三重大学ウェブシラバス


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科目の基本情報

開講年度 2024 年度
開講区分 工学部機械工学科/総合工学科機械工学コース ・専門教育
受講対象学生 学部(学士課程) : 3年次
工学部総合工学科機械工学コース
選択・必修 必修
学科必修
授業科目名 機械設計製図Ⅰ
きかいせっけいせいずⅠ
Machine Design and Drawing I
単位数 1 単位
ナンバリングコード
EN-COMN-3
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 水曜日 5, 6, 7時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所

担当教員 吉川 高正(工学研究科機械工学専攻)

YOSHIKAWA, Takamasa

実務経験のある教員 吉川 高正:硝子メーカーで製造・加工装置の設計及び生産技術開発を担当.業務における設計から製図の流れを例示しつつ,機械装置の機能設計,強度設計,材料選択及び製図の要点について説明する.

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 機械を設計する場合には,(1)使用目的を満足する機構の想定,(2)機構を実現する各部品の形状や寸法および材料の決定,(3)実際の機械製作に関する加工法の選択を行い,(4)以上の決定事項に基づいて設計書と製図を作成する.(1)~(3)の項目は,要求される機能が実現されるだけでなく,その機械の使用条件や経済性といった制約条件を満たしうるように検討されることが必要である.機械設計は,基礎的な専門知識を実践的に扱える技能と,相互に関連し合う(1)~(3)および制約条件を包括的に吟味できるセンスが要求される.本講義では,簡単で基本的な機構の手動ウインチを例に取り,そのシステムを理解し,与えられた仕様に対して自分自身で設計・製図することにより,機械設計の基礎を体得し,かつそのセンスを養うことを目的とする.
これらの知識やスキルはCAD等の表現ツール修得のための前提となる基礎力であり,幅広い業種の企業やコミュニティにおいてエンジニアとして活躍するために必須となるものである.
学修の目的 機械設計の基本となる強度設計を主眼として,機械の設計・製図の基礎的な一連の工程を実技を通じて身に付ける.
学修の到達目標 簡単で基本的な機構を持つ機械である手動ウインチを例に取り,設計書および組図・部品図の製図作製までの一連の作業が実現できるようになる.歯車機構や差動ブレーキ機構といった基本的な機構の設計ができるようになる.負荷条件が変化する機構部品(主に軸)に対して,材料力学に基づき,強度的に安全な設計ができるようになる.実用性や経済性を加味して,機械設計における実現可能性について意識できるようになる.また,製図を通じて,加工方法や表面粗度,はめあいといった設計項目を理解できるようになる.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
 個性に輝く技術者となるために、自らの短所を補い、長所を伸ばそうとする意欲と姿勢を持っている。【関心・意欲】【態度】
 社会性・国際性・倫理観:社会的・国際的に広い視野、先見性、倫理観を持つために、科学技術の果たす歴史的・社会的役割を理解している。【態度】
○コミュニケーション能力:自らの考えを日本語や英語で科学的・論理的に説明し、コミュニケーションすることができる。【技能・表現】
○工学基礎:工学の礎となる数学、自然科学、情報技術に関する基礎知識を持っており、これを使って議論できる。【知識・理解】
○機械工学専門:材料と構造、運動と振動、エネルギーと流れ、情報と計測・制御、設計と生産、機械とシステムなどの機械工学の主要専門分野に関する基礎知識を持ち、これを応用することができる。【知識・理解】
○デザイン能力・創造性:社会の要求をとらえたモノづくりのための創造力と設計技術の基礎を修得している。【思考・判断】
○実践的能力:機械の専門分野とともに、産業の環境負荷や生態系への影響、環境と人間に調和する機械の知能化など、環境-人間-機械の関係を総体的にとらえて、科学技術を応用することができる。【思考・判断】
○自主性:地球の将来を見据えて、自ら課題を設定し、計画・実行することができる。【関心・意欲】

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  •  表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

設計書課題・製図課題は詳細に採点され,修正を通じた合格が必要です.moodleによる基礎知識の確認小テストを含め,実際のエンジニアリング業務におけるプロセスのシミュレーションですので,いずれの課題についても手を抜かず,根気よくしっかりと取り組んでください.

○ JABEE 関連項目
成績評価方法と基準 評価は,設計書課題(50%),製図図面課題(50%)の総計100%をもとに行う.合計60%以上を合格とする.
設計書および製図図面について,それぞれ合格点があり,各合格点に満たない場合は課題の再提出を行う.
ただし,設計書課題の提出資格はmoodleを通じた基礎知識の確認小テストでの合格で決定される.
授業の方法 講義 実習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

Moodleを活用する授業
地域理解・地域交流の要素を加えた授業
キャリア教育の要素を加えた授業

英語を用いた教育

授業アンケート結果を受けての改善点 毎回の授業において,授業の要点についてしっかりと説明し,設計のフローが把握しやすい板書を目指す.また,機構や原理がわかりやすいよう図示を多用する.なお,ノート作成のサポートとして,重要な図はあらかじめ資料として配布する.また,設計書を返却する際に,それぞれの設計における問題点について学生一人一人に個別に指導を与えるようにすることにより,理解度の向上をはかる.
教科書
参考書 機械設計製図テキスト 手巻ウィンチ(長町拓夫著,コロナ社)
JISに基づく機械設計製図便覧(大西清著,理工学社)
新編JIS機械製図(吉澤武男編著,森北出版)
オフィスアワー 水曜日18:00~19:00に,工学部2号館2207室吉川教員室にて対応.
受講要件
予め履修が望ましい科目 機械製図に関連するJIS規格の基本,および図面の理解と製図の作成のために「機械設計及び製図基礎」の十分な修得を要する.
また,強度計算のために「材料力学」および「力学・材料力学演習(材料力学分野)」の習熟を要する.
発展科目 3年生後期に開講される「機械設計製図Ⅱ」において,熱エネルギー変換機器としてのディーゼルエンジンの設計を行う.
強度設計における力学的根拠の理解のために同時期に開講される「連続体力学」,また相乗的に理解を促すために「機械設計」を履修することが望ましい.
その他 各回の事前,事後および演習・実習時間は目安です.この科目に関連する他の科目や知識およびスキルの履修生各自の習熟,修得状況に応じて変動します.設計書と製図の提出期限は厳守としますので,履修生は各自の知識やスキルを十分鑑みて事前・事後,演習・実習時間を調整してください.なお,提出された設計書と製図が再提出になった場合の時間は含めていません.

授業計画

各回
共通
MoodleのコースURL https://moodle.mie-u.ac.jp/moodle35/course/view.php?id=4500
第1回 概要 機械設計の考え方
参考資料および予定表等の配布
授業時間内の学修内容 講義形式: スライド
講義内容
(1)機械設計製図の意義と本講義の目標
(2)手巻きウィンチの構造と基本仕様の決定
キーワード(Key Word(s)) 設計(mechanical design),製図(drafting, drawing),機構(mechanism),強度(strength),経済性(economics, cost),法規(regulations),手巻きウィンチ(winch),仕様(specifications),部品(mechanical parts),トルク(torque)
事前学修の内容
事前学修の時間
事後学修の内容 (1)配布された参考資料について,「はじめに」と「設計課題」について熟読して理解する。
(2)配布された参考資料にある項目(「1・1ワイヤロープ」など)を確認しておく。
(3)配布された予定表をスケジュール帳などに記載しておく。
事後学修の時間 60分
自由記述欄
第2回 概要 ウインチ構成要素の設計Ⅰ(ワイヤロープ,巻胴)
授業時間内の学修内容 講義形式:板書(スライドを併用)
講義内容:
ワイヤーロープの選定方法
巻胴の設計内容
巻胴設計(1)
キーワード(Key Word(s)) ワイヤロープ(wire rope),切断荷重(breaking load),安全係数(safety factor),巻胴(drum)
事前学修の内容 配布資料1・1,1・2を熟読しておく。
事前学修の時間 30分
事後学修の内容 講義内容に照らして,配布資料1・1の[課題の計算]について設計のフローを理解し,条件を変更して計算できるようにする。
事後学修の時間 60分
自由記述欄
第3回 概要 ウインチ構成要素の設計Ⅱ(巻胴,歯車装置)
授業時間内の学修内容 講義形式:板書(スライドを併用)
講義内容:
巻胴設計(2)
歯車装置の役割と設計方法
キーワード(Key Word(s)) 巻胴(drum),歯車(gear),歯車装置(geared system),歯数比(gear ratio),円ピッチ(circular pitch)
事前学修の内容 配布資料1・3を熟読し,理解しておく。
事前学修の時間 30分
事後学修の内容 講義内容に照らして,配布資料1・2の[課題の計算]について,条件を変更して計算する。
歯車装置の形状と構造を理解し,歯数比の導出が自分で行えるようにする。
事後学修の時間 60分
自由記述欄
第4回 概要 ウインチ構成要素の設計Ⅲ(歯車装置)
授業時間内の学修内容 講義形式:板書(スライドを併用)
講義内容:歯車設計の基本項目(2)
キーワード(Key Word(s)) 歯車(gear),モジュール(module),ピッチ円直径(pitch circle diameter)
事前学修の内容 材料力学における片持ちはりの曲げ応力を復習しておく。
事前学修の時間 30分
事後学修の内容 講義内容に照らして,配布資料1・3の[課題の計算]について,条件を変更して計算する。
円ピッチの計算式について,講義内容に照らして意味を理解する。
事後学修の時間 60分
自由記述欄
第5回 概要 ウインチ構成要素の設計Ⅳ(軸)
授業時間内の学修内容 講義形式:板書(スライドを併用)
講義内容:
曲げとねじりを受ける構造部品
軸の役割と設計方法
軸設計(1)
キーワード(Key Word(s)) 軸(shaft),スパン(span length),負荷条件(load condition),部品自重(weight),曲げ荷重(bending load)
事前学修の内容 配布資料1・4,1・5,1・7について熟読しておく。可能な範囲で1・10にも目を通しておく。
事前学修の時間 30分
事後学修の内容 配布資料1・4と1・5について再度熟読し,負荷条件を構造と使用条件に照らして列挙しておく。
事後学修の時間 60分
自由記述欄
第6回 概要 ウインチ構成要素の設計Ⅳ(軸)
授業時間内の学修内容 講義形式:板書(スライドを併用)
講義内容:軸設計(2)
キーワード(Key Word(s)) 歯車伝達力(gear force),曲げモーメント(bending moment),反力(reaction),トルク(torque)
事前学修の内容 材料力学における両端単純支持はりの曲げモーメントを復習しておく。
事前学修の時間 30分
事後学修の内容 配布資料1・4と1・5について再度熟読し,負荷条件を構造と使用条件に照らして列挙しておく。
講義内容に照らして,相違や共通点を判別しておく。
事後学修の時間 60分
自由記述欄
第7回 概要 ウインチ構成要素の設計Ⅴ(軸,ブレーキ装置)
授業時間内の学修内容 講義形式:板書(スライドを併用)
講義内容:
軸設計(3)
ブレーキ装置の構造と設計
各自設計課題の提示
キーワード(Key Word(s)) 延性(ductile),脆性(brittle),複合負荷(combined loading),差動ブレーキ(differential brake),ブレーキレバー(brake lever)
事前学修の内容 配布資料1・4と1・5の[課題の計算]を熟読し,問題点を明らかにしておく。
配布資料1・8を熟読しておく。
事前学修の時間 30分
事後学修の内容 配布資料をすべて(講義で説明したところ以外を含めて)熟読し、設計課題に対する設計書作成のフローを計画する。
事後学修の時間 60分
自由記述欄 各自課題仕様を提示する。
第8回 概要 設計書の作成Ⅰ
演習・実習:各自設計課題による設計書作成
授業時間内の学修内容 演習:moodleによる基礎知識の確認小テスト
実習:各自設計課題による設計書作成
キーワード(Key Word(s)) 設計書(design specification)
事前学修の内容 moodleで提示される基礎知識の確認小テストに合格してください.
第1~7回講義に基づき手巻ウィンチの設計書を作成してください.
事前学修の時間 150分
事後学修の内容
事後学修の時間
自由記述欄 moodleで提示される基礎知識の確認小テストに合格しない場合,設計書課題は受理されません.
第9回 概要 設計書の作成Ⅱ
演習・実習:各自設計課題による設計書作成
授業時間内の学修内容
キーワード(Key Word(s)) 設計書(design specification)
事前学修の内容 第1~8回講義に基づき手巻ウィンチの設計書を作成してください.
事前学修の時間 150分
事後学修の内容
事後学修の時間
自由記述欄
第10回 概要 設計書の作成Ⅲおよび設計書の提出
演習・実習:各自設計課題による設計書作成
授業時間内の学修内容
キーワード(Key Word(s)) 設計書(design specification)
事前学修の内容 第1~8回講義に基づき手巻ウィンチの設計書を作成し,提出してください.
事前学修の時間 150分
事後学修の内容
事後学修の時間
自由記述欄 提出期限・提出場所は第1回ガイダンスにおいて指定します.
なお,moodleで提示される基礎知識の確認小テストに合格しない場合,設計書課題は受理されません.
第11回 概要 設計書の返却と修正方法,製図作成の注意点
授業時間内の学修内容 講義形式:スライド
講義内容:
設計書を返却し,修正点および再提出等の判定結果を提示する。
注意すべき一般的な修正点と修正方法について講義する。
製図についての注意点を説明する。
キーワード(Key Word(s)) 設計書(design specification),製図(drafting, drawing)
事前学修の内容 2年次後期の機械設計製図基礎のテキスト(森北出版「JIS機械製図」)を復習しておく。
ねじや粗さ表記,はめあい…など基本項目すべてについて,どのページに標記されているかを確認しておく。
事前学修の時間 30分
事後学修の内容 指定された設計書の修正点について,配布参考資料を再度熟読し,修正してください.
事後学修の時間 150分
自由記述欄 設計書が適切に修正されない場合,製図課題は受理されません.
第12回 概要 組立図の製図
演習・実習:各自設計課題による設計書修正と製図作成
授業時間内の学修内容
キーワード(Key Word(s)) 製図(drafting, drawing),組立図(assembling drawing)
事前学修の内容 作成した設計書に基づいて,「機械設計及び製図基礎」で履修したスキルを用いて製図を作成してください.
事前学修の時間 150分
事後学修の内容
事後学修の時間
自由記述欄
第13回 概要 部品図の製図Ⅰ
演習・実習:各自設計課題による製図作成
授業時間内の学修内容
キーワード(Key Word(s)) 製図(drafting, drawing),部品図(part drawing)
事前学修の内容 作成した設計書に基づいて,「機械設計及び製図基礎」で履修したスキルを用いて製図を作成してください.
事前学修の時間 150分
事後学修の内容
事後学修の時間
自由記述欄
第14回 概要 部品図の製図Ⅱ
演習・実習:各自設計課題による製図作成
授業時間内の学修内容
キーワード(Key Word(s)) 製図(drafting, drawing),部品図(part drawing)
事前学修の内容 作成した設計書に基づいて,「機械設計及び製図基礎」で履修したスキルを用いて製図を作成してください.
事前学修の時間 150分
事後学修の内容
事後学修の時間
自由記述欄
第15回 概要 部品図の製図Ⅲと提出
演習・実習:各自設計課題による製図作成
授業時間内の学修内容
キーワード(Key Word(s)) 製図(drafting, drawing),部品図(part drawing)
事前学修の内容 作成した設計書に基づいて,「機械設計及び製図基礎」で履修したスキルを用いて製図を作成し,提出してください.
事前学修の時間 150分
事後学修の内容 製図の合否を確認の上,再提出者は指摘事項に関して製図および最終設計書を修正してください.
事後学修の時間
自由記述欄 提出期限・提出場所,再提出の指示については第11回ガイダンスにおいて指定します.
第16回 概要 最終設計書・製図課題の修正
演習・実習:各自設計課題による製図作成
授業時間内の学修内容
キーワード(Key Word(s))
事前学修の内容 再提出を指示された場合,修正項目等,設計書と製図課題の整合性をもとに検証し,適切に修正し,担当教員の試問に答えられるようにする.
事前学修の時間 90分
事後学修の内容
事後学修の時間
自由記述欄

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