子など 第13回…原爆小説を読む(7):小田実『HIROSHIMA』(1981)*抜粋 第14回…原爆小説を読む(8):井上光晴「明日 一九四五年八月八日・長崎」(1982) 第15回…まとめ:二項対立を超えて―加害/被害・証言/再現・当事者/非当事者― |
事前・事後学修の内容 | 毎回の授業時に予習課題を提示する。 |
事前学修の時間:120分/回 事後学修の時間:60分/回 |