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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 人文学部法律経済学科・社会科学科
受講対象学生 法律経済学科専用
学部(学士課程) : 3年次, 4年次
選択・必修 選択
授業科目名 行政法各論
ぎょうせいほうかくろん
Administrative Law -- Police, Environment, Education, and Others
単位数 2 単位
ナンバリングコード
humn-laec3210-017
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 火曜日 3, 4時限
開講場所

担当教員 前田 定孝(人文学部法律経済学科)

MAEDA Sadataka

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要  〈行政〉とはどのような経緯で生成し、そしてどのように発展してきたのであろうか。そしてその行政活動を規律する法とその原則とは、行政の生成・発展を必然化せしめた経済的社会的諸条件のもとで、どのように発展してきたのであろうか。本講義では、その生成、発展、そして転換の過程を、警察行政、防災行政、環境行政、教育行政、社会保障行政など、いわゆる〈行政領域〉と呼ばれる各分野ごとの法原則およびその展開過程を通じて、社会科学的に分析する。
学修の目的  国や自治体が行っている行政活動は、さまざまな分野に分かれているように思われる。しかし、それは資本主義の発展にともなって激化した矛盾に対する国家的な対策が講じられるなかで発展してきたという側面をもつ。そこにどのような共通性・法則性があるのか、あるいはどのような個別性があるのか。その法的特徴を読み解く。
学修の到達目標  行政各分野における法的統制のあり方について、みずからの力で社会科学的に認識し、それをもとにして発展的に問題解決の糸口を見つけることができる
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○法律・政治・経済・経営の諸分野において、専門的知識と豊かな教養を身につけている。
○現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
○法律・政治・経済・経営の諸分野を広く学び、学際的視点で問題を探究できる。
○現代社会の課題に挑戦する積極性を備える。
○自ら学んだ知を的確に発信し、国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

「感じる力」= 100%、「考える力」= 100%、「生きる力」= 100%、「コミュニケーション力」= 100%

成績評価方法と基準 中間レポートおよび期末レポートによって評価する。
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

地域理解・地域交流の要素を加えた授業
キャリア教育の要素を加えた授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫 受講生のみなさんの質問や意見、問題関心を反映させて、講義を作り上げたい。
教科書
参考書
オフィスアワー 第1回目の授業時に情報提供する。
受講要件 特になし。
予め履修が望ましい科目 特になし。
発展科目 特になし。
その他 特になし。

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 警察行政、環境行政、教育行政、公務員法制度、行政領域
Key Word(s) police, environment, education, public officer
学修内容  国民や住民が実現しようとする人権や権利と、その手段としての国家権力の行使のあり方との関係について考える。
 行政法総論で学んだ行政行為、行政契約、行政契約などの行為の形式とは、必ずしも行政が活動するに際して、一律的に用いられるものではないはずである。むしろそれらは、資本主義の展開過程においてその矛盾の解決に迫られた国家が、さまざまな手段を駆使して形成するなかで歴史的に形成されてきたものである。そすなわち、交通秩序の維持などを目的とした警察行政と教育や社会保障とが、同じ行政行為または行政処分という概念を用いつつも、まったく同じ制度設計であるはずはないのである。さらには行政領域によっては、いたずらに行政権限の行使を要請するのではなく、むしろその領域における条理に適切なかたちで、現場における裁量が要請されるようなものもある。
 本講義では、かかる行政行為、行政契約、行政指導など行政法総論で学んださまざまな共通概念で語られる行政手段が、資本主義社会およびそれを前提とした国家において、それぞれの分野でいかなる歴史的発展を遂げ、いかなる紛争や問題解決をしてきたのか、それぞれの個別の領域からスポットを当てる。そのことを通じて、よりリアルな国民の人権保障と行政の法的統制の方法を模索する。
 さしあたり、行政組織、警察行政、リスク管理行政、地域空間整備行政、教育行政、社会保障行政などの分野をピックアップしつつ、そこで出されてきた行政課題とそれを乗り越えるために設計された法制度とを検討したい。
〔講義計画〕それぞれの項目を1回または2回の講義で行う
第1回 行政活動の形成的形成過程と行政法の展開
第2回 警察行政
第3回 資本・社会関係――環境問題と環境衛生行政
第4回 資本・賃労働関係――労働災害と労働安全衛生行政
第5回 国家装置を用いた対立構造の解消形態としての社会保障制度
第6回 環境衛生行政
第7回 教育行政――「国家からの自由」と国家活動の相克
第8回 行政手段の調達に関する行政活動
第9回 公務を担う労働と基本的人権制限の合理的範囲
第10回 まとめ――現代資本主義国家と行政、そして行政法学
事前・事後学修の内容 さしあたり参考となる文献として、
市橋克哉他編『アクチュアル行政法 第2版』(法律文化社、2015年)

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