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開講年度 | 2021 年度 | |
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開講区分 | 人文学部文化学科 | |
受講対象学生 |
2012年度以降入学生用(文化) 学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次 |
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選択・必修 | ||
授業科目名 | ドイツ文学論 | |
どいつぶんがくろん | ||
German Literary Criticism | ||
単位数 | 2 単位 | |
ナンバリングコード | ||
開放科目 | 非開放科目 | |
開講学期 |
前期 |
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開講時間 |
火曜日 5, 6時限 |
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授業形態 |
ハイブリッド授業 * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい
「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業 |
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開講場所 | ||
担当教員 | 稲葉瑛志(人文学部) | |
INABA, Eiji | ||
SDGsの目標 |
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連絡事項 | * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい |
授業の概要 | この授業はドイツ語圏の文学作品における「カタストロフィの想像力」をテーマとして扱い、考察します。人間は古来から、戦争・革命・災害などの現実に直面したとき、そのことをひとつの共同体の物語として語り継いできました。こうした行為は古今東西に共通して見られますが、近代以降のドイツ語圏の文学作品に目を転じると、重要な作品の多くには「カタストロフィ」の傷跡が鮮明に残されていることに気づきます。それどころか、20世紀の戦間期ドイツでは、ニヒリズム、運命論そして革命論と交差しながら「カタストロフィ」を待ち望むかのような作品も数多く登場しています。 それでは、「カタストロフィ」を扱ったこれらの作品は何を私たちに伝えようとしているのでしょうか。人間の愚かさや無力さでしょうか、あるいは神の偉大さでしょうか、それとも近代技術で破局を乗り越える方法でしょうか。 それらの意味は読者の解釈に委ねられていますが、文学が個々の作品の書かれた時代の文化的・政治的コンテクスト抜きには成立しないものである以上、こうしたコンテクストに立脚して読むことは一つの説得力のある解釈を開くものであります。 本授業ではこうした観点から、フランス革命の時代から第一次世界大戦を経て第二次世界大戦の破局に至るまでのドイツ語圏の文学作品における「カタストロフィ」の言説を読み解いていきます。取り上げる文学作品は小説だけでなく、詩やエッセイも含まれます。また、『聖書』の「ヨハネの黙示録」における「カタストロフィ」のモチーフや概念が、近代ドイツ語圏の文学作品の中にどのようにして受容されてきたのかを様々な絵画を用いて説明し、本テーマの理解を深めることにします。 |
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学修の目的 | 学修の目的は次の3点です。 1. 様々なドイツ語圏の文学作品に親しみながら、18世紀から20世紀初頭までの文学史の流れを把握すること 2. ドイツ語圏のさまざまな文学作品に見られる「カタストロフィ」の語りの背景にはどのような政治的・社会的背景があるのかを把握すること 3. 「カタストロフィ」を語る言葉の政治性や暴力性について批判的な考察ができるようになること |
学修の到達目標 | 学修の到達目標は次の2点です。 1. 文学の想像力が社会にいかなる意味を持つのかを説明できること 2. ドイツ語圏の文学作品やエッセイを、それらの作品の書かれた政治的・社会的なコンテクストで読み解き、その分析結果を自分の言葉で説得力をもって意味付けられること |
ディプロマ・ポリシー |
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成績評価方法と基準 | 平常点50%学期末レポート50% |
授業の方法 | 講義 |
授業の特徴 |
その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど) |
授業改善の工夫 | 授業の理解度をはかるために毎授業の終わりにコミュニケーションペーパーを提出してもらいます。そちらも平常点に含まれます。 |
教科書 | プリントを配布します。 |
参考書 | 授業中に紹介します。 |
オフィスアワー | 木曜日12:00~13:00、稲葉研究室 |
受講要件 | |
予め履修が望ましい科目 | |
発展科目 | ドイツ文学演習、ドイツの文学 |
その他 | ドイツ語の資料はすべて翻訳されたものを配布しますので、ドイツ語を履修していない学生も受講可能です。 |
MoodleのコースURL |
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キーワード | ドイツの文学、ドイツ文化、カタストロフィ |
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Key Word(s) | german literature, german culture, catastorophe |
学修内容 | 授業は講義形式で行います。初回の授業ではドイツ語圏の文学について概説し、「カタストロフィ」というテーマをドイツ語圏の文学作品で論じる理由・意義・方法を説明します。第2、3回目の授業では『聖書』の「ヨハネの黙示録」を取り上げ、「カタストロフィ」の言説・モチーフ・概念を様々な絵画を用いながら説明します。その後の第4~15回の授業で、フランス革命の時代から第一次世界大戦を経て第二次世界大戦の破局に至るまでのドイツ語圏の文学作品における「カタストロフィ」の言説を読み解きます。 授業は以下の通り進める。 1. 導入:ドイツ語圏の文学とは? なぜ「カタストロフィ」を取り上げるのか? 2~3. 「ヨハネの黙示録」:キリスト教文化の「カタストロフィ」の言説・モチーフ・概念 4. クライスト『チリの地震』:自然災害と「革命」の言説の関係を読み解く 5. クライスト『チリの地震』:「カタストロフィ」後における「迫害群衆」の声の役割 6. ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』:世界の終わりに残るのは?超人とニヒリズム 7. ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』:ニーチェの「黙示録文化」批判 8. 表現主義の詩と絵画:第一次世界大戦の破局はいかにして表象可能か 9. シュペングラー『西洋の没落』:「黙示録文化」を取り込む「保守革命」の言説 10. ユンガー『大理石の断崖の上で』:反ナチの抵抗文学か、「カタストロフィ」の待望論か 11. ユンガー『大理石の断崖の上で』:「カタストロフィ」の審美化と反ヒューマニズム 12. トーマス・マン『ファウストゥス博士』:マン文学における黙示録の思考について 13. トーマス・マン『ファウストゥス博士』:第二次世界大戦の破局後の新しい人文主義? 14. ゼーバルト『アウステルリッツ』:「カタストロフィ」を描く文学と写真の可能性 15. ゼーバルト『アウステルリッツ』:「カタストロフィ」と「想起の文化」、授業のまとめ |
事前・事後学修の内容 | ドイツ文学だけでなく、ドイツの思想や歴史、社会、政治などにも広く関心を持つことが望ましい。 授業で扱った作品を自分で読み、参考文献も参照しながら理解を深めるよう取り組むこと。 予習では、授業でもその都度紹介することになると思いますが、ヨーロッパ史やドイツ文学史・哲学史の流れを理解すること。 |
事前学修の時間:120分/回 事後学修の時間:120分/回 |