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科目の基本情報

開講年度 2019 年度
開講区分 教養教育・教養統合科目・国際理解・現代社会理解
受講対象学生 学部(学士課程) : 1年次, 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
授業科目名 PBL社会学(国際・現代)
ぴーびーえるしゃかいがく
PBL Sociology
授業テーマ メディアとジェンダー
単位数 2 単位
ナンバリングコード
LISOCI1

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※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。

開放科目 非開放科目    
分野 社会 (2014年度(平成26年度)以前入学生対象)
開講学期

後期

開講時間 木曜日 7, 8時限
開講場所

担当教員 林原 玲洋(教養教育院)

HAYASIBARA, Akihiro

学修の目的と方法

授業の概要 メディアにおいて描かれる女性像/男性像は,時代によって変化しています.たとえば,『白雪姫』(1937年)や『シンデレラ』(1950年)といった,かつてのディズニー作品では,王子(男性)の愛がプリンセス(女性)を救うという筋書きが典型でした.一方,大ヒットした『アナと雪の女王』(2013年)における「真実の愛」は,アナ(女性)のエルサ(女性)に対する姉妹愛として描かれました(王子がどのように描かれているかは……ぜひ映画をご覧ください).

この授業では,メディアにおける女性像/男性像を,グループで分担して分析し,その結果を比較します.分析するメディアは,普段みなさんが親しんでいる身近なものから選んでかまいません.『アナと雪の女王』のようなフィクション(小説・映画・ドラマ・マンガ・アニメ・ゲーム)だけではなく,新聞・雑誌の記事,音楽の歌詞やMV,広告・宣伝(CMやポスター),さらには化粧やファッションも含まれますので,できるだけ面白い糸口を見つけ,授業を楽しんでください.
学修の目的 【1】メディアにおける女性像/男性像について,社会学的な仮説を立てられるようになること

メディアにおける女性像/男性像の変化については,大きく分けて2つの仮説を立てることができます.1つは,社会において理想とされる女性像/男性像(社会規範)が変化したからという仮説.いま1つは,送り手の目的(伝えたいメッセージやストーリー展開の都合など)にとっては,そのような描き方が合理的だったからという仮説です.一般に,前者のような立場を「方法論的全体主義」,後者のような立場を「方法論的個人主義」と呼びますが,データにもとづいて後者を棄却し,前者を採択することが,社会学の基本的な視点になります.この授業では,実際に2種類の仮説を検証することを通じて,社会学の基本的な視点を習得することを目指します.

【2】問い・答え・理由の提示にあたってどのような情報が必要かを整理し,実際に収集できるようになること

この授業で実践する研究の手順は,およそ社会科学的な研究であれば,学部・学科の区別を問わず,ある程度共通するものです.つまり,(1)比較(共通点と相違点の記述)を通じて問いを立て,(2)その学問分野の基本的な視点にもとづく仮説(主導仮説)を立てたうえで,(3)データを収集・分析して,その仮説と両立しない仮説(対抗仮説)を棄却する,という三段階の手順は,様々な学問分野で繰り返される定跡になっています.この授業では,(1)~(3)の手順にそれぞれ4週間を充てることで,学術研究の基本的な手順を習得することを目指します.

【3】研究成果を魅力的にプレゼンテーションできるようになること

話の内容にどれほど価値があっても,聴衆の関心を引かなければ聞いてもらうことができません.身近なトピックから説き起こして,分かりやすく研究成果を伝えるスキルは,文系/理系の区別を問わず,今後みなさんの大学生活や社会生活にとって必要になってくるでしょう.この授業では,4週間に一回ずつ授業内で発表する機会を設け,互いにその出来を評価(ピアレビュー)することで,魅力的なプレゼンテーションの要点をつかむことを目指します.
学修の到達目標 「ジェンダー」「社会規範」「合理性」など,いくつかの社会学的な概念の定義を,文献を適切に引用して分かりやすく解説できるようになることを,学習の到達目標とします.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  •  専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 個人課題50%,グループ発表50%,計100%(合計が60%以上で合格).
個人課題については,「事前・事後学修の内容」を参照してください.
3回以上連続して欠席した場合,または,通算5回以上欠席した場合は失格とします.
授業の方法 演習

授業の特徴

PBL

問題自己設定型PBL

特色ある教育

プレゼンテーション/ディベートを取り入れた授業
グループ学習の要素を加えた授業
Moodleを活用する授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫 授業改善のための提案は随時受け付けます.
教科書 教科書は指定しません.適宜プリントを配付します.
参考書 青野篤子編,2016,『アクティブラーニングで学ぶジェンダー——現代を生きるための12の実践』ミネルヴァ書房.
小林淳一・木村邦博編著,1991,『考える社会学』ミネルヴァ書房.
オフィスアワー 【時間帯】毎週金曜昼休み(12:00~13:00)
【場所】教養教育校舎1号館2階213
※上記以外の時間帯に訪問を希望する場合は,メールで問い合わせてください.
受講要件 受講人数の上限を30人とします.初回の授業に出席し,受講希望届を提出した者から抽選しますので,注意してください.
予め履修が望ましい科目 特にありません.
発展科目 特にありません.
その他 授業にはノートパソコンを毎回持参してください(第3回以降).

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード ジェンダー,メディア,社会規範,合理性,方法論的全体主義/個人主義
Key Word(s) gender, media, social norm, rationality, methodological holism/individualism
学修内容 【導入】ガイダンス

【第1回】ジェンダーとはなにか:授業の目標を理解する
【第2回】メディアとはなにか:メディア論の基礎を理解する

【第1ラウンド】問いを立てる:メディアにおけるジェンダー表現

【第3回】ブレインストーミング:比較するメディアを選択する
【第4回】データセッション:ジェンダー表現を比較する
【第5回】グループ発表準備:スライド資料を作成する
【第6回】グループ発表とピアレビュー:問いの意義を評価する

【第2ラウンド】問いに答える:ジェンダー表現と社会規範

【第7回】ブレインストーミング:主導仮説から予想を導く
【第8回】データセッション:予想を例証する
【第9回】グループ発表準備:スライド資料を作成する
【第10回】グループ発表とピアレビュー:答えの意外性を評価する

【第3ラウンド】答えを理由づける:社会規範と合理性

【第11回】ブレインストーミング:対抗仮説から予想を導く
【第12回】データセッション:予想を反証する
【第13回】グループ発表準備:スライド資料を作成する
【第14回】グループ発表とピアレビュー:理由の説得性を評価する

【総括】研究成果を発表する

【第15回】公開発表会:さらに問いを発想する
事前・事後学修の内容 各ラウンドの第1週~第4週には以下のような課題に取り組んでいただきます.

【第1週】読書課題:指定されたキイワードを文献で調べる(予習).
【第2週】リサーチ課題:必要なデータを収集する(予習).
【第3週】自主課題:スライド資料の作成にあたり必要な課題を分担する(予習).
【第4週】ふり返り:当該ラウンドを通じて学んだことを記録する(復習).

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