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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 教養教育・教養統合科目・現代科学理解
受講対象学生 学部(学士課程) : 1年次, 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
授業科目名 医学医療B
いがくいりょうB
Medicine & Healthcare B
授業テーマ 医療と循環器病の医学
単位数 2 単位
ナンバリングコード
libr-comp-MEDN1312-004
開放科目 非開放科目    
分野 自然 (2014年度(平成26年度)以前入学生対象)
開講学期

前期集中

 8月20日(木)、21日(金)、24日(月)、25日(火)

開講時間
8月20(木)、21(金)、24日(月):1~8限   8月25日(火):1~6限
開講場所

担当教員 伊藤 正明(医学部附属病院)

ITO, Masaaki

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要 医療は、国民の健康維持にとって大切で、身近な話題として関心も高く、また国の財政面でも重要な課題です。今回の授業では、現代の医療に関して、その構造、制度、問題点などを学び、合わせて、心臓や血管の病気である循環器病の主たる疾患の理解を通して、現代医学の進歩、100年人生時代を生き抜く健康管理についても学びます。
学修の目的 ・医療について様々な面(歴史、医療行政、地域医療、関連法規、病院の仕組み、医療サービス、生命倫理ならびに医療安全)を理解し、現在の医療の概要、複雑さを理解すると共に、現在の問題点やその解決について考察できるようになる。
・医学の進歩を、循環器病を例に、病気の原因、症状、診断、検査、治療につき概要を理解し、予防を含めた健康維持のためにどのように行動すればよいかを考えることができるようになる。
学修の到達目標 ・病院の仕組み、医療行政、地域医療や医療関連法規を理解して、複雑な現在の概要を理解できる。
・医療における生命倫理・医療安全につき理解し、よく社会問題となる本領域について自の考えを持つことができる。
・循環器病の概要を理解し、その原因となる生活習慣病を理解することにより、自分自身の健康維持に応用できる。
・循環器病の診断法の概要を理解できる。
・代表的な循環器病である、虚血性心疾患、心不全や不整脈の診断から治療までの医学の現状を理解できる。
・最新の循環器医学に関するトピックスを理解できる
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  •  論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  •  表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  • ○心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

地域理解・地域交流の要素を加えた授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫
教科書
参考書
オフィスアワー
受講要件
予め履修が望ましい科目
発展科目
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 現代の医療、病院の仕組み、保健医療の仕組み、医療行政、地域医療、医療関連法規、生命倫理・医療安全、循環器病、生活習慣病、高血圧、臨床検査・画像診断、虚血性心疾患、心不全、不整脈、静脈血栓塞栓症・肺高血圧、循環器病のトピックス
Key Word(s) Modern healthcare, Healthcare sysetm, Medical administration, Community medicine, Medical regulations, Bioethics and medical safety, Cardiovascular disease, Lifestyle disease, Hypertension, Clinical examination and diagnostic imaging, Ischemic heart disease, Heart failure, Arrythmia, Venos thromboembolism, Pulmonary hypertension, Topics of cardiovasucular disease
学修内容 授業は、15コマすべて講義

Ⅰ. 医療の制度と現況

1.医療の歴史
21世紀の医療は、医学の驚異的進歩によって大きく変化してきています。複雑な現代の医療を知るには、医療の原点を学び、病院の歴史や変遷を理解することが大切です。そこで、本講義では、医療史、病院の歴史や診療科の変遷について学びます。

2.日本の医療行政と地域医療
医療のあり方は医療政策によって大きな影響を受けます。本講義では、医療政策の全体的な流れを把握して、そこから医療政策の今後の方向性を読み解く力を養います。

3.医療関連法規、三重県の地域医療
医療は、医療に関する法律を中心とする決まり、すなわち医療関連法を遵守して行わなくてはなりません。これらについて本講義では学びます。また、講義2と関連して、三重県における医療の実情を紹介します。

4.病院の仕組み
病院では、様々な医療従事者がいろいろな組織を構成して、診療が行われています。本講義では、これらの病院内部の構造に加え、病院とかかわる外部に存在する周辺ビジネス、病院関連施設、医療関連官公庁、医療関連団体や学会について理解できるよう学びます。

5.医療関連サービス、患者と医療サービス
病院での医療は、さまざまな医療関連産業が関わっています。本講義前半では、この医療関連産業の動向と展望について学びます。また、後半には、患者視点で医療はサービスであると考えられますが、医療サービスの特徴、一般サービスとの違いや問題点について理解します。

6.生命倫理・医療安全
1960年代に始まり、1980年代に我が国に紹介された、生命倫理について学びます。医療は、患者の最善の利益・幸福のために行い、また患者の尊厳について配慮しなくてはなりません。本講義では、医療倫理について、今までの歴史を含めて学び、さらに、医療事故などでもたびたび話題となる医療安全についても理解できるよう概説します。

Ⅱ. 医学総論(循環器病)
  
7.循環器病総論
心筋梗塞、心不全、心臓弁膜症、不整脈などの、循環器病全体について、その原因、病態を含めその概論を学びます。

8.リスクとしての生活習慣病
循環器病は、塩分や動物性脂肪の摂取過多、肥満、運動不足、喫煙などの生活習慣が、その発症の危険因子となります。これら生活習慣は、どうして循環器病を発症させる危険因子となるかを理解し、循環器病予防について学びます。

9.高血圧
循環器病の危険因子として、我が国において最も多くの国民が罹患している疾患に高血圧があります。高血圧の発症を抑え、コントロールすることは、我が国の国民の健康維持にとって極めて大切です。そこで、生活習慣病、循環器病の危険因子として高血圧を取り上げ、その原因、診断、治療法に加え、高血圧がどのような循環器病を引き起こすかを学びます。 

10.循環器病の診断法
循環器病の診断には、聴診などの理学的所見、血圧測定や心電図、胸部レントゲン写真などに加え、運動負荷検査、超音波診断装置、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像法(MRI)、血管造影法など、様々な検査法があります。これらの循環器病の診断法について全体像を学びます。
 
11.画像診断の進歩
近年、循環器病を診断する上で、特に、超音波診断装置(エコー)、コンピュータ断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像法(MRI)、血管造影法などの画像診断は非常に発達し、診断において重要となってきています。特に、エコー、CTやMRIによる検査は、病院に入院することなく外来で行え、循環器病をかなり診断することができる検査法です。これら循環器病の画像診断について学びます。

Ⅲ. 医学各論(循環器病)
 
12.虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)
心筋梗塞や狭心症は、動脈硬化によって引き起こされる循環器病の代表的疾患、特に救急関連疾患です。これら虚血性心疾患の病態、診断法ならびに治療法について学びます。

13.心不全
虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症など様々な心疾患の結果引き起こされるのが心不全です。これら疾患の治療成績が良くなって長い期間生活できるようになった結果、心不全という最終像が引き起こされ、また人口の高齢化により劇的に増加して、心不全パンデミックといわれる状態となってきています。心不全の病態、診断および治療法と、地域包括ケアーについて学びます。

14.不整脈・静脈血栓塞栓症・肺高血圧
不整脈も循環器病の中で重要な位置を占めています。高齢化により、特に心房細動の発症が多くなってきています。心房細動は、脳卒中(心源性脳梗塞)や心不全の原因として重要です。また、心房細動を止めるカテーテルアブレーションと言う治療法が進歩し、循環器病の治療の中でも注目されています。静脈血栓塞栓症は、エコノミークラス症候群とも呼ばれ、地震発生後の車中泊でも問題となる疾患です。さらに、右心系に負荷のかかる肺高血圧は、生活習慣病がない若い人にも起こり、場合によっては重症となる疾患です。これら疾患についての理解を深めます。
 
15.循環器診療のトピックス
近年の医学の進歩は、循環器病の診療にも及んでいます。とくに、手術することなく、血管にカテーテルを入れて様々な疾患を治療するカテーテル治療が発展してきています。カテーテル治療は、低侵襲で、高齢の患者さんや手術不可能な患者さんにも行える治療です。また、循環器病に関しても、遺伝子診断がおこなわれるようになり、治療薬に関しても分子標的薬や核酸医薬が応用されるようになってきています。これら循環器病のトピックを紹介します。
事前・事後学修の内容

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