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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 人文学部文化学科
受講対象学生 2012年度以降入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
選択・必修
授業科目名 ドイツの文学D
どいつのぶんがくD
German Literature D
単位数 2 単位
ナンバリングコード
humn-cult2130-035
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期

開講時間 木曜日 5, 6時限
開講場所

担当教員 籠 碧(人文学部)

KAGO, Midori

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要  「ドイツ語圏文学と孤独」がテーマです。「孤独」をめぐる言説はバラエティに富んでいます。「ぼっち」というネットスラングが示すように短絡的に忌避されることもあれば、むやみやたらと称揚される場合もあります。忌避とも称賛とも違うやり方でこれを捉えようという流れもあります。「絆」の時代と言われて久しい昨今、逆説的に、孤独をめぐる言説は増殖しています。数百年前を生きた作家たちも、いろいろな角度からこの現象に取り組んできました。そこには時代による孤独観の変遷もまた反映されています。
 講義ではまずはじめに、現代日本において孤独がどのように捉えられているのか、現代作家の作品や、「ぼっち」「ソロ充」「孤独死」「おひとりさま」といったキーワードを元に考えてみたいと思います。それを踏まえて、ドイツ語圏の古典文学はこの現象をどのように描いてきたか、おおよそ時代順に眺めていきます。そのことを通じて最終的には、受講者それぞれが持っている「孤独」に対する考え方を相対化することを目指します。
学修の目的 百年以上前に書かれた外国文学を読みこなす基礎体力をつけること。また、古典作品の読解を通して、現代の諸問題を新たな角度でながめられるようになること。
学修の到達目標 古典作品の持つ現代性を認識し、それを自分の言葉で説明できるようになること。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○人文科学の諸分野の専門的知識と豊かな教養を身につけている。
○変動激しい現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
 人文科学諸分野の成果に基づき、世界各地域の固有の文化に関して、広い視野から探求できる。
 変動激しい現代社会に対する理解を基盤として、国際感覚に基づいて行動できる。
○自ら学んだ知を、口頭表現や文章表現によって的確に発信することができる。
 国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  •  表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 平常点50%、期末レポート50%。
授業の方法 講義 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど)

英語を用いた教育

授業改善の工夫
教科書 プリントを配布します。
参考書 授業中に紹介します。
オフィスアワー 火曜日12:00~13:00(事前に連絡してください)
受講要件 授業では実際の文学作品を抜粋して読みます。レポートも、文学作品を読んだ上で書いてもらう予定です。そのため受講にあたっては、文学や物語に関心があることが必須の条件になります。ただし「これまでの読書量」は一切問いません。また、授業では邦訳を使うので、ドイツ語の知識も不要です。
予め履修が望ましい科目
発展科目 ドイツ文学論
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード ドイツ語圏文学
Key Word(s) German Literature
学修内容 はじめに現代日本で流通している「孤独」言説について考え、後の検討のためのたたき台にします。そのあとドイツ語圏の文学作品(邦訳)を抜粋して読み、作家紹介や時代背景の説明とともに、そこで描かれている「孤独」の表象について考察します。受講者には適宜、自分の見解を述べてもらいます。

第1~2回 イントロダクション:現代日本の視座から(村上春樹、ネットスラング、絆の時代と孤独死、津村記久子『給水塔と亀』)/ヨーロッパにおける孤独表象の変遷前史(中世、ルネサンス、バロック、ロココ、啓蒙主義、敬虔主義、感傷主義、ロマン主義)
第3回 ルートヴィヒ・ティーク『金髪のエックベルト』(1797):孤独と狂気
第4~5回 テオドール・シュトルム『みずうみ』(1849):孤独と回顧
第6回 ショーペンハウアーとニーチェ
第7~8回 アルトゥル・シュニッツラー『みれん』(1894):死に際の孤独
第9~10回 トーマス・マン『トニオ・クレーガー』(1903):芸術家の孤独
第11~12回 フランツ・カフカ『変身』(1915):邪魔者の孤独
第13~14回 シュテファン・ツヴァイク『永遠の兄の目』(1922):孤独と正義
第15回 ウルフ、マンスフィールド他、20世紀の各国文学

受講者数や進捗具合によって、予定変更する場合があります。
事前・事後学修の内容 ・宿題として短編小説を読んできてもらう場合があります。
・授業で扱う作品には邦訳があるので、興味を持ったものは実際に読んでみてください。

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