三重大学ウェブシラバス


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科目の基本情報

開講年度 2022 年度
開講区分 生物資源学研究科(博士後期課程)生物圏生命科学専攻
受講対象学生 大学院(博士課程・博士後期課程) : 1年次, 2年次, 3年次
選択・必修 選択
授業科目名 水族感覚行動生物学
すいぞくかんかくこうどうせいぶつがく
Sensory Biology of Aquatic Animals
単位数 2 単位
ナンバリングコード
BIOR-Life-7591-003
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期

開講時間
受講者と相談の上、開講時間を調整します。
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所 生物資源学部棟6階628号室

担当教員 神原 淳,宮崎多恵子(生物資源学研究科生物圏生命科学専攻)

KOHBARA, Jun,MIYAZAKI, Taeko

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 魚類は地球上の脊椎動物の中で最も種数が多いグループである。魚類が生息する水中は水平・鉛直方向に大きく拡がり、また水の光学的特性のため、光環境は陸上よりもはるかに複雑である。魚類の索餌,摂餌,繁殖,回避,成群等の様々な行動に視覚がどのように関与しているか,また,これらの行動への水中光環境の影響について解説する.三重県は伊勢湾、志摩半島、熊野灘と、表情が異なる「海」に面し、多種多様な魚類に接する機会が多い。魚類の比較生理学を研究する上でのアドバンテージを生かし、魚類、さらには脊椎動物における光受容タンパク質の分子進化を解説するとともに、それらを明らかにするためのアプローチの方法を紹介する。また、水圏動物が光情報をどのように生命活動に活用して多様化してきたかにも言及し、動物の環境適応進化に対する受講生の興味を引き出す.
学修の目的 魚類の光受容器の構造や機能について、組織解剖学的、ならびに分子生物学的に理解することを目的とする.魚類が種分化の過程においていかに生息場所の光環境に光受容器を適応的に変化させ,種多様性を生み出したかについての幅広い知識を得る.魚類の生理機能を明らかにすりための、形態、組織、分子生物学的手法、ならびに環境想定方法について理解する。
学修の到達目標 (知識)魚類が生息する水系や水深による光環境の違い、なぜ違うのかの理由を水中光学的にとらえ、そこに生息する多種多様な魚類が光環境に種特異的な光受容器をいかに適応させて進化したか、また、生命活動を営んでいるかを説明できるようになる.
(態度)自分が携わる研究対象だけでなく、動物進化と比較生理学観点から多種多様な魚類あるいは動物に関する文献を読み、幅広い情報を取得する研究態度を身につける。生物学だけでなく、彼らが生息する環境にも興味をもち、物理、化学的な環境解析データと生物生理との関連を理解する姿勢をもつ。
(技術)魚類系統進化、あるいは脊椎動物の進化に視点を向け、比較生物学的な観点から、新たな研究テーマを発見、あるいは展開できる能力を身につける。魚類生理機能を明らかにする上で、適切な実験手法や環境計測方法を適用できるようになる。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  • ○実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 ゼミ形式で行い,提示された学術論文の内容を理解でき(60%),内容に関する質疑に対して的確かつ明快に回答できること(40%).
(知識)ゼミで紹介される学術論文の内容理解度により評価する。
(態度)日頃勉強している学術論文に関して、分野の幅広さや適切性により評価する。
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

英語を用いた教育

授業改善の工夫 理解を深めるために実際に使用された実験装置,光環境測定機器や実験のビデオ等を紹介する.
教科書 特になし(随時資料を配付).
参考書
オフィスアワー 随時.628室.E-mail(taeko@bio.mie-u.ac.jp)でも対応.
受講要件 特別な要件は必要ないが,水圏動物の生息環境と多様な適応行動について興味を持つことが望まれる.
予め履修が望ましい科目 特になし.
発展科目 特になし.
その他 特になし.

授業計画

各回
共通
MoodleのコースURL
第1回 概要 第1回【形態】魚類・頭足類視覚器官
授業時間内の学修内容 魚類における視覚器官の外部形質の多様性、頭足類の視覚器官との比較
キーワード(Key Word(s)) 視覚器官 visual organs、魚類 fishes、頭足類 cephalopods、形態学 morphology
事前学修の内容 魚類・頭足類の頭部眼球付近の写真を集め、種間での多様性を調べる
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 魚類と頭足類の眼球構造の違いをまとめる
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第2回 概要 第2回【形態】視覚器官の形態解析方法
授業時間内の学修内容 外部形質の解析方法と取得データからわかる機能性と役割の事例
キーワード(Key Word(s)) 外部形質 external character
事前学修の内容 魚類・頭足類の視覚器官外部形質について報告されている英語学術論文を読む
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第3回 概要 第3回【組織】魚類・頭足類視覚器官の各種組織
授業時間内の学修内容 魚類・頭足類の視覚器官各部位の組織像と各種細胞の名称、機能
キーワード(Key Word(s)) 組織学 histology
事前学修の内容 魚類・頭足類の視覚器官を構成する組織について報告されている英語学術論文を読む
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第4回 概要 第4回【組織】組織標本の作製と解析方法
授業時間内の学修内容 組織標本の作製・観察・解析方法、取得データからわかる機能性と役割
キーワード(Key Word(s)) 組織標本 histological preparation、パラフィン切片 paraffin section、準超薄切片 semi-thin section
事前学修の内容 組織標本作製方法の種類を調べるとともにそれぞれについてプロトコルを整理する
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 魚類と頭足類の網膜組織ならびに神経ネットワークの違いをまとめる
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第5回 概要 第5回【遺伝子】オプシン遺伝子ファミリーの種類とそれぞれの機能
授業時間内の学修内容 オプシン遺伝子ファミリーの種類・役割・所在、魚類と頭足類における共通性と固有性
キーワード(Key Word(s)) オプシン遺伝子 opsin gene
事前学修の内容 オプシン遺伝子ファミリーについて調べる
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 各オプシン遺伝子ファミリーの遺伝子配列をDNAデータバンクから引用し、系統樹を作成し、樹形からわかることを簡潔に説明する
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第6回 概要 第6回【遺伝子】RT-PCR法によるオプシン遺伝子の単離
授業時間内の学修内容 RT-PCRによるオプシン遺伝子ファミリーの単離、解析方法と取得データからわかる機能情報
キーワード(Key Word(s)) RT-PCR reverse transcription PCR
事前学修の内容 RT-PCR法に使用されている市販試薬の種類とそのプロトコルを調べる
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 RT-PCR法のプロトコルを整理し、オリジナルマニュアルを作成する
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第7回 概要 第7回【遺伝子】ゲノムDNA上におけるオプシン遺伝子の解析
授業時間内の学修内容 ゲノムDNAからのオプシン遺伝子ファミリーの単離、ゲノム上のコピー数と発現数との違い、ならびにその理解の仕方
キーワード(Key Word(s)) ゲノムDNA genomic DNA
事前学修の内容 オプシン遺伝子研究論文のうち、PCRによる遺伝子増幅の際のテンプレートとしてゲノムDNAとmRNAを用いたものをそれぞれ調べる
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第8回 概要 第8回【遺伝子】in situ/サザン・ハイブリダイゼーション法
授業時間内の学修内容 in situ ハイブリダイゼーション・サザンハイブリダイゼーション法、検出シグナルの理解の仕方 
キーワード(Key Word(s)) in situ ハイブリダイゼーション in situ hybridization、サザンハイブリダイゼーション southern hybridization
事前学修の内容 in situ ハイブリダイゼーションとサザンハイブリダイゼーション法を用いたオプシン遺伝子研究論文を調べる
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第9回 概要 第9回【環境】水中の光学的特性
授業時間内の学修内容 光の単位、強度と波長、減衰と散乱、水中の光学的特性
キーワード(Key Word(s)) 光学的特性 optical property
事前学修の内容 光の単位について整理し、魚類視覚研究で光を計測している英語学術論文を読む
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第10回 概要 第10回【環境】水中光環境の観測方法・解析方法
授業時間内の学修内容 光環境の計測機器と計測方法、取得データの解析方法と利用方法
キーワード(Key Word(s)) 計測 measurement
事前学修の内容 水中の光を計測する計器類を調べるとともに、計測データが報告されている英語学術論文を読む
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第11回 概要 第11回【進化】視覚器の進化・オプシン遺伝子の分子進化
授業時間内の学修内容 動物界における視覚器官の進化、オプシン遺伝子ファミリーの分子進化と種分化における環境適応
キーワード(Key Word(s)) 分子進化 molecular evolution、種分化 speciation
事前学修の内容 動物の視覚器官の進化プロセスについて調べる
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 動物の視覚器官の進化プロセスについて講義で学んだ知識を付加してまとめる
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第12回 概要 第12回【行動・生態】魚類行動・生態と視覚の関係
授業時間内の学修内容 視覚機能の行動・生態における役割、その他の感覚との関係
キーワード(Key Word(s)) 機能 function、役割 role
事前学修の内容 魚類視覚機能と種特異的な生態との関連を報告した英語学術論文を読む
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第13回 概要 第13回【技術応用】魚類視覚機能と増養殖
授業時間内の学修内容 視覚機能解析データの増養殖技術への応用事例
キーワード(Key Word(s)) 増養殖 aquacuture
事前学修の内容 魚類視覚機能と増養殖あるいは種苗生産との関連を報告した英語学術論文を読む
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 事前学修で読んだ英語論文に、講義で学んだ知識を追加し、内容を和文要約する(論文Abstractの要約は不可)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第14回 概要 第14回【論文公表】科学論文の書き方の基本
授業時間内の学修内容 科学英語論文の投稿準備から受理まで
キーワード(Key Word(s)) 科学論文 scientific paper
事前学修の内容 自分の研究について論文構成を作成し、英語学術論文としての投稿先候補を探す
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 投稿先を決定し、投稿規定を熟読して重要な点を和訳して書き出す
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第15回 概要 第15回【学会発表】学会発表の基本・スライドのレベルアップ
授業時間内の学修内容 学会プレゼンの準備、発表方法、質疑応答のマナー
キーワード(Key Word(s)) 発表 presentation、考察 discussion
事前学修の内容 研究の進捗についてのPPTスライドを作成する
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 発表で質問された事項についての回答を文章でまとめる
事後学修の時間 120分
自由記述欄

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