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科目の基本情報

開講年度 2022 年度
開講区分 医学部医学科 ・臨床実習
受講対象学生 学部(学士課程) : 4年次, 5年次, 6年次
選択・必修 選択
授業科目名 緩和医療学
かんわいりょうがく
Palliative Care Medicine
単位数 単位
ナンバリングコード
開放科目 非開放科目    
開講学期

スケジュール表による

開講時間
・実習科での業務スケジュールにより変更される場合がある。
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所 三重大学医学部附属病院 外来棟4階緩和ケアセンター
外来棟3階3診察室

担当教員 松原 貴子

MATSUBARA, Takako

実務経験のある教員 松原貴子:全国で273名、三重県では5名しかいない緩和医療学会専門医である。20年にわたる総合病院ペインクリニックでのがん性疼痛緩和と心療内科診療の経験をいかし、病院緩和ケアチーム専従医師として早期からの緩和ケアに従事し、症状緩和やアドバンスケアプランニングを中心にした臨床活動を行っている。死の臨床現場におけるケアとして「生きる意味への援助」「意思決定支援」を重要視し、ケアとコミュニケーション能力の向上のための対人援助職への教育活動を行っている。これらの実務内容そのままを臨床実習にて経験できるコースである。日本緩和医療学会代議員・学会認定専門医、日本死の臨床研究会世話人・中部支部長、対人援助・スピリチュアルケア研究会認定講師等を務める。

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 どれほど高度に医療が発達しても治癒・治療の限界は存在する。緩和医療は、患者の余命や治療の限界に関わらず、QOL(生命の質・生活の質)の向上・維持を目指すアプローチである。回診や多職種チーム医療への参加により、診療技術の提供といった医学の本質的姿勢に加え、身体的だけではなく、心理社会的、実存的な苦痛や苦悩などの全人的苦痛を理解し、苦痛緩和のための基本的態度・診療技術を学ぶ診療参加型臨床実習である。また、癒しとケアのための基本的なコミュニケーションや倫理的な問題への対応を理解するための演習や実習も行う。
学修の目的 患者の苦痛を包括的に評価する。
心理社会的・スピリチュアルな問題への対処方法を知る。
症例を通して、死にゆく過程の倫理的問題を理解し、患者の自律尊重の重要性を学ぶ。
終末期の多種多様なニーズ・意向の把握やケアの提供に必要なコミュニケーションの必要性を知る。
患者の苦痛や不安に配慮したコミュニケーションのあり方を学ぶ。
患者が望む場所での療養に寄与できるような診療や地域連携の在り方を知る。
学修の到達目標 患者中心の視点全人的苦痛とそのケアの概念を説明できる。
苦痛の包括的評価を行うことができる。
適切なチーム医療に活かせるよう医師以外の専門職の職能を説明できる。
アドバンスケアプランニングの必要性を説明できる。
終末期医療における倫理的課題について説明できる。
コミュニケーションにより良好な患者・家族との人間関係を構築できる。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○「態度」・豊かな人間性と高い倫理観を持って行動できる。
○「態度」・科学的根拠に基づいて考え、判断することができる。
○「態度」・地域医療の実践に必要な使命感と責任感を有している。
○「態度」・生涯を通して自らを高めていく態度と医科学の進歩を追求する研究心を持っている。
○「技能」・患者の身体的、ならびに社会心理的状況を科学的、統合的に評価し、全人的医療を実践できる。
○「技能」・医学・医療の国際化に対応できる「語学力」「自己表現力」「多文化理解力」を有している。
○「技能」・医療チームで必要な「コミュニケーション力」「リーダーシップ」「協調性」を理解し、多職種連携によるチーム医療に参加することができる。
○「知識」・医療実践に必要な医学・医療の知識を修得している。
○「知識」・社会人と医療人に求められる豊かな知識と教養を有している。
○「知識」・地域と国際社会で求められる保健・医療・福祉を理解している。

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  • ○心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 学修の到達目標に関する小テスト50%
レポート(テーマ:生と死を考える、苦境の中でいかに人は生きることができるか、医師としてそれをどのように支援できるか)50%
計100%(合計60%以上で合格)
授業の方法 講義 演習 実習 実技

授業の特徴

PBL

問題提示型PBL(事例シナリオ活用含)
プロジェクト型PBL
実地体験型PBL

特色ある教育

グループ学習の要素を加えた授業
eポートフォリオを活用する授業
キャリア教育の要素を加えた授業
その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど)

英語を用いた教育

教員と学生のやり取りは日本語でも、英語による論文や教材の講読を含んだ授業
授業改善の工夫 ・実習中の担当教員との応答の中で、常に授業内容についてのフィードバックが行いながら実習を進める。 
・実習中の学生の意見・コメントや実習終了時のアンケートの結果を授業内容に反映させ、より内容の濃い実習となるよう努力します。
教科書 新版がん緩和ケアガイドブック2017/7/7 日本医師会監修
専門家をめざす人のための緩和医療学 2019/6/25 日本緩和医療学会編
いのちの終わりにどうかかわるか 2017/11/13 木澤義之 、山本 亮、‎ 浜野 淳 (編) 医学書院
参考書 トワイクロス先生の がん患者の症状マネジメント 第2版、医学書院 (2010/9/1)
トワイクロス先生の緩和ケア処方薬 第2版: 薬効・薬理と薬の使い方、医学書院(2017/6/9)
オフィスアワー 毎週月・水 16:00-17:00 火・木・金 9:00-17:00
附属病院外来棟4階緩和ケアセンター 松原貴子
不在時は、緩和ケアセンター事務補佐員を通じて連絡。
学生用PHSを活用すること
受講要件 4年次に実施される、CATO(医療系大学間教養試験実施評価機構)によるCBT(Computer based test)、OSCE(客観的臨床能力試験)に合格していること
予め履修が望ましい科目 医学科1年から4年次までに履修、合格が求められている全科目
発展科目
その他 診断治療学では治癒困難な疾患において医師として対応が困難になる場合があり、緩和医療学は「治癒困難な疾患」や「死に至る疾患」であっても患者を支えることができる医療として発展してきた。包括的な医療とケア(身体の苦痛のみではなく、心理社会的苦痛、実存的苦痛などを含む全人的な苦痛の緩和)は終末期医療のみではなく、様々な状況での患者対応に役立つ内容である。

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 緩和医療、緩和ケア、エンドオブライフケア、早期からの緩和ケア、症状緩和、全人的苦痛、全人的ケア、苦痛緩和、がん疼痛緩和、心理社会的ケア、スピリチュアルケア、クオリティオブライフ、包括的評価とマネジメント、真実を伝える、アドバンスケアプランニング、意思決定支援、臨床倫理、学際的多職種チーム医療、緩和ケアチーム、コンサルテーション、緩和ケア病棟、在宅緩和ケア
Key Word(s) Palliative Care、Palliative Care Medicine、End-of-life Care、Early Palliative care、Sympton manegement、Care for Suffering、Total pain、Total care、Cancer Pain Relief、Psychosocial Care、Spiritual Care、Quality of life、Bad News Breaking、Advance Care Planning、Clinical Ethics、Multidiciplinary Team Management、Palliative Care Team、Consultsation、Palliative Care Unit、Palliative Home Care
学修内容 診療参加型診療実習
・緩和ケア外来実習 各週火曜・木曜午前
・講義 各週火曜・木曜午後
患者の苦痛の包括的評価、全人的苦痛とのそのケア、症候学的アプローチによる身体症状緩和の基本、心理社会的ケア、スピリチュアルケア、終末期の意思決定支援と臨床倫理
・緩和ケア多職種カンファレンス 毎週金曜日午後
症例のプレゼンテーション、症例検討
・コミュニケーション演習 月曜日午後

・その他
各病棟での多職種カンファレンス(随時)
退院調整カンファレンス(随時)
在宅ケア導入のためのカンファレンス(随時)
骨転移カンファレンス(月1回 第3月曜日19:00~)
Tumor Board(月1回 第2水曜日18:00~)
事前・事後学修の内容 教科書としてあげた「いのちの終わりにどうかかわるか 2017/11/13 木澤義之 、山本 亮、‎ 浜野 淳 (編) 医学書院」を通読し、医療の限界・命の終わりについて、その時期に取るべき医療者の態度・姿勢について思索を深めておくこと
事前学修の時間:60分/回    事後学修の時間:30分/回

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