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開講年度 | 2018 年度 | |
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開講区分 | 工学部情報工学科 ・専門教育 | |
受講対象学生 |
学部(学士課程) : 1年次 |
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選択・必修 | 必修 |
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授業科目名 | 離散数学 | |
りさんすうがく | ||
Discrete Mathematics | ||
単位数 | 2 単位 | |
他学部・他研究科からの受講 |
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市民開放授業 | 市民開放授業ではない | |
開講学期 |
前期 |
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開講時間 |
月曜日 3, 4時限 |
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開講場所 | 工学部18番教室 | |
担当教員 | 河合敦夫 | |
授業の概要 | (高校等での)数学の問題を解くことと、(電卓を使用したり、数式の変形等の)計算の関係を考えてみる。数学の問題を解く最初の段階で、いきなり電卓を叩いて計算することは少ない。最初の段階では、むしろ、どのように問題を解くかの方針を決定し、具体的に解いていく段階で計算を行う。ソフトウェアの開発とプログラミングの関係も同じで、開発の最初の段階でキーボードの前に座ってプログラミングをすることはなく、それに先立つ設計段階の「データ構造とアルゴリズムの決定」が、まず重要となる。この「データ構造とアルゴリズムの設計」をスムーズ(頭がこんがらずに)に行えるようになるための準備の一つとして、「離散的な関係をどのように整理して表現するか」に重点を置いて講義を行う(離散的な関係は、皆さんの日常生活の中にも豊富に存在する。具体的には講義で話をする)。高校等で習う、集合、順列組み合わせや数学的帰納法等も、離散情報を扱う上で、重要な数学ではある。しかし、これらは既に高校で、ある程度勉強してきているので、今回は扱わない。 講義時間が許す範囲で演習(練習問題を解くこと)も行うが、高校の数学の授業のようには十分な時間が取れない。自宅での復習の段階で、多くの練習問題を解くことが重要である。 |
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学習の目的 | |
学習の到達目標 | |
ディプロマ・ポリシー |
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授業の方法 | 講義 |
授業の特徴 | |
教科書 | 教科書:情報の基礎離散数学―演習を中心としたー:小倉久和著、近代科学社、2700円 |
参考書 | 参考書:以下、全て大学図書館に有(但し、1冊のみの場合もあるので、早めに貸りて準備する必要ある) すぐわかる代数:石村園子著、東京図書、2200円、教科書よりやさしく書かれている。したがって、予習なしで授業を聞いて理解できない人は予習時に読むことを強く薦める。但し、若干レベル低い(簡単)ので試験対策としては、もう1冊必要。 やさしく学べる離散数学:石村園子著、共立出版、2000円、同上。 はじめての離散数学:小倉久和著、近代科学社、2400円、教科書と同一著者なので、用語なども授業と同じになり、そういった意味での混乱は無い。中間期末試験対策用としては、これがベスト。但し、再履修者は、演習量を増やすために、さらにもう1冊やると良い。 離散数学:牛島和夫編著、相利民・朝廣雄一共著、コロナ社、3200円、この参考書のpp.14-40, 44-64が80%解けると合格は近い。 論理と集合から始める数学の基礎:嘉田勝、日本評論社、2800円、コメントは嘉田氏と同じ、山田先生推薦、部分写像の問題有 離散系の数学:野崎昭弘著、近代科学社、2700円、教科書より、ややレベル高い。 上記の他、小倉久和氏の教科書1冊、筑波大学の先生の教科書もあり。 |
成績評価方法と基準 | 評価は、中間試験(約30点),期末試験(約70点)の合計100点で行い、最終成績6以上(60点以上)を合格とする。少なくとも、期末試験は、教科書、ノート、プリント等の持ち込み不可。そのかわりに、指定用紙を1枚、授業中に配布(授業欠席者への河合居室での配布は行わない)する。この指定用紙に、数式や定義などを学生さんが自ら書き込み、試験時間に参照可能。試験時の計算用紙は、別途、配布する。 |
オフィスアワー | 授業実施日の授業終了以降に、授業を実施した教室で対応。事務的な話であれば、電子メールによる受け付け可(e-mail:kawai@ai.info.mie-u.ac.jp)ではあるが、直接、情報棟4階河合教員室へ来てもらった方がスムーズか(基本的には、少なくとも18時前後までなら在室している) 。 |
受講要件 | 再履修者(昨年の不合格者)は、理解不十分な箇所が少しでもあるか、ケアレスミス(すべてのパターンを想定できない)による失点が多いかの、どちらかが多い。再履修者は(教科書を見ずに、すなわち成績評価方法欄の指定用紙のみを閲覧しながら)、参考書(嘉田・牛島氏他)の問題を「数多く」こなし、学生さん一人一人で異なるケアレスミスの癖を、自ら把握しないと合格は困難。 ケアレスミスの防止訓練は、プログラムの上流工程(設計段階)のミス(バグ)を減らす練習になる。 |
予め履修が望ましい科目 | |
発展科目 | データベース論、データ構造・アルゴリズム論 I・II の関連が深い。オートマトン・形式言語理論、数理論理学、論理設計、人工知能Ⅰ 等とも少し関係する |
授業改善への工夫 | 数学については、実際に多くの問題を解くことにより、内容の理解・定着が完結する。そのため、演習問題の多い教科書を選択した。また、数学的概念等の厳密で正確な定義は、数式や定義文によってなされるが、それのみでは理解困難な学生も多い。そこで、概念の大まかな理解・イメージ作りのため、補助的な図や具体例を、説明時に、タイミング良く取り入れるように工夫している。また、早期に中間テストを実施し、(練習問題を多く解くことによって得られる)完全な理解が無い(なんとなくわかっている)状態では、単位の修得が困難であることを、学生自身が早期に悟るようにし、自宅での復習の動機付けを強化する。また、自宅での復習がスムーズに行えるように、教科書に解答が無い問題の演習については授業中に実施することとし、自宅での復習時に解く問題については、容易に教科書の略解等を参照できることとした。 |
その他 |
キーワード | |
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Key Word(s) | |
学習内容 | 第1回 情報工学科における離散数学の必要性、集合、集合の表現、部分集合、べき集合 第2回 集合演算、剰余演算、コンピュータにおける集合表現、述語 第3回 対応と写像(その1 対応、集合の直積、部分写像と写像) 第4回 対応と写像(その2 写像の性質(全射、単射、全単射)) 第5回 対応と写像(その3 関数、逆写像、関数表、写像の合成、置換、置換の積の解釈) 第6回 中間テスト、離散関係(その1 2項関係、関係と写像) 第7回 離散関係(その2 逆関係、中への関係、関係行列と関係グラフ) 第8回 同値関係と同値類(その1 関係の性質、同値関係) 第9回 同値関係と同値類(その2 同値類、nを法として合同、同値関係と直和分割) 第10回 有限順序集合(その1 順序関係と順序集合、全順序関係、順序集合のグラフ表現) 第11回 有限順序集合(その2 (派生語関係)、順序集合の性質) 第12回 離散代数系(その1 四則演算とその性質、演算と代数系) 第13回 離散代数系(その2 剰余和・剰余積、単位元、逆元) 第14回 離散代数系(その3 半群とモノイド、群) 第15回 第16回 定期試験 |
事前・事後学修の内容 |
ナンバリングコード(試行) | EN-INBS-1 |
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※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。 ナンバリングコード一覧表はこちら