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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 人文学部文化学科
受講対象学生 2012年度以降入学生用(文化)
学部(学士課程) : 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 ヨーロッパ・地中海倫理思想演習A
よーろっぱちちゅうかいりんりしそうえんしゅうえー
Seminar in European Ethics A
単位数 単位
受講対象学生 2017年度以降入学生用(文化)
学部(学士課程) : 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 ヨーロッパ・地中海倫理思想演習A
よーろっぱちちゅうかいりんりしそうえんしゅうえー
Seminar in European Ethics A
単位数 2 単位
ナンバリングコード
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 月曜日 5, 6時限
開講場所

担当教員 安倍 里美(人文学部)

ABE,Satomi

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要 トマス・ネーゲル著、Mortal Questions (邦題:コウモリであるとはどのようなことか)を読みます。
我々が死ぬということはいかなることなのか、死後の生活はありうるのか、死後に人に危害を加えることは可能なのか、死とは良いものか、悪いものか、あるいはそのどちらでもないのか、などといった問題は古代ギリシャ以来人々を悩ませてきた重大な哲学的トピックです。
Mortal Questions, Chap.1, 'Death' においてネーゲルは、魂の不滅という前提をおかない場合に、死自体はどのように理解されるべきなのかを検討します。彼は、死ぬということがいかなることなのか、そして何かがある人にとって悪いということはいかなることなのかという2点を解き明かす議論を軸として、「死は死ぬ当人にとって悪い」と主張しました。このネーゲルの立場は剥奪説と名付けられています。死についての哲学において剥奪説の重要性は広く認められており、死を哲学的に考えようとする人にとっては、このテキストは必読の文献と言えます。
抽象度の高い問題に、ネーゲルがどのように向き合い、アーギュメントを提出していったのかを、テキストの読解を通して追いかけていくことは、哲学的議論に取り組むマナーを身につけるということにとっても有益です。
まずは受講者の理解を助けるために、Mortal Questionsの第1章の講読に入る前に、同じく死をテーマとしたネーゲル執筆の、より初歩的なテキスト(What Does It All Mean?, Chap.9 邦題:哲学ってどんなこと?)の講読を行います。
毎授業時にレジュメ担当者を決めて英文テキストを読み進めていきます(邦訳もあるので参考にしてください)。授業ではテキストを訳すだけでなく、その内容についてのディスカッションを行います。
学修の目的 (1)死に関する哲学の抽象度の高い議論に向き合い、内容を理解するのに十分な英語読解力を身につける。
(2)抽象度の高い哲学的議論でも、時間をかけてテキストに向き合えば理解できるという実感を持つ。
(3)哲学的な議論をする際に、自身が支持する見解と対立する理論をとっている相手が主張しようとしていることを矮小化せず、相手の主張の説得性を正当に評価することの重要さを理解する。
(4)目標(2)、(3)に掲げるような姿勢でテキストと向き合うことの楽しさを知る。
学修の到達目標 (1)ネーゲルのアーギュメントを理解し、正確に説明できるようになる。
(2)死に帰せられる価値についての自分なりの見解を持ち、それを説明できるようになる。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○人文科学の諸分野の専門的知識と豊かな教養を身につけている。
○変動激しい現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
 人文科学諸分野の成果に基づき、世界各地域の固有の文化に関して、広い視野から探求できる。
 変動激しい現代社会に対する理解を基盤として、国際感覚に基づいて行動できる。
 自ら学んだ知を、口頭表現や文章表現によって的確に発信することができる。
 国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  •  主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  •  表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 平常点:70%
毎回の授業における参加姿勢、予習や訳文の出来栄え、ディスカッションへの参加状況などを総合的に判断して評価します。
中間レポート:30%
授業期間内に講読文献とその内容にかかわるレポートを課します。それによって理解度や到達度、応用力などを評価します。
授業の方法 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

英語を用いた教育

教員と学生のやり取りは日本語でも、英語による論文や教材の講読を含んだ授業
授業改善の工夫 受講生の理解度に応じて、1回の講義で取り扱うテキストの分量を調整する。
教科書 ・Thomas Nagel, What does it all mean? : a very short introduction to philosophy, 1987, Oxford University Press.
・Thomas Nagel, Mortal Questions, 1979, Cambridge Unidersity Press.
(プリントを配布します。)
参考書
オフィスアワー 講義中に指示します。
受講要件 特にありません。
予め履修が望ましい科目 特にありません。
発展科目 哲学、倫理学
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 死の悪さ、快楽説、価値、死後の危害
Key Word(s) Badness of Death, Hedonism, Value, Posthumous Harm
学修内容 第1回:ガイダンス
第2回〜第4回:What Does It All Mean? Chap.9の講読およびディスカッション。
第5回〜第14回:Mortal Questions Chap.1の講読およびディスカッション。
第15回:まとめ
事前・事後学修の内容 本講義の目的の一つは、受講者にテキスト読解力を身につけてもらうことです。ですので、講義時には事前に決めた担当者に英文と和訳の音読をしてもらうことになりますが、最低限、担当箇所でないとしても毎講義で取り扱うテキスト部分には目を通して出席してください。

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