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| 開講年度 | 2020 年度 | |
|---|---|---|
| 開講区分 | 人文学部文化学科 | |
| 受講対象学生 |
2012年度以降入学生用(文化) 学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次 |
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| 選択・必修 | ||
| 授業科目名 | ドイツ文学演習I | |
| どいつぶんがくえんしゅうI | ||
| Seminar in German Literature I | ||
| 単位数 | 2 単位 | |
| ナンバリングコード | humn-cult2100-254
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| 開放科目 | 非開放科目 | |
| 開講学期 |
後期 |
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| 開講時間 |
水曜日 9, 10時限 |
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| 開講場所 | ||
| 担当教員 | 籠 碧(人文学部) | |
| KAGO, Midori | ||
| SDGsの目標 |
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| 授業の概要 | スイス生まれの作家ローベルト・ヴァルザー(Robert Walser, 1878~1956)の散文小品集『見習い社員(Der Commis)』(1904)をドイツ語で読みます。ヴァルザーは、『変身』でよく知られるカフカも愛読していた作家です。目立たない存在に光を当て、丁寧に描き出すヴァルザーは、「会社員」という存在をしばしば題材に選び取りました。『見習い社員』でも、社会に抑圧される会社員たちの苦悩が描き出されます。 とはいえヴァルザーは、肩の凝る深刻な作家というわけでは全くありません。むしろその作品は、ギャグ小説としても読み通せるほどにユーモアのセンスで溢れています。『見習い社員』では、「物書き」の視点から冴えない会社員に対する揶揄が執拗に繰り返されます。このからかいの態度は、「高尚な芸術家と愚鈍な小市民」という陳腐な二分法をなぞっているように見えます。しかし、自ら職を転々としていたという作家の伝記的事実や物書きの語り口そのもののバカバカしさなどを考え合わせると、それ以上のものが示唆されているようにも思えます。ヴァルザーの「労働」に対する微妙な態度は、お給料をもらわないと生きていけない現代の私たちにとっても興味深いものです。 一筋縄ではいかないヴァルザー作品の講読を通して、この授業では、ドイツ語読解力の向上とともに、モダニズム文学への理解を深めること、「労働」概念への理解を深めることを目指します。 |
|---|---|
| 学修の目的 | ドイツ語で書かれた文学作品を読みこなせるようになること。モダニズム文学や、同時代の「労働」概念への理解を深めること。 |
| 学修の到達目標 | 文法知識を定着させること。モダニズム文学や、同時代の「労働」概念について知識を得ること。 |
| ディプロマ・ポリシー |
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| 成績評価方法と基準 | 平常点で評価します。 |
| 授業の方法 | 演習 |
| 授業の特徴 |
その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど) |
| 授業改善の工夫 | |
| 教科書 | プリントを配布します。 |
| 参考書 | ローベルト・ヴァルザー『ローベルト・ヴァルザー作品集4 散文作品集I』(新本史斉/F.ヒンターエーダーエムデ 訳)鳥影社、2012年。 |
| オフィスアワー | 火曜日12:00~13:00(事前に連絡してください。) |
| 受講要件 | 異文化理解(ドイツ語)Iを履修していること、もしくはそれと同等の知識を持っていること。 |
| 予め履修が望ましい科目 | |
| 発展科目 | ドイツの文学、ドイツ文学論 |
| その他 |
| MoodleのコースURL |
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| キーワード | ドイツ語、ドイツ語圏文学 |
|---|---|
| Key Word(s) | German, German Literature |
| 学修内容 | 下準備としてまずはヴァルザー作品を日本語で読み、その独特な文体に触れてもらいます。そのあと、『見習い社員』をドイツ語で輪読します。発音の練習も行います。作品内容に関する感想、解釈、批判的意見など、単なる訳読にとどまらないコメントを歓迎します。 第1回:イントロダクション(ヴァルザーの生涯、時代背景、芸術家と市民社会、労働者) 第2回:ヴァルザー作品の特徴(ヴァルター・ベンヤミンのヴァルザー評、『散歩』の抜粋を日本語で読む) 第3~14回:『見習い社員』をドイツ語で読む 第15回:まとめ 予定を変更する可能性があります。 |
| 事前・事後学修の内容 | 辞書を使って指定された範囲を予習してくること。 |