三重大学ウェブシラバス


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科目の基本情報

開講年度 2024 年度
開講区分 共通教育・教養基礎科目
受講対象学生 学部(学士課程) : 1年次, 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
授業科目名 社会学B
しゃかいがくびー
Sociology B
授業テーマ 社会問題の論じ方
単位数 2 単位
ナンバリングコード
gedu-libr-SOCI1125-003
開放科目 非開放科目    
分野 社会・経済
分類・領域

教養統合科目・国際理解・現代社会理解 (2022(令和4)年度〜2015(平成27)年度入学生対象)

開講学期

後期

開講時間 金曜日 3, 4時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所

担当教員 林原 玲洋(人文学部)

HAYASIBARA Akihiro

実務経験のある教員 【教員名】林原 玲洋
【実務経験の内容】一般社団法人に特別研究員として在籍した.

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 この授業では,2~3名の班を毎回ランダムに編成し,初学者向けに簡素化したディベートのルールに則って,さまざまな社会問題について論じる練習をします.

ディベートとは,(1)「YES/NO」で答えられる問い(論題)を設定して肯定側と否定側に分かれ,(2)試合前に収集(リサーチ)しておいた証拠(エビデンス)にもとづいて,(3)対論者よりも自分の議論の方が優れていることを示し,(4)第三者である審判(ジャッジ)を説得する,(5)知的ゲーム(明示的なルールを持つ遊び)です.

討論力の訓練に適した方法ではあるのですが,初学者が本格的なディベートを実践するには,2つの点で困難があります.第一に,反論や判定にあたっては,相手がどのような議論を構築しているのか,その構造を正確に把握する必要があるのですが,耳で聴いてメモ(フローシート)を取るという方式でこれを達成できるようになるのは,相当の上級者になってからです.第二に,通常は試合前にリサーチをおこなうのですが,試合で争われることになる論点をあらかじめ予想し,それらを例証/反証する証拠をひと通り集めるためには,相当の準備と調査が必要になります.

そこで,この授業では,初学者向けに講師が考案した「論証ゲーム」という方式で,ディベートの練習をおこないます.論証ゲームとは,論証スクリプト(議論の要素を定義する穴埋め式の台本)に従ってプレイヤーが交替で発話しながら,論証マップ(議論の構造をあらわすマインドマップ)を協同で描き,より多様な論点の発想を目指すものです.
学修の目的 論証ゲームには,ゲームマスター(司会・審判)の役割とプレイヤー(肯定側/否定側)の役割があります.この授業では,それぞれの役割を演じることにより,以下のような力を伸ばすことを,学習の目的としています.ただし,この授業ですべての力を伸ばそうとする必要はありません.自分がより伸ばしたい力はなにか,授業を通じて考えてみてください.

【ゲームマスターの役割】
(1)司会として議論を主導できるようになること[リーダーシップ・フォロワーシップ].
(2)審判として議論の是非を公正に判断できるようになること[表現力(発表・討論・対話)].

【プレイヤーの役割】
(3)自分と意見が異なる相手とも,冷静かつ活発に議論できるようになること[表現力(発表・討論・対話)].
(4)受益者(メリットを享受するひとびと)/受苦者(デメリットを強要されるひとびと)双方の立場に立って[共感],メリット/デメリットを論理的・批判的に分析し[論理的・批判的思考力],具体的な解決策を立案できるようになること[問題発見解決力].

【両者に共通する役割】
(5)現代社会のさまざまなトピックに関心を持ち[感性],社会問題(その解決策をめぐって賛否が拮抗する問い)を発見できるようになること[問題発見解決力].
(6)試合を通じて学んだことを活かし,自らが関心を持つ社会問題について,自発的・継続的にリサーチできるようになること[主体性].
学修の到達目標 あたえられた論題について,予測・評価・批判・再反論の各論点を発想できるようになることを,学習の到達目標とします.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  •  専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 平常点45%,提出課題(ふり返り・リサーチ・小レポート・ピアレビュー)55%,計100%(合計が60%以上で合格).
平常点は,論証ゲームへの参加度で評価します.
提出課題については,「事前・事後学修の内容」を参照してください.
3回以上連続して欠席した場合,または,通算5回以上欠席した場合は失格とします.
授業の方法 講義 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

反転授業
プレゼンテーション/ディベートを取り入れた授業
グループ学習の要素を加えた授業
Moodleを活用する授業

英語を用いた教育

授業アンケート結果を受けての改善点 授業改善のための提案は随時受け付けます.
教科書 教科書は指定しません.授業資料はMoodleで配信します.
参考書 宮内泰介,2013,『グループディスカッションで学ぶ社会学トレーニング』三省堂.
オフィスアワー 毎週木曜昼休み(12:15~13:00)
※上記以外の時間帯を希望する場合は,メールで問い合わせてください.
受講要件 受講人数の上限を48人とします.初回の授業に出席し,受講希望届を提出した者から抽選しますので,注意してください.
予め履修が望ましい科目 特にありません.
発展科目 特にありません.
その他 同じ内容で前期に開講するクラスでは論証マップをノートパソコンで描きますが,後期のクラスでは手書きで描きます.

授業計画

MoodleのコースURL https://moodle.mie-u.ac.jp/moodle35/course/view.php?id=18818
キーワード ゲーミフィケーション,社会問題,ディベート,論証,受益者/受苦者
Key Word(s) gamification, social problem, debate, argumentation, beneficiary/victim
学修内容 【第1回】ガイダンス:論証ゲーム入門
【第2回】論証ゲームの基礎:論証マップと論証スクリプト
【第3回】立問の方法:現状と比較
【第4回】ディベートの基本構造:予測と評価
【第5回】論題の競争:メタ論証ゲーム
【第6回】証拠による裏づけ:例証と反証
【第7回】予測の方法:説明と理解
【第8回】評価の方法:質的優先度と量的優先度
【第9回】問いのピアレビュー(前編):日本政府を責任者とする論題
【第10回】予測をめぐる攻防:例外と回避
【第11回】評価をめぐる攻防:排除と包摂
【第12回】答えの戦略:プランとカウンタープラン
【第13回】理由の戦略:リンクターンとインパクトターン
【第14回】問いのピアレビュー(後編):三重県を責任者とする論題
【第15回】総括討論:「議論する」ことの意味を考える
事前・事後学修の内容 通常回の予習・復習は以下の通りです.このほか,第9回と第14回には,論題を提案する小レポートを書き(授業前),他の受講生が書いた小レポートを評価する(授業後)課題があります.

【予習】論証ゲームのルールや論題を解説した電子テキストを読み,試合の構想を練る.
【復習】論証ゲームを通じて学んだことをふり返る.また,ふり返りに記録した論点について,これを例証または反証する証拠を収集する.
事前学修の時間:60分/回    事後学修の時間:180分/回

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