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科目の基本情報

開講年度 2019 年度
開講区分 教養教育・教養統合科目・国際理解・現代社会理解
受講対象学生 学部(学士課程) : 1年次, 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
授業科目名 社会学B
しゃかいがくびー
Sociology B
授業テーマ 社会問題の社会学
単位数 2 単位
ナンバリングコード
LISOCI1

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※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。

開放科目 非開放科目    
分野 社会 (2014年度(平成26年度)以前入学生対象)
開講学期

後期

開講時間 金曜日 9, 10時限
開講場所

担当教員 林原 玲洋(教養教育院)

HAYASIBARA, Akihiro

学修の目的と方法

授業の概要 この授業では,2~3名の班を毎回ランダムに編成し,初学者向けに簡素化したディベートのルールに則って,さまざまな社会問題について論じる練習をします.

ディベートとは,(1)「YES/NO」で答えられる問い(論題)を設定して肯定側と否定側に分かれ,(2)試合前に収集(リサーチ)しておいた証拠(エビデンス)にもとづいて,(3)対論者よりも自分の議論の方が優れていることを示し,(4)第三者である審判(ジャッジ)を説得する,(5)知的ゲーム(明示的なルールを持つ遊び)です.

討論力の訓練に適した方法ではあるのですが,初学者が本格的なディベートを実践するには,2つの点で困難があります.第一に,反論や判定にあたっては,相手がどのような議論を構築しているのか,その構造を正確に把握する必要があるのですが,耳で聴いてメモ(フローシート)を取るという方式でこれを達成できるようになるのは,相当の上級者になってからです.第二に,通常は試合前にリサーチをおこなうのですが,試合で争われることになる論点をあらかじめ予想し,それらを例証/反証する証拠をひと通り集めるためには,相当の準備と調査が必要になります.

そこで,この授業では,初学者向けに講師が考案した「論証ゲーム」という方式で,ディベートの練習をおこないます.論証ゲームとは,論証スクリプト(議論の要素を定義する穴埋め式の台本)に従ってプレイヤーが交替で発話しながら,論証マップ(議論の構造をあらわすマインドマップ)を協同で描き,より複雑な(広く・深い)議論を目指すものです.また,リサーチは,試合を通じて関心を持った論点についてのみ,試合後におこなうものとします.
学修の目的 論証ゲームには,ゲームマスター(司会・審判)の役割とプレイヤー(肯定側/否定側)の役割があります.この授業では,それぞれの役割を演じることにより,以下のような力を伸ばすことを,学習の目的としています.ただし,この授業ですべての力を伸ばそうとする必要はありません.この授業を通じて,自分がより伸ばしたい力を探してみてください.

【ゲームマスターの役割】
(1)司会として議論を主導するとともに[リーダーシップ・フォロワーシップ],審判として議論の是非を公正に判断できるようになること[表現力(発表・討論・対話)].
(2)現代社会のさまざまなトピックに関心を持ち[感性],社会問題(その解決策をめぐって賛否が拮抗する問い)を発見できるようになること[問題発見解決力].

【プレイヤーの役割】
(3)自分と意見が異なる相手とも,冷静かつ活発に議論できるようになること[表現力(発表・討論・対話)].
(4)受益者(メリットを享受するひとびと)/受苦者(デメリットを強要されるひとびと)双方の立場に立って[共感],メリット/デメリットを論理的・批判的に分析し[論理的・批判的思考力],具体的な解決策を立案できるようになること[問題発見解決力].

【両者に共通する役割】
(5)試合をふり返る習慣を付けるとともに,試合を通じて関心を持った論点について,自主的にリサーチをおこなえるようになること[主体性].
学修の到達目標 あたえられた論題について,予測・評価・批判・再反論の各論点を発想できるようになることを,学習の到達目標とします.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  •  専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 平常点60%,提出課題(ふり返り・リサーチ・小レポート・ピアレビュー)40%,計100%(合計が60%以上で合格).
平常点は,論証ゲームへの参加度で評価します.
提出課題については,「事前・事後学修の内容」を参照してください.
3回以上連続して欠席した場合,または,通算5回以上欠席した場合は失格とします.
授業の方法 講義 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

プレゼンテーション/ディベートを取り入れた授業
グループ学習の要素を加えた授業
Moodleを活用する授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫 授業改善のための提案は随時受け付けます.
教科書 教科書は指定しません.適宜プリントを配付します.
参考書 宮内泰介,2013,『グループディスカッションで学ぶ社会学トレーニング』三省堂.
オフィスアワー 【時間帯】毎週金曜昼休み(12:00~13:00)
【場所】教養教育校舎1号館2階213
※上記以外の時間帯に訪問を希望する場合は,メールで問い合わせてください.
受講要件 受講人数の上限を60人とします.初回の授業に出席し,受講希望届を提出した者から抽選しますので,注意してください.
予め履修が望ましい科目 特にありません.
発展科目 特にありません.
その他 この授業は市民開放授業です.一般の市民の方が参加される場合があります.
市民開放授業に限ったことではありませんが,相手に失礼がないよう,挨拶や言葉遣いなどの基本的な礼儀を守ってください.

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード ゲーミフィケーション,社会問題,ディベート,論証,受益者/受苦者
Key Word(s) gamification, social problem, debate, argumentation, beneficiary/victim
学修内容 【第1回】ガイダンス:論証ゲーム入門
【第2回】論証ゲームの基本ルール:論証マップと論証スクリプト
【第3回】立問の方法:現状と比較
【第4回】ディベートの基本構造:予測と評価
【第5回】証拠による裏づけ:例証と反証
【第6回】論題の競争:メタ論証ゲーム
【第7回】予測の方法:説明と理解
【第8回】評価の方法:量的優先度と質的優先度
【第9回】問いのピアレビュー(前編):日本政府を責任者とする論題
【第10回】予測をめぐる攻防:例外と回避
【第11回】評価をめぐる攻防:排除と包摂
【第12回】答えの戦略:プランとカウンタープラン
【第13回】理由の戦略:リンクターンとインパクトターン
【第14回】問いのピアレビュー(後編):三重県を責任者とする論題
【第15回】総括討論:「議論する」ことの意味を考える
事前・事後学修の内容 【ふり返り】論証ゲームを通じて学んだことを記録する(合計14回).
【リサーチ】ふり返りに記録した論点について,これを例証または反証する証拠を収集する(提出回数は任意).
【小レポート】ゲームマスターの役割を演じるため問いを立てる(合計2回).
【ピアレビュー】小レポートを相互評価する(合計2回).

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