シラバスの詳細な内容を表示します。
→ 閉じる(シラバスの一覧にもどる)
開講年度 | 2022 年度 | |
---|---|---|
開講区分 | 工学部分子素材工学科/総合工学科応用化学コース ・専門教育 | |
受講対象学生 |
学部(学士課程) : 3年次 |
|
選択・必修 | 選択必修 |
|
授業科目名 | 電気材料化学 | |
でんきざいりょうかがく | ||
Electrochemical Materials Science | ||
単位数 | 2 単位 | |
ナンバリングコード | EN-INAN-3
|
|
開放科目 | 非開放科目 | |
開講学期 |
後期 |
|
開講時間 |
月曜日 3, 4時限 |
|
授業形態 |
ハイブリッド授業 * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい
「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業 |
|
開講場所 | ||
担当教員 | 武田 保雄(工学部分子素材工学科) | |
TAKEDA Yasuo | ||
実務経験のある教員 | 過去、45年間、無機固体の合成、構造、電子物性等の研究に従事。400編以上の論文を作成。電気材料に関して多くの知見を有する。 | |
SDGsの目標 |
|
|
連絡事項 | * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい |
授業の概要 | 電気材料と言う用語はあまり馴染みがないかもしれないが、電子、イオン、ホール、スピンなどが関係した様々な性質を持つ物質群のことである。原子は正電荷の陽子と負電荷の電子から出来ているので、宇宙に存在する物質はすべて電気材料と言うことも出来るが、ここでは非分子性の無機固体物質に範囲を限定して講義する。主に、電気材料物性の理解の基礎となる無機固体の結晶構造、固体中の欠陥、固体の化学結合、多様な合成法、電気的、磁気的物理物性とそれらの応用などを説明する。化学系の出身者にとって将来役に立つと思われる名著「ウエスト固体化学 基礎と応用」を教科書に使用する。炭素と水素が主体で美しく体系化された有機化学とは異なり、無機固体化学は周期表にある100種以上の元素を対象とする混沌とした世界である。その組み合わせは無限にあり、まだまだ手つかずの物質群が多くある。また、同じ組成の物質でも、そのサイズ(原子レベル、ナノ、マイクロ、バルク)で性質は大きく異なるし、少し不純物が取り込まれるだけでで性質が大きく変化することもよく知られている。その多様性を楽しんでいただければ幸いである。 |
---|---|
学修の目的 | まず、無機固体の構造がどの様にできあがっているかを理解するのを第一の目標とする。元素の種類、酸化状態、イオンの大きさ、配位状態、結合状態と結晶構造の関係が理解できること、様々な合成法を学び必要なときにそれらを利用できるようになること、固体物質は決して理想的な状態で存在するのではなく、様々な欠陥をもっていてそらが性質に大きく関係していること、多様な物性がどの様な結晶構造と元素の組み合わせで出現するのか理解し予想できる事、これらがこの学修の目標である。 |
学修の到達目標 | まず、結晶構造の記述法をの知識を得る。最密充填の考え方、配位の考え方、代表的な結晶構造を学び、結晶構造の相互の関連を知識としてでなくイメージとして理解できること、様々な固体の合成法を学び、どの合成法が対象物質に最適であるかを判断できること、状態図を理解して無機固体に良く出現する準安定の考え方が理解できること、電子伝導、イオン伝導、強磁性、反強磁性など様々な固体物性と、結晶構造、元素の酸化状態、化学結合との関連が理解できるようになること、これらが、電気材料化学を学ぶ上での目標である。これらを、まとまった体系として身につけておくことは、工学部の出身者としていずれ役立つものと思われる。 |
ディプロマ・ポリシー |
|
成績評価方法と基準 | 出席7割以上原則とし、定期試験100%で評価する。 |
授業の方法 | 講義 |
授業の特徴 | |
授業改善の工夫 | 学生の授業評価アンケートに基づき改善する。 |
教科書 | ウエスト固体化学 基礎と応用 著者A.R.ウエスト 講談社 |
参考書 | |
オフィスアワー | 月曜日、木曜日 10:00-16:00 場所:総合研究棟I、2階209号室 |
受講要件 | |
予め履修が望ましい科目 | 無機化学AB、 物理化学ABC |
発展科目 | |
その他 |
MoodleのコースURL |
---|
キーワード | 固体化学、結晶構造、欠陥、固体の化学結合、無機合成、相図、超伝導性、半導体特性、イオン伝導、磁性 |
---|---|
Key Word(s) | solid state chemistry, crystal structure, crystal defect, bonding in solid, inorganic synthesis, phase diagram, superconductivity, semiconductivity, ionic conductivity, magnetic property |
学修内容 | 第1回 導入教育 固体化学とは、結晶構造の記述ー単位格子、晶系、最密充填構造。 第2回 結晶構造と結晶化学 最密充填構造(続き)、主な構造(岩塩、閃亜鉛鉱、ホタル石、逆ホタル石構造の関係)。 第3回 結晶構造と結晶化学(続き) 主な結晶構造(続き)- ペロブスカイト型構造。 第4回 結晶の欠陥、非化学量論性および固溶体 欠陥の型、固溶体。 第5回 固体における化学結合 イオン結合(イオン半径、格子エネルギー、部分共有性)。 第6回 固体における化学結合(続き) 共有結合、金属結合とバンド理論。 第7回 合成、プロセッシング、製造法 一般的な固相反応、ソフト化学的手法。 第8回 合成、プロセッシング、製造法(続き) インターカレーション反応(重要なリチウム電池材料について)、その他の特殊な合成法。 第9回 結晶学と回折法 固体化学で特によく利用されるX線回折法について。 第10回 相図とその解釈 相律、一成分系、二成分系、固溶体。 第11回 電気的性質 金属伝導、超伝導、半導体特性 第12回 電気的性質(続き) イオン伝導。誘電体 第13回 電気的性質(続き) 全固体電池に使われるイオン導電体について 第14回 磁気的性質 磁性について、磁性体の構造と特性 第15回 磁気的性質(続き)、まとめ 磁性応用、全体のまとめ |
事前・事後学修の内容 | |
事前学修の時間:30分/回 事後学修の時間:30分/回 |