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開講年度 | 2020 年度 | |
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開講区分 | 工学研究科(博士前期課程)創成工学教育科目 | |
領域 | ||
受講対象学生 |
大学院(修士課程・博士前期課程・専門職学位課程) : 1年次 |
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選択・必修 | 選択 |
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授業科目名 | 先輩から学ぶ先端科学技術 | |
せんぱいからまなぶせんたんかがくぎじゅつ | ||
Advanced Lecture on Frontier Technology by Graduates of Mie University | ||
単位数 | 2 単位 | |
ナンバリングコード | EN-COMN-4
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開放科目 | 非開放科目 | |
開講学期 |
後期 |
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開講時間 |
木曜日 5, 6, 7, 8時限 |
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開講場所 | ||
担当教員 | 早川和久、福森幹郎、工藤和成、廣田英幸、杉山政司、中村彰吾、奥村資紀、阪下敬一 | |
HAYAKAWA Kazuhisa, FUKUMORI Mikio, Kudo Kazunari,HIROTA Hideyuki, SUGIYAMA Masashi, NAKAMURA Shogo, OKUMURA motonori and SAKASHITA Keiichi | ||
SDGsの目標 |
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授業の概要 | 三重大学工学部を卒業し、社会人として、技術者として成功を収めた先輩から直接その専門分野及びキャリア形成について聞く。 |
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学修の目的 | ①自信の進路を深く考えるきっかけにする。 ②技術系社会人として生きていくための覚悟を持つ。 |
学修の到達目標 | ①企業、企業活動、社員(技術者)として求められることを知る。 ②技術者として大事なことを知る。 |
ディプロマ・ポリシー |
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成績評価方法と基準 | 出席,講義への参加の積極性,レポート。 |
授業の方法 | 講義 |
授業の特徴 | |
授業改善の工夫 | 各講義毎にアンケートを取り,その結果を次回以降,翌年度の講義に反映します。 |
教科書 | |
参考書 | |
オフィスアワー | 講義終了後、講師と約20分程の質疑応答を含む交流時間を持つ。 |
受講要件 | 特になし |
予め履修が望ましい科目 | 特になし |
発展科目 | 各専攻専門教育科目 |
その他 |
MoodleのコースURL |
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キーワード | 先端科学技術、キャリア形成、卒業生 |
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Key Word(s) | Frontier science and technology, Career design and Graduate |
学修内容 | 1.後輩諸君のために、私の研究活動 –メチルセルロース等の開発について- セルロースは植物から得られる資源枯渇の心配がほとんどない非石油化学物質で将来人類が利用していくべき素材である。このセルロースを化学変性して得られるメチルセルロースは水溶液を加熱するとゲル状になり冷却すると元の水溶液に戻るユニークな特性と界面活性がある。これら特性を利用した建材、セラミックス成形体、化粧用品、医薬製剤、食品等への応用例を解説する。又、私がメチルセルロース類を用いて試作した「口に入っても安全安心な割れないシャボン玉(非売品)」も解説実演し、興味ある後輩諸君には数ある限り頒布する。最後に就職面接でいかに自分をアビールすべきかについても経験の中から意見する。 早川 和久 第7期工業科学科 元信越化学工業㈱合成技術研究所セルロース研究担当部長 2.自動車業界の生産技術革新 自動車メーカーは過去100年に亘りガソリンエンジンやディーゼルエンジンで動くクルマを生産してきたが、自動運転やEV化など革新的な新技術による大変革(破壊的イノベーション)が迫っており、この先10年は過去の50年間よりも大きな変動が起こるといわれている。このような状況下で自動車関連企業は生き残りを賭して、直近の競争力を向上させ、企業耐力を高め、且つ将来を見据えた商品開発と生産技術の『革新』が喫緊の課題である。 福森 幹郎 第5期機械工学科 元愛知機械工業㈱ 3.建築電気設備業界の歴史と現状、そして将来 生産活動、商業・物流、医療、教育・研究等あらゆる分野においてその活動を支えるためには、それぞれの目的に応じた環境(建築や各種設備)が必要です。 電気設備は空調設備や衛生設備とともに建築物の重要な構成要素ですが、各種設備はほぼすべてが電気の力に依存しており、電気設備がなければ建築物は機能しません。その重要性は今後ますます高くなっていきますし、同時に信頼性や安全性の向上も常に求められています。 私は卒業以来約40年間電気設備業界に身をおいてきましたが、その歴史と経験を振り返るとともに、現状の課題そして将来について皆さんと一緒に考えてみたいと思います。 工藤 和成 第3期電気工学科 川北電気工業㈱元執行役員、現理事 4.材料開発、製品開発を通じての技術者としての面白さと人脈造りの重要性 前半は、素原料からの配合開発を通じて出来上がる機能性を向上させた製品開発、また、その特性を活用した商品に展開する面白さと機能製品を市場の最終顧客との情報交換の重要性を話できたらと思います。また、グローバル化の流の中で、USAとの合弁事業、ドイツとの合弁事業を通じて開発の面白さを話しできればと思います。 後半は、会社の経営に携わることにより、製品開発、グローバル化、品質管理、を通じ、人脈造りの重要性を話したいと思います最後に、最近のAI化、IOT化、自動車のEV化などの大きな産業構造の環境変化にどう向き合うかを提案できればと思います。 廣田英幸 第4期工業化学 ㈱イノアックコーポレーション 技術顧問、元社長 5.福島第一原子力の事故、原子力を取り巻く状況について 卒業以来、約40年間、一貫して、原子力発電所の電気システム設計を担当、現在もこの業務も継続しながら、兼務にて、電力関係のその他の製品である風力発電設備や開閉装置、遮断器などの設計レビューも担当しています。そこで、原子力の開発の歴史、福島事故の概要、特に電気屋としては、痛恨の事態となった交流、直流電源の完全喪失について、実態をお話ししたいのと、昨今の電力自由化に伴う電力関係のビジネス環境の変化についても、ご紹介したいと思います。重厚長大産業の代表であった電力でさえも、大きな変化の波に飲み込まれつつあります。福島事故は防ぎ得たのか、電力の将来はどう有るべきなのか、一緒に考えてみませんか。 杉山 政司 第6期電気工学科 日立GEニュークリア・:エナジー(株)兼(株)日立製作所 電力ビジネスユニット 主管技師長 6.地球を救う水力エネルギー:60年を経て再び水力の時代に 60年前の昭和30年代は日本の電力が不足し、水力発電所がエネルギーの主役として精力的に建設された。その後、火力、原子力が電力供給の主流を担うようになり、水力の国内の自給率は1割まで減少している。新しい水力を建設できる地点の減少に加え、大規模ダムは地球環境を破壊すると世界的に非難される冬の時代が到来する。しかし、その後時代は急変。1997年の京都会議で地球温暖化問題が真剣に議論され、異常気象を解決する有力手段として水力が再び脚光を浴びて20年が経過した。 この講義では古くて新しい水力発電の現状と、今後期待される新技術について解説する。また、世界の6割以上を占める海外のメーカーと日本の大手メーカーの比較を解説するとともに、世界で通用する日本発信の技術について解説する。 中村 彰吾 第8期機械工学科、第3期機械工学専攻 富士・フォイトハイドロ㈱ 元取締役副社長、現技師長 7.インクジェット技術で広がる世界とものづくりの楽しさ インクジェット技術は、家庭用の写真印刷から商業印刷から3Dプリンターへと大きく広がりつつあります。その技術の進化と将来の可能性についてお話ししたいと思います。加えて学校で学ぶ専門知識が技術開発や商品開発、商品化にどのように生かすことができるのか。さらにものづくりの楽しさも私の経験からお伝えできればと思っています。 奥村 資紀 第10期機械工学科 セイコーエプソン㈱ 常務執行役員 8.新製品開発~商品化までのプロセスと、技術屋として知っておきたい会社の銭勘定 前半は、技術部門の中間管理職として実際に行ったセラミック新製品(自動車排気系)の開発~事業化についてお話します。対象製品は当初の売上が月に約数百万円と小さな事業であり、会社からのリソースはあまりかけてもらえず、様々な事を自分達のチーム内で実施せざるを得ませんでした。開発のきっかけから始まり、製品の構想設計、市場調査、試作、コスト設計、機能評価、信頼性評価、特許出願、顧客へのPR、顧客の評価、認定採用、量産工程設計、量産の立上げ、工程能力評価、コストレビュー、生産部門への引き渡し、販売開始、そして米国SAEインターナショナル(自動車技術会)での発表まで。といった項目を約2年間で実施しました。この間の技術屋の仕事内容を紹介し、新製品が世の中に出るまでのプロセスを聞いて頂きたいと思います。 後半は、技術屋といえども最低限知っておきたい会社の銭勘定、即ち企業会計のポイントについて、具体的な各会社の公開資料を基に分かり易く説明したいと思います。今後の皆さんの就職先選定の一助にして頂きたいと思います。 阪下 敬一 第9期資源科学科 イビデン㈱ 取締役監査等委員 |
事前・事後学修の内容 |