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科目の基本情報

開講年度 2017 年度
開講区分 工学研究科(博士前期課程)機械工学専攻
領域 主領域 : D; 副領域 : F
受講対象学生 大学院(修士課程・博士前期課程・専門職学位課程) : 1年次, 2年次
選択・必修
授業科目名 生体材料工学特論
せいたいざいりょうこうがくとくろん
Biomaterials Science
単位数 2 単位
他学部・他研究科からの受講 他専攻の学生の受講可
市民開放授業 市民開放授業ではない
開講学期

前期

開講時間 木曜日 5, 6時限
開講場所

担当教員 吉川高正(工学研究科機械工学専攻)

YOSHIKAWA, Takamasa

学習の目的と方法

授業の概要 生体材料および医用機器などを例にとり,合理的な研究開発・設計のための評価方法の構築と,評価方法の適正評価(品質工学)について学ぶ.
学習の目的  生体材料とは広義に生体もしくは生体を構成する要素と接触して用いられる材料である.生物由来の素材から工業的に用いられる金属,セラミクス,高分子など人工的な素材が生体材料として応用が期待され,多様な材料開発が飛躍的に展開されている.
 生体材料の材料設計および生体材料を利用した機器やインプラントの研究開発・設計では,目的とする機能性の実現のみならず,生体適合性や力学的適合性,生体内耐久性といった安全性や安定性に関する過酷な制約が要請される.さらに,要求される機能や制約ばかりでなく,設計因子は通常多岐にわたり,個々の評価指標の判断だけでは目的とする材料や機器・器具の実現に結びつけることが困難であることが多い.また,規格化・標準化されてきた工業用材料や機械と異なり,ソフトマテリアルや多孔質材料は性能や品質の評価自体が確立されておらず,さらに,生体と接触する生体材料は,生体との相互作用や生体自体の個体差の影響によって評価にばらつきが現れやすい.このような課題は,必ずしも生体材料に限らず,省資源化や高効率化,低コストといった制約の上で非常に高機能な機械や材料の実現が要求される現代工業においても同様に日常的に直面する課題である.すなわち,多岐にわたる性能指標や品質変量,設計因子,誤差要因に対して,合理的に研究開発・設計を進捗させる指針が必要となる.
 品質工学は,進捗させるべき目的を単一の評価指標(機能)で表現し,多岐にわたる性能や品質の判断が構築された機能で代表しうるか否かを較正する「評価指標を評価する方法」を提示する.構築された機能が,個別の性能や品質を齟齬なく表現できたとき,設計因子(制御因子)と誤差要因(誤差因子)による効果を適切に調査できるとするものである.また,多種にわたる設計因子と誤差要因に関する効率的で合目的的な調査手法を提示することで,目的達成を合理的に進捗させる指針を提示するものである.
 本講義によって,諸々の産業において実務上有益な品質工学の概念と手法の基礎が理解できる.修士課程の研究や機械技術者としての開発・設計業務における技術要素の特性を見出す方法が得られる.
学習の到達目標 生体材料もしくは生体材料を利用した機器の研究開発・設計における指針が説明できる.
技術開発・設計における「目的」を具体的に理解できるようになる.「目的」を数量化し,研究開発・設計などの行為の成果を定量化できる意義がわかるようになる.評価指標の適正を評価する方法が理解できるようになる.実験方法を合目的的に計画する意義(実験計画法)が理解できるようになる.
データにおける誤差および許容差について説明できるようになる.また,誤差因子実験が理解でき,評価のばらつきに関する対処方法について検討することができる.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○ JABEE 関連項目

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○倫理観
  • ○モチベーション
  • ○主体的学習力
  •  心身の健康に対する意識
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的思考力
  • ○課題探求力
  • ○問題解決力
  •  批判的思考力
コミュニケーション力
  •  情報受発信力
  •  討論・対話力
  •  指導力・協調性
  •  社会人としての態度
  •  実践外国語力
生きる力
  •  感じる力、考える力、コミュニケーション力を総合した力

授業の方法 講義

授業の特徴

教科書
参考書 バイオメカニクス概説(日本機械学会編,オーム社1993)
品質工学応用講座 化学・薬学・生物学の技術開発(久米正明,日本規格協会,1999)
品質工学講座1 開発・設計段階の品質工学(吉澤正孝,日本規格協会,1988)
品質工学講座4 品質設計のための実験計画法(横山巽子,日本規格協会,1988)
多変量解析法入門(永田靖,棟近雅彦,サイエンス社,2001)
等.
成績評価方法と基準 出席,演習課題
オフィスアワー 毎週木曜日16:20~17:10.
受講要件
予め履修が望ましい科目
発展科目 生体材料工学演習,固体力学特論,固体力学演習,バイオメカニクス特論
授業改善への工夫 スライド・プレゼンテーション形式で授業を行うが,都度,受講者の携わる研究をもとに,具体性と実感を得られるように努める.講義の進捗に従って,各論で学んだ解析やメソッドが,研究などで応用できるように努める.
その他

授業計画

キーワード 生体材料,医用工学,バイオメカニクス,品質工学,機能,品質,直交表,誤差因子,ばらつき,SN比,実験計画,多変量解析,固有値,固有ベクトル
Key Word(s) Biomaterial, Medical engineering, Biomechanics, Quality engineering, Robust engineering, Function, Engineered quality, Orthogonal array, Noise factor, Variation, Signal-to-noise ratio, Design of experiments, Multivariate analysis, Eigenvalue, Eigenvector
学習内容 第1回 生体材料の研究・開発の方向性
第2回 研究・開発,設計における「目的」とは
第3回 「機能」とは
第4回 生体材料の評価する機能①
第5回 生体材料の評価する機能②
第6回 データの意味(分散分析法)
第7回 評価指標の適正と設計の良否を測る量(SN比①)
第8回 誤差の影響を調べる方法(誤差因子)
第9回 誤差因子下におけるSN比(SN比②)
第10回 制御因子
第11回 直交表実験とその意義
第12回 直交表実験結果の解析
第13回 機能の適正評価(利得)
第14回 機能の適正評価(再現実験)
第15回 ロバスト設計とチューニング
学習課題(予習・復習) 基礎的な代数と統計学を利用するため,復習しておくと理解を促す.各回のトピックについて,講義後に自分の研究に関連付けると理解しやすい.
ナンバリングコード(試行) EN-SYST-5

※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。 ナンバリングコード一覧表はこちら


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