三重大学ウェブシラバス


シラバス表示

 シラバスの詳細な内容を表示します。

→ 閉じる(シラバスの一覧にもどる)

科目の基本情報

開講年度 2022 年度
開講区分 人文学部文化学科
受講対象学生 2012年度以降入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 特殊講義:オセアニア地域の平和と暴力
おせあにあちいきのへいわとぼうりょく
Special Issue: Peace and Violence in Oceania
単位数 2 単位
ナンバリングコード
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 金曜日 5, 6時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所

担当教員 藤井真一

FUJII, Shin-ichi

SDGsの目標
連絡事項 このシラバスに書いている内容は2022年3月時点のものであり、対面での授業を念頭に置いている。新型コロナ感染症の拡大状況等によっては、授業形態や授業方法、成績評価方法について変更を余儀なくされることがある。変更する際は、授業等を通じて受講者に周知する。

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 オセアニア地域は「太平洋」や「パシフィック(pacific)」とも呼ばれる。「平和(peace)」に由来する地域名が付けられていることから、暴力や戦争とは無縁の地域であるかのように思われるかもしれない。しかし、オセアニア地域は第二次世界大戦(太平洋戦争)の舞台として日本人に馴染み深い地域である。また、あまり日本人には馴染みがないかもしれないが、特にメラネシアと呼ばれる南西太平洋の地域では首狩りや報復殺人といった暴力が古くからみられるし、2000年頃を境にしてオセアニア地域の広範囲で政治的に不安定な状況が広がっている。
 この講義では、教員の調査研究に基づきながら、オセアニア地域における平和と暴力の問題について説明する。なお、この講義で扱う平和と暴力の問題は、武力衝突を伴う戦争に限らず、核実験や気候変動に伴う強制移住、自然災害への対応などを含み、いわゆる「戦争」と対比して考えられがちな平和観を再考する機会を提供する。
学修の目的 オセアニア地域における現代的諸問題を、平和や暴力という観点から考えることを目的とする。そのために、世界各地の諸文化における平和観や平和概念の多様性や「構造的暴力」などの考え方を知り、いわゆる「戦争」と対比して考えられがちな狭い意味での平和を相対化して理解・説明できるようになることを目指す。
学修の到達目標 1.オセアニア地域における平和と暴力の問題についての知識を得、理解を深めること。
2.「構造的暴力」や「非-平和」という考え方を知り、平和という考え方を相対化して考えられるようになること。
3.オセアニア地域の「非-平和」について学ぶことを通じて、現代世界における諸問題について多角的に考える力を身につけること。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○人文科学の諸分野の専門的知識と豊かな教養を身につけている。
○変動激しい現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
○人文科学諸分野の成果に基づき、世界各地域の固有の文化に関して、広い視野から探求できる。
○変動激しい現代社会に対する理解を基盤として、国際感覚に基づいて行動できる。
○自ら学んだ知を、口頭表現や文章表現によって的確に発信することができる。
○国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  • ○共感
  •  主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  •  専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 コメントシート30%
レポート70%
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど)

英語を用いた教育

授業改善の工夫
教科書 使用しない
参考書 須藤健一、2008、『オセアニアの人類学―海外移住・民主化・伝統の政治』、風響社。
丹羽典生、石森大知(編)、2013、『現代オセアニアの〈紛争〉―脱植民地期以降のフィールドから』、昭和堂。
丹羽典生(編)、2016、『〈紛争〉の比較民族誌―グローバル化におけるオセアニアの暴力・民族対立・政治的混乱』、春風社。
藤井真一、2021、『生成される平和の民族誌―ソロモン諸島における「民族紛争」と日常性』、大阪大学出版会。
オフィスアワー 問い合わせは人文学部深田まで(j.fukada@human.mie-u.ac.jp)
受講要件
予め履修が望ましい科目 比較文化論、人類学概論、アジア・オセアニアの社会A・B、アジア・オセアニアの民族と文化A・Bなど
発展科目
その他

授業計画

MoodleのコースURL https://moodle.mie-u.ac.jp/moodle35/course/view.php?id=14012
キーワード 平和、暴力、紛争、自然災害、SDGs、文化人類学、オセアニア
Key Word(s) peace, violence, conflict, natural disaster, SDGs, cultural anthropology, Oceania
学修内容 1.オリエンテーション:本講義のアウトライン
2.オセアニア地域の概観(1):地理的な広がり
3.オセアニア地域の概観(2):文化交流の歴史
4.平和について考えるということ(1):平和の文化的多様性
5.平和について考えるということ(2):非-平和という考え方
6.レポートの書き方(1):基本的な構造
7.ニューギニアの部族間抗争
8.ソロモン諸島の首狩と報復殺人
9.ソロモン諸島の「民族紛争」(1):背景と経過
10.ソロモン諸島の「民族紛争」(2):紛争処理の方法
11.レポートの書き方(2):引用の仕方
12.ソロモン諸島の自然災害と平和
13.ミクロネシアにおける核実験と平和
14.ポリネシアにおける環境問題
15.まとめ
事前・事後学修の内容 事前学修として、前回配布資料や講義ノートをよく確認し、授業のポイントを再確認しておくこと。
 事後学修として、各回授業で取り扱ったオセアニア地域文化や平和をめぐる社会文化的諸問題について、各自で考えをまとめておくこと。
 なお、事前学修でも事後学修でも、授業内で紹介された参考文献を参照することが望ましい。
事前学修の時間:120分/回    事後学修の時間:120分/回

Copyright (c) Mie University