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開講年度 | 2024 年度 | |
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開講区分 | 教育学部・教科及び教科の指導法に関する科目(A類)・国語 | |
科目名 | 国文学 | |
こくぶんがく | ||
Japanese Literature | ||
受講対象学生 |
教育学部, A 類 他類の学生の受講可 学部(学士課程) : 3年次, 4年次 73~74 期生 75期生は「国文学講義ⅢB」で履修登録をすること |
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卒業要件の種別 | 選択 国語教育コースの選択科目 中学校・高等学校国語科教員免許状の選択科目 |
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授業科目名 | 国文学講義・近代Ⅳ | |
こくぶんがくこうぎ・きんだいよん | ||
Lecture on Japanese Modern Literature Ⅳ | ||
単位数 | 2 単位 | |
受講対象学生 |
A 類 他類の学生の受講可 学部(学士課程) : 2年次 75 期生 73~74期生は「国文学講義・近代Ⅳ」で履修登録をすること |
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卒業要件の種別 | 選択 国語教育コースの選択科目 中学校・高等学校国語科教員免許状の選択科目 |
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授業科目名 | 国文学講義ⅢB | |
こくぶんがくこうぎ・さんびー | ||
Lecture on Japanese Literature ⅢB | ||
単位数 | 2 単位 | |
ナンバリングコード | educ-lang-LITR2014-004
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開放科目 | 非開放科目 | |
開講学期 |
後期 |
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開講時間 |
月曜日 7, 8時限 |
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授業形態 |
対面授業 * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい
「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業 |
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開講場所 | 教育学部1号館 | |
担当教員 | 和田 崇(教育学部) | |
WADA, Takashi | ||
実務経験のある教員 | 【教員名】和田崇 【実務経験】高等学校における非常勤講師の経験を有す 【講義内容との関連性】実務経験より得た文学教育の現状に関する知見を活かして,文学作品の歴史的背景や読解法を国語科教科書と関連づけながら教授する。 |
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SDGsの目標 |
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連絡事項 | * 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい |
授業の概要 | 本講義では,日本で発表・出版された文学作品のうち,言論統制や表現の自由をめぐる問題と関係の深い作品の全文または一部を読み,自由な想像の下に遂行される創作が,どのような場合に抑圧されるかを考察する。 一般的に日本の言論統制といえば,戦前や太平洋戦争下の軍部による弾圧のイメージが強いが,戦後においてもさまざまなかたちで言論の自由は抑圧されてきた。また,戦後の『日本国憲法』においてのみならず,戦前の『大日本帝国憲法』においても,言論の自由は条件付きで明文化されていた。つまり,国の根幹を成す憲法で言論の自由が保障されながらも,その「自由」の概念は,為政者や表現活動の当事者によって変化するのである。 言論統制(表現の自由の抑圧)の種類は,大きく分けて二つある。一つは,法にもとづいて強制されるものであり,もう一つは,法以外の権力や私的暴力によって抑圧されるものである。前者には,戦前の長期間と太平洋戦争後の約5年間に実施された検閲,刑法を根拠とした猥褻物の取り締まりや民法を根拠とするプライバシー権の保護などが該当し,後者には,左翼テロや右翼テロなど法的根拠を持たない集団または個人の暴力が該当する。一方で,前者の事例は後者にも重なる部分があり,法と権力や暴力との関係は不可分でもある。 本講義において取り上げる文学作品の取り締まりや弾圧理由は,今日の視点から見れば理解しがたいものもあれば,今日においても妥当か否かの意見が分かれるものもあるだろう。本講義では,一方的に文学作品の優位性や表現の自由を絶対視するのではなく,各事例をもとに,受講者が文学と社会との関係を考える機会としたい。 |
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学修の目的 | 近現代⼩説をめぐる検閲や裁判に関する知識を学ぶ。 表現の⾃由という問題に着⽬することで,⽂学と現実社会との連関を意識する。 |
学修の到達目標 | ・文学作品における表現と法律または社会情勢とを関連づけることができるようになる。 ・表現活動と公共性との関係を相対的かつ主体的に考えることができるようになる。 |
ディプロマ・ポリシー |
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成績評価方法と基準 | ・授業への積極的参加度50%+期末レポート50%=計100%(合計60%以上で合格) ・3分の2以上の出席を要す。 *履修者数に応じて別途課題・発表を課し,その評価は「授業への積極的参加度」に含む。 |
授業の方法 | 講義 |
授業の特徴 |
Moodleを活用する授業 eポートフォリオを活用する授業 その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど) |
授業アンケート結果を受けての改善点 | 学生の関心だけでなく理解についても深める授業を心がける |
教科書 | テキストは授業で配布する。 |
参考書 | ・國文學編集部編『知っ得 発禁・近代文学誌』(學燈社,2008年) ・紅野謙介『検閲と文学:1920年代の攻防』(河出書房新社,2009年) ・牧義之『伏字の文化史:検閲・文学・出版』(森話社,2014年) ・日高昭二『占領空間のなかの文学:痕跡・寓意・差異』(岩波現代全書,2015年) ・園田寿・臺宏士『エロスと「わいせつ」のあいだ:表現と規制の戦後攻防史』(朝日新書,2016年) ・日比嘉高『プライヴァシーの誕生:モデル小説のトラブル史』(新曜社,2020年) ・荻野富士夫『治安維持法の歴史1~6』(六花出版,2021~2023年) ※その他は授業内で適宜提示する。 |
オフィスアワー | 時間:毎週月曜日5,6限 場所:国文学第1研究室(和田崇研究室) |
受講要件 | |
予め履修が望ましい科目 | 国文学概説(全学年),国文学講義ⅠA(1年生) |
発展科目 | |
その他 | 社会状況や本学の方針に応じて、ハイブリッド、完全オンラインの各授業方法へ柔軟に対応する。 |
MoodleのコースURL |
https://moodle.mie-u.ac.jp/moodle35/course/view.php?id=18898 |
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キーワード | 日本近代文学,表現の自由,検閲,戦争,思想,プライバシー,差別 |
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Key Word(s) | Modern Japanese Literature, Freedom of Expression, Censorship, War, Ideology, Privacy, Discrimination |
学修内容 | 第1回…イントロダクション:日本文学と表現の自由の関係 第2回…風俗壊乱と文学 ―志賀直哉「濁った頭」― 第3回…安寧秩序と文学(1)―小林多喜二『蟹工船』― 第4回…安寧秩序と文学(2)―石川達三「生きてゐる兵隊」― 第5回…自主規制と文学―太宰治「待つ」― 第6回…GHQ検閲と文学(1)―中野重治「五勺の酒」― 第7回…GHQ検閲と文学(2)―坂口安吾「戦争と一人の女」― 第8回…GHQ検閲と文学(3)―美川きよ「あの日のこと」― 第9回…ワイセツと文学(1)―伊藤整訳『チャタレイ夫人の恋人』― 第10回…ワイセツと文学(2)―澁澤龍彦訳『悪徳の栄え』― 第11回…イデオロギーと文学 ―深沢七郎「風流夢譚」― 第12回…プライバシーと文学(1)―三島由紀夫『宴のあと』― 第13回…プライバシーと文学(2)―柳美里「石に泳ぐ魚」― 第14回…差別表現と文学 ―筒井康隆「無人警察」― 第15回…全体のまとめ 第16回…期末レポート |
事前・事後学修の内容 | 毎回の授業時に予習課題を提示する。 |
事前学修の時間:120分/回 事後学修の時間:120分/回 |