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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 工学部機械工学科/総合工学科機械工学コース ・専門教育
受講対象学生 学部(学士課程) : 3年次
工学部機械工学科
選択・必修 選択
学科選択
授業科目名 エネルギー変換工学Ⅱ
えねるぎーへんかんこうがくに
Energy Conversion Engineering II
単位数 2 単位
ナンバリングコード
EN-ENGY-3
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期

開講時間 金曜日 5, 6時限
開講場所

担当教員 廣田真史(工学研究科機械工学専攻),米山圭一(機械工学科非常勤講師)

HIROTA, Masafumi
YONEYAMA, Kei-ichi

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要  本科目は「エネルギー変換工学Ⅰ及び演習」(3年前期)に引き続くもので,ここでは,とくに動作流体が相変化(液体から気体あるいはその逆)を伴う場合を取り上げる.具体的な応用としては,火力発電所や原子力発電所の主要な動力源などである水蒸気を用いた機関,空調や冷凍に供するヒートポンプであり,これらのエネルギー機器の熱効率計算が可能なレベルまで応用力を身に付けることを目指す.このための熱力学的な原理を十分理解することが前提であり,基礎学力の修得に力を入れる.さらに地球環境保全やエネルギーセキュリティに対する考え方や手法も極めて重要なことから,企業エンジニアを非常勤講師として迎え,実際の発電プラントシステムや国際的なエネルギー事情についても解説いただく.発電プラントの見学も実施する.
学修の目的 この授業では蒸気の熱力学について知識を獲得し,その重要な応用である蒸気原動機の原理と高効率化手法,および実際の発電所における諸問題について最新の知識を得ることが出来る.また,エンジンとは逆サイクルであるヒートポンプのサイクルについて学び,その動作原理を理解するとともにヒートポンプの省エネ性についても理解することが出来る.さらに,これらの機器の具体的な効率計算も実施できるようになる.
学修の到達目標 本講義で到達できる学修レベルは,例えばFE試験の GAS DTNAMICS,VAPOR POWER CYCLES REFRIGERATION 分野における問題の大部分が解けることに置いている.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○ JABEE 関連項目
 個性に輝く技術者となるために、自らの短所を補い、長所を伸ばそうとする意欲と姿勢を持っている。【関心・意欲】【態度】
○社会性・国際性・倫理観:社会的・国際的に広い視野、先見性、倫理観を持つために、科学技術の果たす歴史的・社会的役割を理解している。【態度】
 コミュニケーション能力:自らの考えを日本語や英語で科学的・論理的に説明し、コミュニケーションすることができる。【技能・表現】
○工学基礎:工学の礎となる数学、自然科学、情報技術に関する基礎知識を持っており、これを使って議論できる。【知識・理解】
○機械工学専門:材料と構造、運動と振動、エネルギーと流れ、情報と計測・制御、設計と生産、機械とシステムなどの機械工学の主要専門分野に関する基礎知識を持ち、これを応用することができる。【知識・理解】
 デザイン能力・創造性:社会の要求をとらえたモノづくりのための創造力と設計技術の基礎を修得している。【思考・判断】
 実践的能力:機械の専門分野とともに、産業の環境負荷や生態系への影響、環境と人間に調和する機械の知能化など、環境-人間-機械の関係を総体的にとらえて、科学技術を応用することができる。【思考・判断】
 自主性:地球の将来を見据えて、自ら課題を設定し、計画・実行することができる。【関心・意欲】

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  • ○共感
  •  主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  •  論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

「感じる力」=30%
「考える力」=50%
「生きる力」=10%
「コミュニケーション力」=10%

成績評価方法と基準 出席は必要条件であり,3回以上の欠席(病欠など止むをえない場合は除く)者には単位を与えない.とくに,講義の一環として発電所等の見学も実施する.これに参加しないと単位は認められない.
評価は,定期試験を8割,レポートを2割とし,6割以上を合格として単位を与える.
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

地域理解・地域交流の要素を加えた授業
キャリア教育の要素を加えた授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫 具体的な事例を示したプリントを適宜配布し,理論のみではなく実際の状況が把握できるように努める.講義内容をより深く理解するために企業の現役のエンジニアによる講義と発電プラントの実地見学も取り入れる.
教科書 ・加藤征三,義家亮,丸山直樹,松田淳,吉田尚史,廣田真史著「熱エネルギーシステム 第2版」(共立出版)を「工業熱力学及び演習」に引き続いて使用する.
・補助的にプリント配布する.
参考書
オフィスアワー 講義終了後など質問などには随時対応する.
工学部機械棟3階廣田教授室
受講要件  「工業熱力学及び演習」(2年後期・必修)→「エネルギー変換工学Ⅰ及び演習」(3年前期・選択)→「エネルギー変換工学Ⅱ」(3年後期・選択)とステップアップするものであるから,これらを順次受講することを前提としている.
予め履修が望ましい科目  「工業熱力学及び演習」(2年後期・必修)「エネルギー変換工学Ⅰ及び演習」(3年前期・選択)
発展科目
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 蒸気の性質,発電プラント,ランキンサイクル,火力発電,原子力発電,地球環境保全技術,逆カルノーサイクル,蒸気圧縮サイクル,ヒートポンプ
Key Word(s) Characteristics of vapor, External combustion engine, Power plant, Rankine cycle, Thermal power generation, Nuclear power generation, Environmental protection technology, Reverse Carnot cycle, Vapor compression cycle, Heat pump
学修内容 第1回 本講義の目的と意義,世界と日本のエネルギー需要動向
第2回 開いた系における熱力学の法則
第3回 冷媒の性質
第4回 モリエル線図,蒸気圧縮式ヒートポンプサイクル
第5回 蒸気圧縮式サイクルの演習
第6回 蒸気圧縮式ヒートポンプの構成要素
第7回 CO2ヒートポンプ,吸収式ヒートポンプ
第8回 水蒸気の性質,蒸気表
第9回 蒸気原動所,ランキンサイクル
第10回 演習
第11回 再熱サイクル,再生サイクル,コンバインド・サイクル
第12回 発電プラントの実地見学
第13回 発電プラントの実地見学
第14回 火力発電所の最新技術動向と環境保全技術
第15回 原子力発電技術の現状と将来,発電技術と交流の理論
第16回 定期試験
事前・事後学修の内容 エネルギー変換工学Ⅰ及び演習と密接に関係しているので,受講前に同科目の内容について復習しておくこと.また,工業熱力学で学んだ内容に基づいた授業であるため,その内容も事前に復習しておく必要がある.
蒸気原動所のサイクルと蒸気圧縮式ヒートポンプサイクルに関して演習を行う予定であり,授業後に十分復習しておいてほしい.
また,発電所見学は単位取得に必須でありレポートの提出を求める.

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