三重大学ウェブシラバス


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科目の基本情報

開講年度 2022 年度
開講区分 工学研究科(博士前期課程)創成工学教育科目
領域
受講対象学生 大学院(修士課程・博士前期課程・専門職学位課程) : 1年次, 2年次
選択・必修 選択
授業科目名 先輩から学ぶ先端科学技術
せんぱいからまなぶせんたんかがくぎじゅつ
Advanced Lecture on Frontier Technology by Graduates of Mie University
単位数 2 単位
受講対象学生
選択・必修
授業科目名
単位数 単位
ナンバリングコード
engr-comn-ENGR5301
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期

開講時間 木曜日 5, 6, 7, 8時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所

担当教員 中村彰吾、阪下敬一、髙橋俊之、佐藤幸喜、薗田享志、都竹広幸、大田文夫、出口達也

NAKAMURA Shogo, SAKASHITA Keiichi, TAKAHASHI Toshiyuki, SATO Koki, SONODA Takashi, TSUZUKU Hiroyuki and DEGUCHI Tatsuya

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 三重大学工学部を卒業し、社会人として、技術者として成功を収めた先輩から直接その専門分野及びキャリア形成について聞く。
学修の目的 ①自信の進路を深く考えるきっかけにする。
②技術系社会人として生きていくための覚悟を持つ。
学修の到達目標 ①企業、企業活動、社員(技術者)として求められることを知る。
②技術者として大事なことを知る。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  •  専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

○ JABEE 関連項目
成績評価方法と基準 出席,講義への参加の積極性,レポート。
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

英語を用いた教育

授業改善の工夫 各講義毎にアンケートを取り,その結果を次回以降,翌年度の講義に反映します。
教科書
参考書
オフィスアワー 講義終了後、講師と約20分程の質疑応答を含む交流時間を持つ。
受講要件 特になし
予め履修が望ましい科目 特になし
発展科目 各専攻専門教育科目
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 先端科学技術、キャリア形成、卒業生
Key Word(s) Frontier science and technology, Career design and Graduate
学修内容 1.地球を救う水力エネルギー:60年を経て再び水力の時代に
 60年前の昭和30年代は日本の電力が不足し、水力発電所がエネルギーの主役として精力的に建設された。その後、火力、原子力が電力供給の主流を担うようになり、水力の国内の自給率は1割まで減少している。新しい水力を建設できる地点の減少に加え、大規模ダムは地球環境を破壊すると世界的に非難される冬の時代が到来する。しかし、その後時代は急変。1997年の京都会議で地球温暖化問題が真剣に議論され、異常気象を解決する有力手段として水力が再び脚光を浴びて20年が経過した。
 この講義では古くて新しい水力発電の現状と、今後期待される新技術について解説する。また、世界の6割以上を占める海外のメーカーと日本の大手メーカーの比較を解説するとともに、世界で通用する日本発信の技術について解説する。
中村 彰吾 第8期機械工学科、第3期機械工学専攻 富士・フォイトハイドロ㈱ 元取締役副社長、現技師長

2.新製品開発~商品化までのプロセスと、技術屋として知っておきたい会社の銭勘定
 前半は、技術部門の中間管理職として実際に行ったセラミック新製品(自動車排気系)の開発~事業化についてお話します。対象製品は当初の売上が月に約数百万円と小さな事業であり、会社からのリソースはあまりかけてもらえず、様々な事を自分達のチーム内で実施せざるを得ませんでした。開発のきっかけから始まり、製品の構想設計、市場調査、試作、コスト設計、機能評価、信頼性評価、特許出願、顧客へのPR、顧客の評価、認定採用、量産工程設計、量産の立上げ、工程能力評価、コストレビュー、生産部門への引き渡し、販売開始、そして米国SAEインターナショナル(自動車技術会)での発表まで。といった項目を約2年間で実施しました。この間の技術屋の仕事内容を紹介し、新製品が世の中に出るまでのプロセスを聞いて頂きたいと思います。
 後半は、技術屋といえども最低限知っておきたい会社の銭勘定、即ち企業会計のポイントについて、具体的な各会社の公開資料を基に分かり易く説明したいと思います。今後の皆さんの就職先選定の一助にして頂きたいと思います。
阪下 敬一 第9期資源科学科 イビデン㈱ 取締役監査等委員

3.キャリアのマネジメント
 大学を卒業した人たちは高い専門性を持って社会人としての人生を歩み始める。しかし、専門知識・技術だけでは社会人として成長し充実した日々を送ることはできない。 
 複数の日米の企業で働いてきた自身の経験を基に決定的に重要だと考える「キャリアマネージメント」あるいはセルフプロデュース」について私見を述べる。
高橋 俊之 第4期電気工学科 Kamakura Bakery 鎌倉利々庵 店主、元インテル取締役

4.科学技術の大変革時代に、エンジニアを目指すが学生に期待したい事
先端科学技術と言う講義のタイトルではありますが、各企業が産学連携で進めている諸研究を見ても、大学生の皆様が教授の元で進める研究の方が、一企業の技術開発より先端を行っていると思います。ただ、団体の目的の違いにより、われわれは事業性と言う観点を考慮しなければなりません。今回の講義では、我々が技術開発をどのように事業に結びつけているのかについて、東海理化の開発事例をもとにご説明をしていきたいと思います。
 まず、事業化できる技術開発の中で最も分かりやすいのは社会課題解決型であるケースです。自動車の衝突安全・予防安全という社会課題や、自動車の盗難防止という社会課題を解決する為に、技術を進化させてきた歴史について説明します。
 次に、より便利あるいは快適にする技術、これは色々なアイデアがあるわけですが、その中で継続性のある事業になりうる技術に仕上げていくケースです。それが受け入れやすいコストである事は勿論ですが、誰もが安心・安全に使える品質である事が、事業の継続性という点では重要な要件になります。車室内の人間工学という観点から、弊社の各種スイッチに代表される入力装置の進化の歴史を説明します。
 自動車業界は、CASE(Connected, Autonomous, Shared, Electric)という言葉に代表される様に、100年に一度の大変革を迎えています。又、自動車に限らず、例えば皆さんがお持ちの携帯電話は、小型化技術・情報処理技術・通信技術・ディスプレイ技術・静電や音声による入力技術、加えてインフラの整備等、各種技術が集約しながら画期的な進化を遂げ、その異常とも言える普及スピードが我々の生活を大きく変えようとしています。技術変革の小さい時代には大企業の強みが発揮しやすかった。すでに先輩たちが築いた製品基盤を武器に、技術を進化させさせ続ければ競争力を維持できたからです。しかし、科学技術が大変革している今こそ、中小企業の社長ように常に危機感と責任感を持って、自ら行動するエンジニアが、企業規模に関わらず求められている人材です。エンジニアにとって、自らの夢を社会の中で事業として実現できるチャンスであるという事を、講義の中で感じ取って頂ければ幸いです。
佐藤 幸喜 第10期工業化学科 ㈱東海理化 副社長

5.企業経営の醍醐味 ~サラリーマン社長として、国内・海外で20年間社長業を務めて思うこと~
 工学部機械工学科を卒業し、国内外で活躍できるエンジニアを目指して、ガス機器メーカーであるリンナイに入社。ひたすら生産技術力を磨くことに専念したが、結果的には「ジェネラルマネージャー」としての業務を任されることが多く、気がついてみれば国内外の子会社の責任者として長年に亘る経験を積むことになった。事業規模は200億円前後で、いずれもその分野ではトップシェアを持つ企業。「企業は人なり」企業に働く人々の日々の苦悩と喜びに寄り添いながら、その企業で新しい分野に挑戦することによる失敗と成功の醍醐味を味合うことができた。
 将来に大きな夢を持つ学生諸君の参考になればと自分の経験を振り返る。
薗田 享志 第5期機械工学科 元リンナイアメリカ㈱副社長

6.エンジン技術の進化の歩みと新たなモビリティ社会の行方!?
 日本のエンジン技術は、「FUNと環境性の両立」という課題を通して大きく進化し、世界をリードしてきた。ヤマハ発動機における二輪エンジン開発の事例をベースに、自動車エンジンとの比較をおこないながら、その進化の歩みを紹介する。
 一方、近年ではCASEと呼ばれる新しい技術領域での技術革新や脱炭素化という大きな潮流の中で、二輪/自動車業界は大変革の時代に突入したといわれる。その社会背景や新たなモビリティ社会の実現に向けた取組概要に関しても紹介する。
都竹 広幸 第9期機械工学科 ヤマハ発動機㈱ 技術研究本部

7.電力の自由化と私
 電力は生活、経済活動に欠かせない重要なインフラです。
 電力の地域独占から2000年以降の自由化の中で国が何を思い、電力会社が何を考え現状の電力供給システムとなったか正解のない解を少しでもわかりやすく説明します。
 電力事業における火力マンとして地域独占⇒自由化の中で私が何を考えどう処してきたか、これから社会人となられる学生さんのこれからに少しでも参考になれば幸いです。
大田 文夫 第8期電子工学科 ㈱テクノ中部 取締役

8.半導体製造とエンジニアの考え方
 電気工学科を卒業後 大型コンピュータ向け半導体開発エンジニアから経験を積んで工場運営を担当しています。半導体業界と言っても幅広い分野から成り立っています。また この業界特有の技術的変化や国際政治的情勢からの影響などの概要的な話と私自身が経験している半導体製造を中心に下記3点について話します。
1)半導体業界の状況 2)半導体市場の概要 3)エンジニアに必要な考え方
聴講される皆さんの多くが今後、産業界に就職するので 半導体への知識を広げる機会になればと考えています。
出口達也 第12期電気工学科 ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン㈱ 取締役
事前・事後学修の内容 講義で聞いた話を就職先を考える際、社会人として生き方を考える際に役に立てるために事後にゆっくりと時間を考える時間を取ってください。
事前学修の時間:60分/回    事後学修の時間:380分/回

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