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科目の基本情報

開講年度 2020 年度
開講区分 医学部医学科 ・生体防御の分子基盤
受講対象学生 学部(学士課程) : 2年次
医学部医学科・生体防御の分子基盤(分子病態学)・・2年次
選択・必修 必修
授業科目名 分子病態学
ぶんしびょうたいがく
Molecular Pathobiology
単位数 「生体防御の分子基盤」(分子病態学)として8 単位
ナンバリングコード
medc-medc-MOPA-2201-001
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期後半

開講時間 月曜日 1, 2, 3, 4時限; 水曜日 1, 2, 3, 4時限
詳細はムードルに記載
開講場所 医学部医学科 基礎第2講義室

担当教員 島岡 要(医学部医学科),朴 恩正 (医学部医学科)

Motomu Shimaoka, M.D., PhD.; Eun Jeong Park, PhD

実務経験のある教員 島岡要は臨床医であり、10年以上の15年以上の病院で医師として勤務した経験をもつ。当該授業は病気の分子メカニズムを取り扱い、実務経験と直接の関連がある

SDGsの目標

学修の目的と方法

授業の概要 分子病態学(Molecular Pathobiology)は、疾患の成因を遺伝子や蛋白質、糖質、脂質などの分子のレベルの異常としてとらえ、それらの異常がどの様なメカニズムによって細胞や組織、さらに生体の機能の異常、すなわち疾患の成立に結びつくかを解明する学問です。

【講義形式】
ワークショップ形式で授業を進めるので、「予習とプレゼン準備→授業中のプレゼンテーションと質問・コメント→復習と宿題提出」のサイクルが必須である。授業に関する連絡と宿題の提出はムードルを通じて行う。
学修の目的 【目的】学生が分子病態学的解析法の基礎理論と遺伝子や蛋白質の変異が組織や生体の病態に至るメカニズムを理解し解説できるようになることを目的とします。

【学習の必要性】分子病態学の授業では、がんを疾患のモデルとして用い、正常な細胞機能制御と病的な制御異常の分子メカニズムを対比しながら理解することを通して、疾患に関わる多様な問題を科学的・論理的に解決する医師・研究者の素養をつくる。
学修の到達目標 1.遺伝子や蛋白質の構造変異・機能異常と病気のメカニズムとの関係を理解できる。
2.大量の資料を短時間で読み込み、要点をまとめることができる。
3.医師・研究者に必要な科学リテラシーと論理的思考ができる。
4. 英語科学論文を読解することができる。
5.効果的なプレゼンテーションをするスキルを経験から学ぶ。
6. チームで協力してプロジェクトを遂行することを経験し、リーダーシップとフォロワーシップの重要性を理解できる。

医学教育モデル・コア・カリキュラムに定められる以下の項目が学習到達目標となる
A. 医師として求められる基本的な資質・能力
A-2)医学知識と問題対応能力
A-8)科学的探求
A-9)生涯にわたってともに学ぶ姿勢
信頼できる医学的知識のソースから情報を得て、医学的なトピックや問題を正しく理解・解釈できる。

C. 医学一般
C-1)生命現象の科学
C-2)個体の構成と機能
C-3)個体の反応
C-4)病因と病態
細胞の正常機能を分子レベルで説明することができる。さらに疾患の原因である細胞機能の制御異常の分子メカニズムを説明できる。

E.全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療
E-1)遺伝医療・ゲノム医療
E-3)腫瘍
E-4)免疫・アレルギー
腫瘍や免疫・アレルギー疾患の病態を分子レベルで説明できる。
腫瘍や免疫・アレルギー疾患の病背景にある遺伝的病因の影響を説明できる。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
 「態度」・豊かな人間性と高い倫理観を持って行動できる。
○「態度」・科学的根拠に基づいて考え、判断することができる。
 「態度」・地域医療の実践に必要な使命感と責任感を有している。
 「態度」・生涯を通して自らを高めていく態度と医科学の進歩を追求する研究心を持っている。
 「技能」・患者の身体的、ならびに社会心理的状況を科学的、統合的に評価し、全人的医療を実践できる。
 「技能」・医学・医療の国際化に対応できる「語学力」「自己表現力」「多文化理解力」を有している。
○「技能」・医療チームで必要な「コミュニケーション力」「リーダーシップ」「協調性」を理解し、多職種連携によるチーム医療に参加することができる。
○「知識」・医療実践に必要な医学・医療の知識を修得している。
 「知識」・社会人と医療人に求められる豊かな知識と教養を有している。
 「知識」・地域と国際社会で求められる保健・医療・福祉を理解している。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 1)授業中レポート
授業の理解を問い、論理的思考法と質問する力を育成するレポートを毎回授業中に書き、授業終了時に提出(点数化)。
2)授業でのプレゼンテーション
教科書の指定された部分を予習し、プレゼンテーションを準備し事前にムードルにアップロードする。授業中に発表を行う(点数化)。
3)宿題レポート
各授業に関連する科学論文を読んで、内容をまとめる宿題をムードルから提出する(点数化)。
4)筆記試験
筆記試験を行います。問題は、講義・教科書・宿題の内容に沿い出題します。

上記4つをすべて点数化し、その合計が60点以上を合格とします。点数化の配分は最初の授業で説明します。
 進級に関わる最終的な合否判定は教務委員会が行います。再試は行いますが、再々試験は行いません。授業中、レポート・宿題、試験における不正行為には、厳しく対処します。理由を問わず単位は無効になります。
以上は講義の成績評価方法です。実習の成績評価は実習初日のオリエンテーションで詳しく説明します。
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

問題自己設定型PBL
プロジェクト型PBL

特色ある教育

反転授業
プレゼンテーション/ディベートを取り入れた授業
グループ学習の要素を加えた授業
Moodleを活用する授業

英語を用いた教育

教員と学生のやり取りは日本語でも、英語による論文や教材の講読を含んだ授業
授業改善の工夫 島岡は、学生の授業評価アンケート等の結果を参考にして授業内容を改善します。朴も同様に対応します。
教科書 教科書1: ワインバーグ がんの生物学(Robert A. Winberg著、訳/武藤・青木)第2版、2017年刊、南江堂、東京
教科書2:知的複眼思考法(刈谷剛彦著)講談社
参考書 参考論文と資料はムードルで提供します
オフィスアワー 教員は公務出張以外には、毎日、教授室や実験室にいます。
連絡先:
教授:島岡要(shimaoka@doc.medic.mie-u.ac.jp、内線6405)
准教授:朴恩正(epark@doc.medic.mie-u.ac.jp 、内線6408)
秘書:池田知嘉子(c-ikeda@doc.medic.mie-u.ac.jp、内線6407) 
受講要件 1.遺伝子の構造と転写の機構について履修済であること。
2.核酸の構造と遺伝の機構について履修済であること。
3.蛋白質の構造と合成の機構について履修済であること。
4.糖質の構造と種類について履修済であること。
5.脂質の構造と種類について履修済であること。
6.細胞の増殖と死について履修済であること。
7.生体組織の構造と機能について履修済であること。
予め履修が望ましい科目 1.分子生命体科学を履修済であること。
発展科目
その他 1.本学の教育目標である4つの力に対して、以下のウェイトをおいた授業を行います。
「感じる力」=10%
「考える力」=40%
「コミュニケーション力」=40%
「生きる力」=10%

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード "分子病態学, 分子生物学、がん生物学、免疫学、ゲノミクス, プロテオミクス, 遺伝子病, 遺伝子診断, 遺伝子治療, 遺伝子変異,科学リテラシー、論理的思考法、英語コミュニケーション力、科学論文読解
Moleluar Pathobiology, Molecular Biology, Immunology, Cancer Biology, Genetics, Science Literacy, Science Communication"
"遺伝子修復, 遺伝子解析法, 連鎖解析, ポジショナルクローニング,ファンクショナルクローニング,アポトーシス, ネクローシス, 分子腫瘍学, 癌遺伝子, 癌抑制遺伝子, 多段階発癌, 癌転移,白血病, 癌免疫、癌ワクチン、臨床治験、システムズ・バイオロジー、感染症、細胞内シグナル伝達、細胞周期、ゲノム不安定性、細胞外マトリックス、微少環境、幹細胞、ニッチ、血管生物学、血管新生、炎症、細胞接着、細胞遊走、
Inflammation, Cell Adhesion, Cell Trafficking, Extracellular Matrix, Cell Migration, Integrin, Connexin, "
Key Word(s) molecular biology
scientific literacy
scientific reading, writing, and presentation
inflammation
tissue remodeling
cancer biology
genetics
epigenetic
RNA interference
biotechnology
innovation
clinical trials
growth factor
cytokine
chemokine
signaling
apoptosis
cell adhesion
integrin
genomic instability
vascular biology
angiogenesis
metastasis
trafficking
migration
immunotherapy
学修内容 [講義内容]
 担当者: 島岡要、朴恩正
1) 論理的思考法
2) 遺伝学・遺伝子クローニング・変異
3) 細胞内シグナル伝達異常
4) 癌遺伝子と癌抑制遺伝子
5) 細胞周期制御とアポトーシス
6) 細胞の不死化と多段階腫瘍形成
7) ゲノム不安定性
8) 血管新生と微少環境や幹細胞ニッチ
9) 細胞の接着・遊走と癌浸潤・転移
10) 腫瘍免疫と炎症
11) 臨床治験とトランスレーショナル医学

【授業日程】
[授業日程]
2020年11月12月に「分子病態学授業の受け方」の説明会を行なう(時間と場所が決まれば学内メールで通知予定)

2020年(詳細は説明会で確認)
    日時         教官   講義内容
1 1・2限 島岡  論理的思考法①  3・4限  島岡  論理的思考法②
2  1・2限 島岡  遺伝学・分子生物学① 3・4限  島岡  遺伝学・分子生物学②
3  1・2限 島岡  シグナル伝達異常①  3・4限  島岡   シグナル伝達異常②
4 1・2限 島岡  癌遺伝子 3・4限  島岡  癌抑制遺伝子
5 1・2限 島岡  細胞周期制御 3・4限  島岡  アポトーシス
6 1・2限 島岡  細胞の不死化  3・4限  島岡  多段階ガン化
7  1・2限 島岡  ゲノム不安定性① 3・4限  島岡  ゲノム不安定性②
8  1・2限 島岡  血管新生 3・4限  島岡  がん微少環境とニッチ
9  1・2限 島岡  細胞接着と遊走 3・4限  島岡  癌浸潤と転移
10  1・2限 島岡  腫瘍免疫と炎症①  3・4限  島岡  腫瘍免疫と炎症②
11  1・2限 島岡  臨床治験 3・4限  島岡  トランスレーショナル医学
事前・事後学修の内容 学習課題(予習・復習)
1.ムードルに登録し、詳細な授業プロトコールを読んで必ず予習し、授業プレゼンテーションファイルを事前にムードルに提出すること
2. 授業中はプロトコールに従い、質問と発言を必ず行う。
3.授業中レポートを所定の用紙に記入し、授業の終わりに必ず提出する
4.宿題:課題論文を毎回ムードルからダウンロードし、内容に関する宿題を所定の日までにムードルから提出する

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