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科目の基本情報

開講年度 2018 年度
開講区分 人文学部文化学科
受講対象学生 2011年度以前入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次
選択・必修 選択
授業科目名 英米文学論
えいべいぶんがくろん
English Literary Criticism
単位数 2 単位
他学部・他研究科からの受講
市民開放授業 市民開放授業ではない
開講学期

後期

開講時間 金曜日 7, 8時限
開講場所

担当教員 田畠 健太郎

TABATA, Kentaro

学習の目的と方法

授業の概要 20世紀アメリカ短編小説研究。主に20世紀後半のアメリカの名作短編小説を英語で読み、小説における他者理解やコミュニケーションの問題、アメリカ文学の特徴やアメリカ文学に現れるアメリカの社会問題などについて、感情移入や共感という概念を手掛かりにして考察する。扱う作品は短編ながら、どれもそれぞれにアメリカ文学/社会的な特徴が表れており、「アメリカ文学」への入門的性格をもつクラスでありつつ、小説を読む行為の基礎中の基礎であるが意外と顧みられることのない「感情移入」(登場人物の気持ちを考えてみる、登場人物の立場に立って考えてみる)の理論と実践を吟味するという点で、「小説」というジャンル自体への入門的クラスでもある。学生は予習として毎週5000語ほどの英語の文章を読み短いレスポンスペーパーを書き、クラスでは作品について議論に参加する。
学習の目的 英語で書かれた文章を多読し英語読解力をつけると同時に、20世紀のアメリカ文学作品に親しみつつ、アメリカ文化の諸問題について知見を得る。加えて、感情移入や共感という感情作用について学術的な視点から考察・実践できるようなる。発表や議論などの能動的参加をすることで、知識や情報の獲得、まとめ、発信の技能が向上するだけでなく、感情的な内容を感情的にならずに検討できるようになる。
学習の到達目標 5000語ほどのまとまった量の英語で書かれた文章を読みとおすという行為に、語学的かつ心理的な抵抗がなくなること。20世紀(特にその後半)のアメリカ文学の特色や代表的な問題系を把握できるようになること。感情移入という行為に対して、知的な批判的視座をとりつつ情感豊かに関与できるようになること。正確な知識とその運用に基づいた英語読解を行えるようになること。発表や議論に能動的積極的に参加することで、自分の意見や見識、態度を表明できるようになると同時に、他者の意見や感じ方を尊重できる態度を学ぶこと。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○倫理観
  •  モチベーション
  •  主体的学習力
  • ○心身の健康に対する意識
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的思考力
  • ○課題探求力
  • ○問題解決力
  • ○批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○情報受発信力
  • ○討論・対話力
  •  指導力・協調性
  • ○社会人としての態度
  • ○実践外国語力
生きる力
  •  感じる力、考える力、コミュニケーション力を総合した力

授業の方法 講義 演習

授業の特徴 能動的要素を加えた授業 Moodle

教科書 授業で扱う短編小説やエッセイなどは講師がコピーを受講生に配布する。
参考書 アメリカ文学全体については、諏訪部浩一編『アメリカ文学入門』(三修社)、渡辺利雄『講義アメリカ文学史』〔全三巻+補遺版](研究社)、平石貴樹『アメリカ文学史』(松柏社)などが役に立つ。

アメリカ短編小説については、平石貴樹編『しみじみ読むアメリカ文学』(松柏社)、平石貴樹編訳『アメリカ短編ベスト10』(松柏社)、大津栄一郎編訳『20世紀アメリカ短編選』〔全上下巻〕(岩波文庫)などが、授業で扱う短編もいくつか含んでおり参考になるし、授業で扱えない他の珠玉のアメリカ短編に触れられる。

授業で扱う短編のほとんどにはすでに日本語訳があり、短編を原文で読む際の参考にしてもよいが、学生各自で探し入手しなければいけない。

具体的な各短編・各作家については、英語版Wikipediaの記述も参考になる。
成績評価方法と基準 授業参加(40%;出席、ディスカッションペーパー、クラスでのディスカッション参加も含む)、発表(30%;作品注釈と作家紹介それぞれ1回)、期末論文(30%;2回の発表も含む)
オフィスアワー 金曜日 5、6時限
受講要件
予め履修が望ましい科目 「アメリカの文学」関連諸科目を中心に、地域を問わず「文学」や「文化学」に関連する諸科目
「アメリカ」「英語」に関連する諸科目
発展科目 「アメリカの文学」関連諸科目を中心に、地域を問わず「文学」や「文化学」に関連する諸科目
「アメリカ」「英語」に関連する諸科目
授業改善への工夫 講師による知識の一方的な教授ではなく、学生の発表や発議などの生の意見を尊重する。進度や難易度についても、学生からの意見を十分考慮する。
その他 受講希望者は、初回(第1回目)の授業に出席することが望ましい。受講希望だがやむを得ず初回授業に出席できない者は、講師までメールやその他の方法で事前に連絡すること。

授業計画

キーワード アメリカ文学、20世紀アメリカ小説、名作短編小説、感情移入、共感、文学の意義、黒人文学、ネイティブ・アメリカン文学、マイノリティ文学、女性文学、戦争文学、ポストモダン文学、日系アメリカ人文学
Key Word(s) American literature, American novels in the 20th century, best short stories, empathy, sympathy, significance of literature, African-American literature, Native-American literature, Minority literature, women's literature, War literature, potmodern literature, japanese-American literature
学習内容 第1回 イントロダクション:アメリカ文学概論
第2回 小説と感情移入の諸問題
第3回 ケイト・ショパン「一時間の物語」(1894)
第4回 アーネスト・ヘミングウェイ「何かの終わり」(1925)
第5回 バーナード・マラマッド「殺し屋であるわが子よ」(1968)
第6回 アリス・ウォーカー「毎日使うもの」(1973)
第7回 マキシーン・ホン・キングストン「名無しの女」(1975)
第8回 レスリー・マーモン・シルコウ「子守唄」(1981)
第9回 レイモンド・カーヴァー「シェフの家」(1981)
第10回 ティム・オブライエン「本当の戦争の話をしよう」(1987)
第11回 期末ペーパーのアイディア発表会
第12回 メアリー・ユカリ・ウォーターズ「タマゴ顔」(2001)
第13回 リー・シーゲル「文学は有益であるべきか?」(2013.)
第14回・15回 期末ペーパーのプレゼンテーション

・授業内容は、担当学生による作品の注釈付け、作家紹介のあと、クラス全体で作品における感情移入の問題を中心とした自由論議、という構成。
・各学生は注釈と作家紹介を学期中にそれぞれ1度担当する。
・加えて、ほぼ毎回レスポンスペーパーを提出しなければいけない。心打たれた、あるいは気になった1節を抜き出し、自分で日本語訳し、どう心打たれたのか、何が気になるか説明する。翻訳部分を除き、100~300語程度でよい。自分の名前、作品名、引用、引用箇所の頁、引用部分の訳、説明を含めること。自筆ではなくプリントアウトしたものを提出。
・期末ペーパーを学期末に提出するが、学期中にそのアイディア発表会やプレゼンも含む。
・その他詳細などは授業中に指示する。
事前・事後学修の内容 第3回 Kate Chopin “The Story of an Hour”を読んでくる。授業開始時にレスポンスペーパー提出
第4回 Ernest Hemingway “The End of Something” + レスポンスペーパー
第5回 Bernard Malamud “My Son, the Murderer” + レスポンスペーパー
第6回 Alice Walker “Everyday Use” + レスポンスペーパー
第7回 Maxine Hong Kingston. “No Name Woman.” + レスポンスペーパー
第8回 Leslie Marmon Silko “Lullaby” + レスポンスペーパー
第9回 Raymond Carver “Chef’s House” + レスポンスペーパー
第10回 Tim O’Brien. “How to Tell a True War Story” + レスポンスペーパー
第11回 期末論文の簡単な構想を用意してくること。扱う作品、論じたい問題やテーマについて5分ほどで発表する。詳細は授業中に告知。
第12回 Mary Yukari Waters ”Egg-Face” + レスポンスペーパー
第13回 Lee Siegel “Should Literature Be Useful?” + レスポンスペーパー
第14回&第15回 期末ペーパーの要旨や概要の中間発表
ナンバリングコード(試行) HUCLTR2

※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。 ナンバリングコード一覧表はこちら


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