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科目の基本情報

開講年度 2019 年度
開講区分 人文学部文化学科
受講対象学生 2012年度以降入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 イギリス文学演習J
いぎりすぶんがくえんしゅう じぇい
Seminar on British Literature J
単位数 2 単位
受講対象学生 2011年度以前入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 イギリス文学演習J
いぎりすぶんがくえんしゅう じぇい
Seminar on British Literature J
単位数 2 単位
ナンバリングコード
HU-CLTR2

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※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。

開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 月曜日 7, 8時限
開講場所

担当教員 吉野 由起(人文学部)

YOSHINO, Yuki (Faculty of Humanities, Law and Economics)

学修の目的と方法

授業の概要 19世紀イギリス小説研究:Jane Austen, Pride and Prejudice (1813)
Jane Austen(ジェイン・オースティン)による小説Pride and Prejudice(『自負と偏見』)を読解し、作品研究を行う。
学修の目的 「小説の時代」とも呼ばれる19世紀イギリス文学史上極めて重要な位置を占め、同時代イギリスを生きる主人公と周囲の人々、その生活の描写を新鮮な筆致で行った小説Pride and Prejudiceを読解し、特質を考察する。19世紀初頭の英語で書かれた散文作品原典の読解に慣れ、作品の主題や構成、作家が特徴的に用いる文体、表現、人物造型方法等の分析の練習を行う。
作品の背景であり関心事でもある19世紀初頭イギリスの文化・社会に関する理解を深める。
学修の到達目標 イギリス文学作品原典の読解練習を積み、作品に関して「問い」を見つけ、考察することができるようになる。作品研究を行う上で助けとなる、辞典、文献等を知り、実際に使用する練習を行う。19世紀初頭イギリス文化・社会に関する理解を深める。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○人文科学の諸分野の専門的知識と豊かな教養を身につけている。
 変動激しい現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
○人文科学諸分野の成果に基づき、世界各地域の固有の文化に関して、広い視野から探求できる。
 変動激しい現代社会に対する理解を基盤として、国際感覚に基づいて行動できる。
○自ら学んだ知を、口頭表現や文章表現によって的確に発信することができる。
 国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  • ○実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 授業時のプレゼンテーションおよびリスポンス・ペーパー 40%  
学期末レポート 60%
授業の方法 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

プレゼンテーション/ディベートを取り入れた授業
Moodleを活用する授業
地域理解・地域交流の要素を加えた授業
その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど)

英語を用いた教育

教員と学生のやり取りは日本語でも、英語による論文や教材の講読を含んだ授業
授業改善の工夫
教科書 Austen, Jane. Pride and Prejudice. 1980. Oxford: Oxford UP, 2008.
参考書 海老根宏、高橋和久編著『十九世紀英国小説の展開』(松柏社、2014年)、その他授業時に説明を行う。
オフィスアワー 月曜5,6限
受講要件
予め履修が望ましい科目 「文学概論A」「イギリス文学」、「文学」「英語」「イギリス」に関連する諸科目
発展科目 「文学概論A」「イギリス文学」、「文学」「英語」「イギリス」に関連する諸科目
その他 近代イギリスで誕生した新たな物語の形式とされる「小説」は、「日記」や「手紙」を模した形態で書かれていた18世紀の黎明・成長期を経て、19世紀には成熟を遂げていきます。イギリスにおける小説というジャンルの成長の立役者の一人であった作家オースティンの作品の多くは、イングランド一地方のとある村を主な舞台に展開する極めて「ローカル」な作品でありながら、初版の刊行以後数百年間にわたり、版が途絶えることなく世界各地で読み継がれています。その理由は何であるのか、癖のあるタイトルを持ち、等身大で描かれた登場人物たちがそれぞれ自らの声で議論する作品Pride and Prejudiceを読みながら考えたいと思います(18~19世紀イギリス小説では登場人物はとにかく議論をします―時には語り手自らが、物語を放置して全く無関係な議論を始めます。そして20世紀が近づくと「議論」に代わり「独白」に近い要素が小説というジャンルで存在感を放つようになります。イギリス小説の成立史を参照しつつ、この変遷についても考察したいと考えています。)

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード ジェイン・オースティン、19世紀イギリス小説、「教養小説」
Key Word(s) Jane Austen, 19C British Novel, Bildungsroman
学修内容 授業序盤の5週間では、原典を読む練習を時間を掛け丁寧に行い、オースティンの文体に慣れるとともに、独特の言い回しやテンポ、提示された主題、作品の各種設定、物語の後の展開の布石となるモチーフ・伏線等を観察する。学期中盤で2回程度、作品に関する批評・論文等の二次資料を読む回を設ける。

6週目以降は、翻訳を併用しつつ一回の授業で扱う範囲を拡げる。授業の冒頭で担当の学生に、指定範囲のあらすじ・論点等について短いプレゼンテーションを行ってもらった後に、原典から特に重要な場面に該当する箇所を輪読し、最後の15分程度で全員で議論を行う。

第1回:イントロダクション Austen の生涯と同時代イギリスの文化と社会/イギリスにおける「小説の誕生」、初期の小説の出版形態、様式、特徴/ 教養小説 (Bildungsroman)
第2回:Vol.I (1) Chapters I-II 読解と解題、スピードとアイロニー
第3回:Vol.I (2) Chapter III 読解と解題、作品空間と公共圏
第4回:Vol.I (3) Chapter IV 読解と解題、19世紀イングランドにおける土地と相続制度
第5回: Vol.I (4) Chapter V 読解と解題、情報伝達と郵便制度、手紙の役割
第6回:Vol.I (5) 読解と解題、人物造形の特性、Austen作品における個人と社会
第7回:作品論(英語文献)の読解と議論
第8回: Vol.II (1) 読解と解題、作品における時間の流れ、「不測の事態」の配置と意義
第9回:Vol.II (2) 読解と解題、慣習への関心と描出方法
第10回: Vol.II (3) 読解と解題、カントリー・ハウス、建築物と屋内空間
第11回:作品論(英語文献)読解と議論
第12回:Vol.III (1) 読解と解題、脇役の造型と役割
第13回:Vol.III (2) 読解と解題、イギリス教養小説と「成長」
第14回:『細雪』との比較を試みる
第15回:Vol.III (3) 読解と解題、まとめ 
事前・事後学修の内容 ・毎回の指定範囲の通読。
・担当の週は、プレゼンテーションの準備。

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