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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 生物資源学部
受講対象学生 資源循環学科・全教育コース
学部(学士課程) : 2年次
選択・必修 選択
選択科目:森林資源教育コース推奨科目
授業科目名 無機化学
むきかがく
Inorganic Chemistry
単位数 2 単位
ナンバリングコード
BIOR-Reso-3241-001
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 金曜日 1, 2時限
開講場所 大講義室

担当教員 水野隆文(生物資源学部資源循環学科)

Mizuno Takafumi

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要 無機化合物について理解するため、原子と分子に関する基礎的事項を解説した後、生物圏における主たる無機化学反応(酸塩基反応、酸化還元反応、錯形成反応)について、生物体内における化学反応等を例示しつつ説明する。これらの基礎知識を元に,生物資源学部の様々な研究室で用いられる分析機器(吸光度計,金属分析機器等)の測定原理について理解を深める他,「単位」や「測定誤差」など分析化学の基礎についても学習する。
学修の目的 原子と分子に関する基礎的事項、酸塩基、酸化還元、無機化合物および錯体についての基本的知識を得る。このことは,農産物生産における酸・塩基(土壌・植物栄養学)や生体反応における酸化還元反応の意味,体内のミネラル分配における錯体の重要性など,生物資源学科で行われる様々な授業内容の把握のために重要であり,無機化学以外の授業の理解に役立つ。
学修の到達目標 無機化合物および主たる無機化学反応について基礎的知見を理解し、生物圏における化学反応に関する理解を深める。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○ JABEE 関連項目
 幅広い教養と倫理観、国際感覚を身につけ、豊かな人間性を有している。
○生命、環境、食料、健康等に関する生物資源学の基本的な知識と技術、経験を有している。
 科学的で論理的な思考を展開することができ、計画的に問題の解決に取り組むことができる。
 豊かなコミュニケーション能力を持ち、他者と協力して行動することができる。
 社会の変化に柔軟かつ自律的に対応し、発展的に生きていくことができる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  •  専門知識・技術
  •  論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 期末試験で100%評価するが,期末試験の受験には2/3以上の授業に出席していることが必要。
また,出席回数が2回以下の学生については評価を「0」とする。
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

英語を用いた教育

授業改善の工夫 プリントとパワーポイントによる図表等を用いて、わかりやすく説明すると同時に、関連するプリントへの記述を行う。授業アンケートで「書き込み量が多い」という指摘を受けたことを踏まえ,記述量は近年減少させているが,必要最低限の知識が定着できる記述量は存在する。
教科書 特に指定しないが、授業の多くの部分を
鵜沼英郎 尾形健明 著 理工系基礎レクチャー 無機化学(化学同人/ISBN978-4-7598-1070-7)
に基づき講義する。なお、購入しなくても授業が理解できるようプリント等を用意するが、本書を用いて予習・復習を行うことが望ましい。
参考書 鵜沼英郎 尾形健明 著 理工系基礎レクチャー 無機化学(化学同人/ISBN978-4-7598-1070-7)
オフィスアワー 授業終了後教室にて適宜
受講要件 特になし
予め履修が望ましい科目 特になし
発展科目 植物栄養学、土壌学、土壌学実験,生化学に関わる各種講義
土壌学における土壌pHや水田の還元による反応、植物栄養学養分吸収などを理解する上で、無機化学の知識が必要であり、これらの授業を受講する学生は無機化学を受講していることが望ましい。また酸化還元反応についての授業を通し,活性酸素がなぜ体内に悪影響を及ぼすのか,その除去がどの様に行われているかなど,生物学,生化学の中でミネラルが関わる部分についても説明する。
その他 教員免許・各種資格取得に関連した科目 (注 : 必ず入学年度の学修(習)要項で確認してください)
理科

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 無機化合物、無機化学反応、原子、酸塩基反応、酸化還元反応、錯体の化学
Key Word(s) inorganic compounds, inorganic chemical response, atom, acid-base, redox, complex
学修内容 1) 無機化学の学習内容, 原子軌道①
2) 原子軌道②電子配置のルール。 典型元素と典型元素,元素の周期性
3) 基底状態と励起状態、電子の軌道と分析化学への応用①(原子吸光光度計など)
4) 電子の軌道と分析化学への応用②(ICP, X線解析、SPring-8などの放射光解析)
5) 化学結合の種類、共有結合(σおよびπ結合、結合性結合など)
6) 等核二原子分子および異核二原子分子の結合,酸素の反応性と活性酸素、混成軌道
7) 酸塩基の定義(アレニウスの定義,ブレンステッド・ローリーの定義,pH, 共役,解離定数など)
8) ルイスの酸塩基の定義,HSAB理論,酸化還元①(酸化数,電池,酸化還元電位)
9) 酸化還元②pHと酸化還元電位、標準酸化還元電位と自由エネルギー変化、ラティマーの電位図と不均化、土壌環境における酸化還元
10) 元素検定(無機化学に関するクイズ)
11) 錯体とは何か? 錯体の構成
12) キレート効果、錯体の名称の書き方、錯体の化学式の書き方、異性体①
13) 異性体②、錯体の安定度、配位子置換反応
14) d軌道の分裂と錯体の物理的
15) 生体の無機化学、有効数字と器具
16)試験
事前・事後学修の内容 事前に参考書の内容を良く読み、理解しておくこと。授業では指定参考書の第1〜5章、第14〜19章および補講ABにかけて講義を行う。なお、原子吸光光度計やICPによる金属濃度測定原理、混成軌道など、指定の参考書に無い内容については図書館などで各自予習すること。

事前学習について:以下の内容をそれぞれの授業の前の授業時に提示し,予習させる(2時間)
第1回
① パウリの(排他)原理およびフントの規則とはなにか?
② 非共有電子対と不対電子について予習せよ
③ 典型元素と遷移元素の違いについて予習せよ
第2回
①吸光度計の原理を予習すること
② 硬水および軟水の定義を予習すること
第3回
①プラズマ発光分析装置(ICP)の原理について調べること
②蛍光X線装置のデータで使われる「Kα」「Lβ」などの記号の意味を調べること
③SPring-8ではどのような研究が行われているかホームページで調べること
第4回
①各種の化学結合(イオン結合・共有結合・配位結合など)について基礎化学の内容を復習すること
②σ結合、π結合、結合性軌道、反結合性軌道について予習すること
第5回
次の事項について予習すること:酸素の反応性と活性酸素・混成軌道とメタン、エチレン、アセチレン
第6回
①3種類の酸・塩基の定義 (アレニウスの定義・ブレンステッド・ローリーの定義・ルイスの定義)について復習すること。
②HSAB理論について予習すること
第7回
①HSAB理論について予習すること    
②酸化・還元の定義を酸素・水素・電子の授受から説明できるよう予習すること    
③標準酸化還元電位について予習・復習すること
第8回
①ネルンストの式を用いることで,電極でpHが測定できることについて予習すること。
②水田土壌における酸化還元反応について調べること
第9回
元素検定の参考書に目を通しておくこと
第10回
錯体とは何か?中心金属と配位子の関係,配位結合と錯体,身近な錯体について調べること
第11回:
錯体の化学式、および日本語の名称の付け方を教科書で予習すること。異性体について予習すること
第12回:
①錯体の安定性(Chapter18)と配位子置換反応(教科書Chapter19)について予習すること
②d軌道の分裂現象(chapter16)から、錯体の磁性の有無および発色について予習すること
第13回:
①キレート滴定の原理について予習すること    
②測定値の有効数字と四則演算について予習すること
第14回:
生命活動においてミネラルなどの無機物質が有する役割について予習すること
第15回:テスト準備



事後学習について
初回から15回までの各授業において,授業内容をテスト様式でまとめたプリント(A3サイズ1枚)を配布し,授業内容を復習させる(2時間)。

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