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科目の基本情報

開講年度 2022 年度
開講区分 人文学部法律経済学科・社会科学科
受講対象学生 法律経済学科専用
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 政治思想史
せいじしそうし
History of Political Thought
単位数 4 単位
ナンバリングコード
humn-laec2210-012
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期

開講時間 火曜日 7, 8, 9, 10時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所

担当教員 川﨑 修敬(非常勤講師)

KAWASAKI,Nobuyuki

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 【古代と近代における民主主義とその他の概念──政治を思考した人々】
 授業の前半では、古代ギリシャにまず焦点を当て、アテナイの民主的都市国家(ポリス)において現在の我々が通常もちいている「政治」や「民主主義」といった考え方の原型が生み出された経緯をみていく。次にその時代の体系的な政治理論をプラトン、アリストテレスの順で概観し、両者が次の時代の政治思想におよぼした影響をトマス・アクィナス等を例として検討する。そののち、ルネッサンス期のマキャベリによって特殊近代的な意味での「権力政治」が誕生するまでの思想的経緯と背景をおっていく。その際ポイントとなるのは、マキャベリにおいても古代の政治思想がいかに大きく影響していたか、そして古代からの文化的遺産に対して近代的な権力概念がどのような関係にあったかである。
 授業の後半では、近代市民社会と個人主義における政治が中心になる。具体的には、ホッブズ、ロック、ルソ−の社会契約論における人間の基本的側面が授業で取り上げられる。その際、重視されるのは、契約を行う主体である自由な個人とその特徴、さらには自然状態についての考え方である。何故ならば彼ら社会契約論者の政治や国家に関する相違は、こうした点の違いに起因しているからである。更に、この社会契約論に対する批判とその理由を検討する。また時間があれば、その後の展開として、マルクスとウェーバーの理論の基本的部分を見ていく。しかし授業の主題となり、まず理解が目指されるのは、古代における政治理解と近現代の自由民主主義の基礎となった考え方である。というのも、これらの考え方が現代において政治的に思考する人々の豊かな土壌となり、政治理論上の要となっていったからである。
学修の目的 政治についての歴史的・思想的見方を学ぶことにより、対象に向けてより多面的で深化された観察眼を養う。
学修の到達目標 例えば「権力政治」など型に嵌ったありきたりな政治のイメージから抜けだし、「公共性」など、より多様で可能性に満ちた政治的思考へと開かれることを期待する。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○法律・政治・経済・経営の諸分野において、専門的知識と豊かな教養を身につけている。
○現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
○法律・政治・経済・経営の諸分野を広く学び、学際的視点で問題を探究できる。
 現代社会の課題に挑戦する積極性を備える。
○自ら学んだ知を的確に発信し、国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  •  専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 レポート(5回程度、授業内容について)60パーセント、定期試験40パーセント
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

英語を用いた教育

授業改善の工夫 政治思想史で用いる言葉や概念には、とっつきにくいものも多いと思うが、あまり大げさに構えなくて大丈夫です。たとえや例示なども交えて、なるべく分かりやすい講義を目指します。
教科書 なし
参考書 小笠原弘親、小野紀明、藤原保信『政治思想史』有斐閣 
藤原保信『西洋政治理論史』早稲大学出版部
その他は授業中に適宜指示する。
オフィスアワー 授業終了後の教室で
受講要件 特になし
予め履修が望ましい科目 特になし
発展科目 特になし
その他 分からない点については授業終了後などで私に質問してもらえれば、出来る限り丁寧に答えていく。学問上の質問は大歓迎である。

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 西洋政治思想史
Key Word(s) history of Western political thoughts
学修内容 第1回:政治思想史についての考え方、その研究方法
第2回:古代ギリシアの都市国家(ポリス)、成立と変遷
第3回:古代ギリシアの都市国家(ポリス)と民主政治
第4回:古代ギリシアの民主政治、問題点と批判
第5回:民主政治における法と個人、ソフォクレスの『アンティゴネー』などを手掛かりに
第6回:民主政治と討議、ソクラテスにおける政治と言葉
第7回:民主政治とその批判:プラトンの理解した民衆について
第8回:民主政治と政治哲学:プラトンの理想国家
第9回:民主制と法治国家:プラトンの「法律」
第10回:都市国家(ポリス)の完成と衰退:アリストテレスのプラトン批判
第11回:都市国家(ポリス)における人間像:アリストテレスの政治的人間と公共性
第12回:中世への過渡的状況:ヘレニズムと古代ローマ
第13回:中世的政治世界の形成、アウグスティヌスにおける宗教と政治
第14回:中世的政治世界の確立、アウグスティヌスの続きとアクィナス
第15回:中世の封建制とアクィナス、キリスト教政治と古代ギリシアの遺産
第16回:ルネッサンスと近代的政治の開始、個人主義と古代の再発見
第17回:近代的「権力」とマキャベリの『君主論』
第18回:権力と古代の「公共精神」、マキャベリの共和制と古代の遺産
第19回:マキャベリの歴史認識と政治観
第20回:宗教改革と政治革命、近代的個人と権力の拡張
第21回:ホッブズにおける社会契約論の確立(1)、その物理的自然観
第22回:ホッブズの社会契約論(2)、その人間観と権力闘争
第23回:ホッブズの社会契約論(3)、その絶対的国家による安定・平和
第24回:ロックにおける社会契約論の進展(1)、その自然的状態
第25回:ロックの社会契約論(2)、その人間的能力と「所有」
第26回:ロックの社会契約論(3)、議会と国家の役割
第27回:ルソーの社会契約論とフランス革命(1)、自然人と人間の純粋性
第28回:ルソーの社会契約論(2)、文明の退廃と人間の公共精神
第29回:ルソーの社会契約論(3)、一般意志と古代の公共精神
第30回:その後の理論的展開、マルクスとウェーバーについて
事前・事後学修の内容 講義後はノートやレジュメの中における疑問点や聞き漏らしなどをチェックし、分からないことは質問等で解決すること。また次回授業への予習もかねて、以前の授業で使ったレジュメの内容を復習するよう指示することがあるので気をつけてほしい。
事前学修の時間:120分/回    事後学修の時間:120分/回

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