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科目の基本情報

開講年度 2019 年度
開講区分 工学部機械工学科/総合工学科機械工学コース ・専門教育
受講対象学生 学部(学士課程) : 3年次
工学部機械工学科
選択・必修 選択
学科選択
授業科目名 エネルギー変換工学Ⅰ及び演習
えねるぎーへんかんこうがくいちおよびえんしゅう
Energy Conversion Engineering I and Exercises
単位数 2.5 単位
ナンバリングコード
EN-ENGY-3

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※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。

開放科目     
開講学期

前期

開講時間 木曜日 2, 3, 4時限
開講場所

担当教員 廣田真史(工学研究科機械工学専攻)

HIROTA, Masafumi

学修の目的と方法

授業の概要  私達の高水準な生活は電力やガスなどの供給によって支えられている.これら二次エネルギー源のほとんどが化石燃料であり,日本では全てを海外に依存している.その上,化石燃料の燃焼により一旦熱エネルギーへ変換してから機械的な動力へ再度変換しているため,その最終的な変換効率は高々40%に過ぎず,60%以上の熱が大気や海水中に放出され,また排気ガスは環境悪化の要因になっている.
 本講義では,まず世界と日本のエネルギー需要と供給の現状について解説する.次に,熱エネルギーを作り出す燃料と燃焼の原理について理解する.「熱エネルギーを有効仕事に変換する科学的手法」がエネルギー変換工学の本質であるため,私達が現在恩恵をこうむっている実際のエネルギー変換機器,例えばガソリンエンジン,ディーゼルエンジン,ガスタービン,スターリングエンジンなどの動作原理と熱サイクルに帰着される論理性,実機における問題点などを会得する.これらの学習を経て,熱エネルギーの有効仕事への変換方法を理解することが最終的な目標である.
学修の目的 この授業では,主に内燃機関に関する熱力学的理論を通して熱エネルギーから機械的エネルギーへの変換における原理と高効率化の手法およびその限界について理解することができ,また環境への配慮に関して実際的な知識を得ることが出来る.さらに,近年開発が進んでいる燃料電池などの新たなエネルギー変換方法の原理についても理解することが出来る.
学修の到達目標 本講義で到達できる学修レベルは,例えばFE試験のEnergy, Work and Power Energyの熱関連事項,Thermodynamic Properties of SubstancesとChanges in Thermodynamic Propertiesの後半部分,PsychrometricsとCombustion Power Cycleのすべて,及びOrganic Chemistry and Combustionの後半部分の問題が解けるレベルである.なお,Vapor Power Cycles, Refrigeration Cyclesに関する事項は「エネルギー変換Ⅱ」で取り扱う.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○ JABEE 関連項目
 個性に輝く技術者となるために、自らの短所を補い、長所を伸ばそうとする意欲と姿勢を持っている。【関心・意欲】【態度】
 社会性・国際性・倫理観:社会的・国際的に広い視野、先見性、倫理観を持つために、科学技術の果たす歴史的・社会的役割を理解している。【態度】
 コミュニケーション能力:自らの考えを日本語や英語で科学的・論理的に説明し、コミュニケーションすることができる。【技能・表現】
○工学基礎:工学の礎となる数学、自然科学、情報技術に関する基礎知識を持っており、これを使って議論できる。【知識・理解】
○機械工学専門:材料と構造、運動と振動、エネルギーと流れ、情報と計測・制御、設計と生産、機械とシステムなどの機械工学の主要専門分野に関する基礎知識を持ち、これを応用することができる。【知識・理解】
 デザイン能力・創造性:社会の要求をとらえたモノづくりのための創造力と設計技術の基礎を修得している。【思考・判断】
○実践的能力:機械の専門分野とともに、産業の環境負荷や生態系への影響、環境と人間に調和する機械の知能化など、環境-人間-機械の関係を総体的にとらえて、科学技術を応用することができる。【思考・判断】
 自主性:地球の将来を見据えて、自ら課題を設定し、計画・実行することができる。【関心・意欲】

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  • ○共感
  •  主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  •  論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

「感じる力」=20%
「考える力」=60%
「生きる力」=10%
「コミュニケーション力」=10%

成績評価方法と基準 出席は必要条件であり,3回以上の欠席(病欠など止むをえない場合は除く)者には単位を与えない.評価は,定期試験を8割,レポートを2割とし,6割以上を合格として単位を与える.
授業の方法 講義 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

英語を用いた教育

授業改善の工夫 理論のみではなく,具体的で最新の事例についてもプリント等を用いながら解説する.また,演習については例題を用いて具体的な問題の解法を詳しく説明する.
教科書 ・加藤征三,義家亮,丸山直樹,松田淳,吉田尚史,廣田真史著「熱エネルギーシステム 第2版」(共立出版)を「工業熱力学及び演習」に引き続いて使用する.
・補助的にプリントを配布する.
参考書
オフィスアワー 講義終了後など,質問には随時答える.
場所:機械工学棟 3階 エネルギーシステム設計研究室
受講要件 本講義の基礎として,「工業熱力学及び演習」があり、これを修得していることを前提とする.本講義「エネルギー変換工学Ⅰ及び演習」と「エネルギー変換工学Ⅱ」とは一体のものであるから,両科目とも修得することが望ましい.
予め履修が望ましい科目 「工業熱力学及び演習」(2年後期・必修)
発展科目 「エネルギー変換工学Ⅱ」(3年後期・選択)
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 熱エネルギー,エネルギー変換,燃料と燃焼,熱力学,熱機関,熱サイクル,カルノーサイクル,オットーサイクル,ガソリンエンジン,ディーゼルサイクル,ディーゼルエンジン,ブレイトンサイクル,ガスタービン,スターリングサイクル,スターリングエンジン,燃料電池
Key Word(s) Thermal energy, Energy conversion, Fuel and combustion, Thermodynaics, Thermal engine, Carnot cycle, Gasoline enegine, Diesel engine, Gas turbine, Starling enegine, Fuel cell
学修内容 第1回 授業の概要と受講に際しての注意
第2回 エネルギー変換の相互関係,世界と日本のエネルギー需要動向
第3回 燃料,燃焼現象
第4回 燃焼計算,環境にやさしい燃焼,例題
第5回 理想気体の熱力学,例題
第6回 熱サイクル,カルノーサイクル
第7回 内燃機関と外燃機関,ガソリンエンジン,オットーサイクル,例題
第8回 排気ガス処理,ノッキング対策
第9回 中間試験,解説
第10回 ディーゼルエンジン,ディーゼルサイクル,例題
第11回 ディーゼルノック,排気ガス処理,サバテサイクル
第12回 ガスタービン,ブレイトンサイクル,例題
第13回 ガスタービンの詳細,航空機用エンジン
第14回 エリクソンサイクル,スターリングサイクル,スターリングエンジン
第15回 燃料電池の原理と課題,コ・ジェネレーション
第16回 定期試験
事前・事後学修の内容 授業内容に関連した例題を解説し,演習を行う.また,エネルギー変換における諸問題に関連した調査型の課題についても考えさせる.工業熱力学で学んだ内容を授業前によく復習しておくこと.また,とくに例題を中心にして復習を十分に行い授業で得た知識を定着させるとともに,エネルギーに関するニュースなどにも関心を向けてほしい.

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