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開講年度 | 2020 年度 | |
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開講区分 | 工学部物理工学科 ・専門教育 | |
受講対象学生 |
学部(学士課程) : 3年次 工学部物理工学科 |
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選択・必修 | 選択 |
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授業科目名 | 電子デバイス工学Ⅰ | |
でんしでばいすこうがくいち | ||
Electronic Device Engineering I | ||
単位数 | 2 単位 | |
ナンバリングコード | EN-ELEC-3
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開放科目 | ||
開講学期 |
前期 |
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開講時間 |
水曜日 5, 6時限 |
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開講場所 | 18番 | |
担当教員 | 神保孝志(非常勤講師) | |
JIMBO, Takashi | ||
SDGsの目標 |
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授業の概要 | 現代では情報処理や電子制御などがあらゆる分野で利用されている。これらの機器に使われているのが電子デバイスで、この科目では電子デバイスを適切に使いこなすことができるようその基本的な動作原理を学ぶ。 現代の電子デバイスは20世紀初頭の量子力学の誕生、量子力学を利用した物性理論の発展により実現できるようになった。量子力学や物性理論を学びながら、同時にその応用分野である電子デバイスを学び、さらにその応用分野である電子回路などを学ぶことは、目的に応じた電子システム構築に際し最適な設計を可能にするだけでなく、新しい機能を持つ電子デバイスの開発にも役立つ。 この科目では電子デバイスのなかでも特に重要な半導体デバイスを中心に学ぶ。 |
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学修の目的 | 一般的に、電子デバイスが電子回路で学ぶような動作をするのはある動作条件の下に限られる。高温高圧下などでは電子回路の教科書に書いてないような振る舞いをする。電子デバイスの動作原理を理解することにより、目的に応じて最適な電子デバイスが選択できるようになることを目的とする。 また、必要な電子デバイスが存在しない場合、新たな機能を持つ電子デバイスの開発に積極的に寄与できるようになることを目的とする。 |
学修の到達目標 | 1 電磁界中にある半導体内の自由キャリヤの運動が数式を用いて計算できる。 2 半導体内の自由キャリヤの生成・再結合が定性的に説明できる。 3 半導体内キャリヤのエネルギー密度関数が与えられたとき、キャリヤ密度などが計算できる。 4 典型的な半導体pn接合のエネルギーバンド図が描け、バイアス電圧印加時のエネルギーバンドの変化を説明できる。 5 半導体pn接合の整流性が定性的に説明できる。また、階段接合と呼ばれる構造をもつ理想的なpn接合ダイオードの特性を計算することができる。 6 ショットキー接合に関して定性的に説明できる。 7 pn接合ダイオードの逆方向特性について「雪崩破壊」「トンネル破壊」などの用語を用いて定性的に説明できる。 8 バイポーラトランジスタの電流増幅率を動作原理から定性的に説明できる。 9 バイポーラトランジスタの高周波特性に影響を与える要因を二つ以上挙げることができる。 10 サイリスタの動作原理を説明できる。 11 MOS構造の静電容量ー電圧特性が定性的に説明できる。 12 式が与えられれば、式の説明がなくてもその式がピンチオフ状態で使用できる式かどうかなどの判断ができ、与えられた条件でのMOS-FETの電流ー電圧特性が計算できる。 13 C-MOS技術の定性的説明ができる。 14 半導体光センサの動作原理を定性的に説明できる。 15 発光ダイオードと半導体レーザについて類似点と相違点を挙げて説明できる。 16 半導体ウェハから半導体素子チップを作製する工程について説明できる。 17 集積回路の概念・種類の説明ができる。 18 基本的な半導体メモリ素子の動作説明ができる。 |
ディプロマ・ポリシー |
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成績評価方法と基準 | 期末試験80%、授業時のレポート20%、計100%(合計60%以上で合格)。 再提出・期限遅れ等の場合レポートの得点は(内容による得点×0.8)とする。 |
授業の方法 | 講義 |
授業の特徴 | |
授業改善の工夫 | |
教科書 | 筒井一生:「よくわかる電子デバイス」(オーム社) ISBN4-274-13177-7 |
参考書 | 鈴置保雄:「電気電子材料」(オーム社、新インターユニバーシティ) |
オフィスアワー | この授業の前後のみキャンパス内に居ます。他の時間帯に関してはjimbot@cty-net.ne.jpに連絡してください。 |
受講要件 | |
予め履修が望ましい科目 | この科目の基礎となる学問分野は半導体物性(半導体物理)である。半導体物性は固体物性の一部であり、固体物性には電磁気学・量子力学・統計力学などが使われている。電子デバイスⅠの授業ではこれらを直接使う機会は少ないが、より深く学ぶとこれらの知識が必要になることが多くなるのでこれらをできるだけ深く理解しておくことが望ましい。未習と思われる内容については授業中に説明する。 |
発展科目 | 電子デバイス工学Ⅱと併せて学ぶことで電子回路をより深く理解することができる。たとえば制御工学で理論を学んでも,実際に制御を行うのは電子回路であり,電子デバイスがなければ電子回路は作ることができない。高温や低温,超高速などの領域で電子デバイスがどのような振る舞いをするかを理解すれば,より利用範囲が広いシステム構築に役立つ。 |
その他 |
MoodleのコースURL |
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キーワード | 半導体、pn接合、バイポーラトランジスタ、MOS-FET、半導体プロセス、集積回路、メモリ |
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Key Word(s) | Semiconductor, pn junction, Bipolar Transistor, MOS-FET, Semiconductor Process, Integrated Circuits, Memory |
学修内容 | 講義 1 半導体の基礎1 固体内電子のエネルギーバンド構造、電子と正孔、キャリヤ統計 2 半導体の基礎2 キャリヤの運動と電流、少数キャリヤの挙動と連続の式 3 接合1 pn接合のエネルギーバンド構造、熱平衡状態のキャリヤ分布、pn接合ダイオードの電流-電圧特性、pn接合の空乏層幅と接合容量 4 接合2 ショットキー接合、オーミック接合、pn接合のブレークダウン、少数キャリヤ蓄積効果 5 バイポーラトランジスタ1 バイポーラトランジスタの動作原理と電流増幅率 6 バイポーラトランジスタ2 バイポーラトランジスタの等価回路と高周波特性、サイリスタ 7 MOSデバイス1 MOS構造の容量ー電圧特性、CCD 8 MOSデバイス2 MOS-FETの電流-電圧特性、等価回路 9 MOSデバイス3 MOS-FETの高周波特性、CMOS 10 光電変換デバイス バイポーラトランジスタと光ダイオード、発光ダイオード 11 デバイス製作プロセス1 プレーナプロセス、成膜、露光、エッチング 12 デバイス作製プロセス2 不純物ドーピング、化合物半導体デバイスプロセス 13 集積回路1 集積回路の概念、集積回路の種類、受動素子 14 集積回路2 バイポーラ集積回路、MOS集積回路 15 その他の半導体デバイスおよび全体の復習 温度センサなど 16 期末試験 |
事前・事後学修の内容 | 授業で使う専門的事項の中に未修(同時期開講の他の授業で習う内容など)のものが数多くあり、未修と思われる内容は授業で簡単に説明するが一部不十分になる恐れがある。予習として教科書を読み、理解できない点をリストアップしておくと良い。教員が、教科書の説明で十分と考えたところは説明を省略する場合もあるので、リストアップした不明点の説明が不十分と感じたときにすぐに質問することができる。授業中の質問はいつでも受け付ける。 原則として毎時間課題を与えるので、レポートを提出すること。 |