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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 人文学部文化学科
受講対象学生 2012年度以降入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
選択・必修
授業科目名 ドイツ文学演習H
どいつぶんがくえんしゅうH
Seminar in German Literature H
単位数 2 単位
ナンバリングコード
humn-cult2100-253
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 水曜日 9, 10時限
開講場所

担当教員 籠 碧(人文学部)

KAGO, Midori

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要  ドイツ生まれの作家ヴォルフガング・ボルヒェルト(Wolfgang Borchert, 1921~1947)の作品をドイツ語で読みます。ボルヒェルトは20歳で第二次世界大戦に召集され、極寒の東部戦線で戦いました。もともと体が弱かったため野戦病院に入り、また軍規違反による刑務所生活も体験しています。1945年に脱走、病身を引きずって故郷ハンブルクまで歩いて帰還します。終戦直後のドイツで演劇活動に取り組むも病状は悪化の一途を辿り、亡くなったのは1947年、27歳の時でした。残された作品のほとんどは、戦後2年の間に病床で書かれたものです。
 ボルヒェルトは「クルツゲシヒテ(Kurzgeschichte/kurz=短い、Geschichte=物語)」というジャンルの代表者と言われています。戦後から1950年代にかけてドイツで隆盛を極めたこのジャンルには、単に「短い」ということの他に、たとえば次のような特徴が指摘されています。①短編小説(Novelle)が前代未聞の出来事を扱うのに対して、あくまで日常的な出来事に目を向けること。②派手な起承転結がないこと。③社会的・政治的な視点を持ち、アクチュアルな事柄を扱うこと。こうした特徴を持つクルツゲシヒテは、戦中の悲惨な状況、もしくは戦後の廃墟と化した社会を、目立たない市井の人々の目線を通して淡々と描き出します。
 この授業では、ボルヒェルトのクルツゲシヒテ『パン(Das Brot)』、『台所時計(Die Küchenuhr)』、『夜になればネズミも眠る(Nachts schlafen die Ratten doch)』などをドイツ語で精読します。そのことによって文法の知識を定着させるとともに、戦後ドイツ社会の状況や、クルツゲシヒテというジャンルへの理解を深めることを目指します。
学修の目的 簡単なドイツ語で書かれた文学作品を読めるようになること。終戦直後のドイツ社会や文学への理解を深めること。
学修の到達目標 ドイツ語の文法知識を確かなものにすること。戦後のドイツ社会や文学について知識を得ること。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○人文科学の諸分野の専門的知識と豊かな教養を身につけている。
 変動激しい現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
○人文科学諸分野の成果に基づき、世界各地域の固有の文化に関して、広い視野から探求できる。
 変動激しい現代社会に対する理解を基盤として、国際感覚に基づいて行動できる。
 自ら学んだ知を、口頭表現や文章表現によって的確に発信することができる。
 国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  •  共感
  •  主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  • ○実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 平常点で評価します。
授業の方法 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど)

英語を用いた教育

授業改善の工夫
教科書 Wolfgang Borchert 作、藤本淳雄 編『夜になればネズミは眠る Nachts schlafen die Ratten doch』(郁文堂)ISBN: 9784261004182
参考書 ヴォルフガング・ボルヒェルト『ボルヒェルト全集 全一巻』(小松太郎 訳)早川書房、1973年。
オフィスアワー 火曜日12:00~13:00(事前に連絡してください。)
受講要件 異文化理解(ドイツ語)Iを履修済みであること、もしくはそれと同等の知識を持っていること。
予め履修が望ましい科目
発展科目 ドイツの文学、ドイツ文学論
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード ドイツ語、ドイツ語圏文学
Key Word(s) German, German Literature
学修内容 はじめに文法事項を一通り確認したあと、ボルヒェルトの作品をドイツ語で輪読します。発音の練習も行います。作品内容に関する感想、解釈、批判的意見など、単なる訳読にとどまらないコメントを歓迎します。

第1回:イントロダクション(ボルヒェルト、クルツゲシヒテ、「廃墟の文学」、ハインリヒ・ベル)
第2~3回:文法の復習(過去形、接続詞、zu不定詞、関係代名詞、受動態、接続法)
第4~14回:ボルヒェルトの作品をドイツ語で読む
第15回:まとめ

予定を変更する可能性があります。
事前・事後学修の内容 辞書を使って、毎回指定された範囲を予習してくること。

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