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科目の基本情報

開講年度 2019 年度
開講区分 工学部分子素材工学科/総合工学科応用化学コース ・専門教育
受講対象学生 学部(学士課程) : 3年次
選択・必修 選択
授業科目名 分子素材工学特別講義Ⅰ
ぶんしそざいこうがくとくべつこうぎⅠ
Special Lecture I
単位数 1 単位
ナンバリングコード
EN-OTCH-2

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※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。

開放科目     
開講学期

前期

開講時間 木曜日 5, 6, 7, 8時限
(講義日指定)
開講場所

担当教員 古川 博章(非常勤講師)

学修の目的と方法

授業の概要    我々の周りは高分子材料で造られた製品で溢れている。これほど多種多様な用途で用いられている理由は、他材料と比較して圧倒的な形の自由度を有することにある。そのポテンシャルを活かすために様々な成形加工方法が開発されてきた。高分子がこのような特性を発現するのは、長い分子鎖が絡み合うことで粘性と弾性の二つの性質を併せ持つ粘弾性特性を有することにある。
   本講義では、多様な成形加工と製品を概説した後、形の自由度を可能とするメカニズムである粘弾性特性を説明する。次いで代表的な高分子であるポリエチレンとポリ塩化ビニルを例に採りながら絡み合い、非晶と結晶、配合、混錬を説明する。その後、粘弾性を利用した材料開発の具体例や、成形加工のポイントとトラブル対処を、経験を交えて解説する。
学修の目的
学修の到達目標
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○ JABEE 関連項目
 社会人としてふさわしい幅広い教養をもつ。化学の研究者・技術者として、基本的な専門知識を修得している。【知識・理解】
 自然現象を化学の観点から論理的に説明できる。科学技術や社会活動に関する問題を化学の観点から思考できる。【思考・判断】
 化学に関する技術や知識について、自主的かつ継続的に学習できる。【興味・関心】
 科学技術による社会への貢献や自然に与える影響について考えようとする姿勢を備えている。【態度】
 化学の問題に関する研究や開発を計画的に進め、まとめることができる。【技能・表現】

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 最終講義の一コマで、テスト(ノート持参可)を行う。出席とテストを総合して評価とする。
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

地域理解・地域交流の要素を加えた授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫
教科書 なし
参考書
オフィスアワー
受講要件
予め履修が望ましい科目 有機化学C,有機化学演習C
発展科目
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 高分子、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、レオロジー、粘弾性、絡み合い、成形加工
Key Word(s) Polymer, Polyethylene, Polyvinyl Chloride, Rheology, Viscoelasticity, Entanglement, Polymer Shaping, Polymer Processing
学修内容 第1回
   多様性に富んだ高分子材料の全体感を概説する。
   高分子製品は身の回りに溢れているが、それらがどのようにして造られているか、意識したことは少ないだろう。様々な製品例を示しながら、成形加工法と関連付けながら解説する。
   独特の成形加工方法を可能とする要因は、粘弾性特性にあり高分子材料が長い分子鎖を有することにより相互に絡み合っていることが起源となっている。絡み合いの本質、そこから由来する粘性と弾性を、モデルを含めて考えながら特徴的な現象を理解してみよう。
   また、成形後の製品特性を支配する固体構造イメージを持っておこう。

第2回
   一般的な高分子材料は、低温でガラス状態、温度が上がるにつれてガラス-ゴム転移を迎え、さらに高温では溶融状態となる。それぞれの温度域でどのような分子運動が行われているのか解説する。分子運動と物性の関係を捉えてみよう。
   幅広い用途で使用されている汎用高分子のポリエチレンとポリ塩化ビニルを例に取り上げて、材料特性の理解を深める。また高分子の多様性を知るうえで重要な配合と混練について解説する。

第3回
   製品開発事例として防音材、材料開発事例として熱可塑性エラストマーを例にとりながら、粘弾性特性をどのように設計利用したのか、企業における研究開発の具体例として紹介する。
   成形加工については、実際は大変形であり非線形領域での挙動が重要となる。非線形粘弾性を説明し、トラブル対処事例としてインフレーション成形、カレンダー成形、異型押出し成形などを取り上げて解説する。

第4回
   高分子は分散系を介して成形加工されるケースも少なくない。分散系の挙動は、食品、血液などの生体、化粧品、塗料分野でも重要である。分散系の特性を決める粒子間、粒子-分子間相互作用とその捉え方を解説し、具体例としてペースト塩化ビニルを取り上げて成形加工方法とトラブル対処事例を述べる。
  今後の注目技術である表面・界面の相互作用について概説する。具体的な応用例に触れながら、新技術・新製品の可能性を紹介する。
事前・事後学修の内容 学習課題(予習・復習)
  1.高分子の特徴
    分子構造、絡み合い、粘弾性、成形加工全般
  2.高分子の構造と物性
    分子運動、ガラス―ゴム転移、温度時間換算則、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、配合と混練
  3.高分子の特徴を活かした材料開発と成形加工
    防音材、熱可塑性エラストマー、非線形粘弾性、各種成形加工の特徴
  4.高分子分散系
    分散系のレオロジー、ζ電位、ペースト塩化ビニル、表面張力、界面張力

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