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科目の基本情報

開講年度 2024 年度
開講区分 人文学部法律経済学科
受講対象学生
学部(学士課程) : 3年次
選択・必修
授業科目名 計量経済学演習
けいりょうけいざいがくえんしゅう
Independent Study in Econometrics
単位数 4 単位
ナンバリングコード
humn-laec3240-018
開放科目 非開放科目    
開講学期

通年

開講時間 月曜日 7, 8時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所

担当教員 嶋恵一

Keiichi Shima

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要  経済学は、企業や人間の行動を数学的な理論を用いて解明することを使命とします。他方、計量経済学の使命は、数理統計学を応用し、その理論上の解を実際のデータを用いて分析することだといえます。例えば、ファイナンスは企業や人の行動を金融面から分析する研究分野で、その行動を数学的に理論付け、解の特徴からその行動の合理性を吟味します。その理論上の解が妥当かを観察されるデータにより判定することを実証研究と呼びます。それが計量経済学の研究分野になります。
 大多数の人々にとって、データは冗長な数字の集まりに過ぎませんが、その冗長な数字の中に埋もれている真実を発掘することに実証研究の醍醐味があります。実証研究を行う際、データの特徴を探る上でどのような統計分析法が適切か、またどのような推測方法や検証基準を用いるべきか、その数学的な拠り所として数理統計学を土台とします。専門演習では数理統計学の修得を義務付け、その土台の上でファイナンス系のデータを用いた実証研究を行います。
学修の目的 計量経済学、数理統計学を応用し、ファイナンス系のミクロデータを用いた実証研究に精通すること
学修の到達目標 時系列、クロスセクションデータを用いた実証研究に精通すること
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○法律・政治・経済・経営の諸分野において、専門的知識と豊かな教養を身につけている。
 現代社会・地域社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
 法律・政治・経済・経営の諸分野を広く学び、学際的視点で問題を探究できる。
 現代社会・地域社会の課題に挑戦する積極性を備える。
 自ら学んだ知を的確に発信し、国際社会と地域社会の一員という自覚をもち、その発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  •  主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準  3年次演習では実証研究を行い、その研究結果を卒業研究として執筆するため、その作業により成績評価を行います。
 ただし、以上に関する十分な成果が見られない場合、研究に対する努力と報告とに基づき筆記試験を行い評価します。筆記試験は数学を用います。60点以上に対して単位認定します。数学を不得意とする学生は留年する可能性が高いので、受講をお勧めできません。
授業の方法 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

英語を用いた教育

教員と学生、学生相互のやり取りの一部が英語で進められる授業
教員と学生のやり取りは日本語でも、英語による論文や教材の講読を含んだ授業
授業アンケート結果を受けての改善点
教科書  2年次の演習所属決定後、確率統計と金融工学に関する次の書籍から選び購入し、3年次の演習開始まで予習を行います:
[1] 統計学入門、1992、稲垣宣生、山根芳知、吉田光雄、裳華房
[2] やさしく学べる統計学、2006、石村園子、共立出版
[3] 確率・統計新装版、2019、薩摩順吉、岩波書店
[4] 金融工学入門第2版、2015、D.G.ルーエンバーガー(今野、鈴木、枇々木訳)、日本経済新聞出版
 演習開始後は、株式市場の異常価格に関する論文を幾つか読み、実証研究の基礎を習得します:
[1] Hong, Harrison, & Stein, J.C., 2007, Disagreement and the Stock Market. Journal of Economic Perspectives, 21 (2): 109-128.
https://www.aeaweb.org/articles/pdf/doi/10.1257/jep.21.2.109
[2] Chan, L. K., Jegadeesh, N., & Lakonishok, J., 1996, Momentum strategies. The Journal of Finance, 51(5), 1681-1713.
https://doi.org/10.1111/j.1540-6261.1996.tb05222.x
[3] Liu, C., & Lee, Y. 2001, Does the Momentum Strategy Work Universally? Evidence from the Japanese Stock Market. Asia-Pacific Financial Markets 8, 321–339.
https://doi.org/10.1023/A:1020691528681
参考書 実証分析を行う際、次を参考にします:
A. 計量経済学のテクニック:
[1] W.Greene, Econometric Analysis 8th, Pearson
http://people.stern.nyu.edu/wgreene/Text/econometricanalysis.htm
[2] J.H.Stock & M.W.Watson, 2019, Introduction to Econometrics, 4E, Pearson
https://scholar.harvard.edu/stock/pages/introduction-econometrics
B. ソフトウェアマニュアル:
[3] Elinor Jones, Simon Harden, Michael J. Crawley, 2022, The R Book, Third Edition
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epub/10.1002/9781119634461
オフィスアワー Walk-in に関しては研究室で随時行います:電子メールによる予約可
受講要件 計量経済学を履修済みであることを前提に専門演習を行います。演習所属の確定後、2年次において数理統計学の教科書を指定し、独習を義務付けます。
予め履修が望ましい科目 教養教育(教養統合科目、現代科学理解)の次の二科目:
数理科学H(やさしい統計学)
数理科学E(組み合わせ論・確率)
発展科目
その他

授業計画

MoodleのコースURL https://moodle.mie-u.ac.jp/moodle35/course/view.php?id=13358
キーワード データ分析、統計推論、仮説検定、回帰分析、質的選択、ファイナンス
Key Word(s) data analysis, statistical inference, hypothesis testing, regression, binary choice, finance
学修内容  2年前期、演習決定後に統計学の自習に関する課題を与えます。2年次末までに統計学と計量経済学の基礎を自習により修得し、3年次から研究を開始します。研究内容はこちらから指定し、上場企業の株式価格形成の合理性と異常性に関する実証分析を行います。次の通り、理系のやり方で専門演習を進めます。
 3年前期では英語の先行研究論文を読み、報告してもらい、前提理論を踏まえます。以下は論文の一例です:
[1] Hong, Harrison, & Stein, J.C., 2007, Disagreement and the Stock Market. Journal of Economic Perspectives, 21 (2): 109-128.
https://www.aeaweb.org/articles/pdf/doi/10.1257/jep.21.2.109
[2] Chan, L. K., Jegadeesh, N., & Lakonishok, J., 1996, Momentum strategies. The Journal of Finance, 51(5), 1681-1713.
https://doi.org/10.1111/j.1540-6261.1996.tb05222.x
[3] Liu, C., & Lee, Y. 2001, Does the Momentum Strategy Work Universally? Evidence from the Japanese Stock Market. Asia-Pacific Financial Markets 8, 321–339.
https://doi.org/10.1023/A:1020691528681
 その後、実証研究に必要なデータの収集と加工処理を行います。研究には日次、月次の株価データと企業財務データとを用います:
株価データ(「バフェットコード」「YahooFinance!USA」を利用)
https://www.buffett-code.com/
https://finance.yahoo.com/
企業財務データ(「IRbank」並びに「決算プロ」を利用)
https://irbank.net/
http://ke.kabupro.jp/
 以上の準備を前期で終え、夏季休暇には計量経済分析のソフトウェアを用いて、実証研究を行います。3年後期には分析結果に基づき卒業研究論文を書きます。
事前・事後学修の内容  上述の通り、2年前期、演習決定後に統計学の自習に関する課題を与えます。2年次末までに数理統計学と計量経済学の基礎を事前学修し、3年次から研究を開始します。
 3年前期では上記の論文を読み、前提理論を踏まえた後に、実証研究に必要なデータの収集と加工処理を行います。夏季休暇には計量経済分析のソフトウェアを用いて、統計学に基づく分析を行います。3年後期には分析結果に基づき卒業研究論文を書きます。すべて、その大半は講義外の学修です。
事前学修の時間:120分/回    事後学修の時間:120分/回

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