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科目の基本情報

開講年度 2019 年度
開講区分 人文学部法律経済学科・社会科学科
受講対象学生 法律経済学科専用
学部(学士課程) : 3年次
選択・必修
授業科目名 憲法演習
けんぽうえんしゅう
Constitutional Law
単位数 4 単位
ナンバリングコード
HU-PULA-3

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※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。

開放科目 非開放科目    
開講学期

通年

開講時間 金曜日 9, 10時限
開講場所

担当教員 内野 広大

UCHINO, Kodai

学修の目的と方法

授業の概要  本演習では、複数の憲法判例をとりあげ、演習参加者が当該事件においてその当事者や法律家に成り切ることを通じて、職人のように、自らモノサシ(ルール)を作り、しかもそれを巧みに用いることのできる技術を身につけることを目標とします。演習形式はおおよそ次のとおりで、グループを結成して進めていきます。
 参加者は、前期では、「私人側弁護士」あるいは「国側弁護士(検察官)」としての役割を担います。①憲法学の基本的な知識を習得すること、②首尾一貫した主張を述べることができるようになることを目標とします。
 後期では、上記の役割に加え、「裁判官」としての役割も担います。①相手の主張の構造を的確に理解し論点を整理できるようになること、②物事を多面的に見ることができるようになること、そして③相手の主張に謙虚に耳を傾けつつ、自他の異なる見解間を調整することを通じて説得力ある主張を形作ることができるようになることを目標とします。
 当事者や法律家が常ならぬ具体的現実の只中にあって当面することを余儀なくさせられる苦悩と一つに成ることを通じて、職人が丹精を込めて作り上げる民藝品のような、手作り感のあるモノサシを共に作り出すとともに、自他を共に活かす秩序を共に模索していきましょう。
学修の目的  憲法判例につき自他との対話を通じて説得力ある主張を述べる技術を身につける。
学修の到達目標 ① 講義で教示される抽象的な知識が、具体的な実例の中でどのように働いているのかを実感することができる。
② 憲法と、それ以外の法分野の法とが具体的な訴訟の中でどのように結び合っているのかを知ることができる。
③ 論点を整理し、物事を多面的に見た上で、自他の異なる見解間を調整することにより、説得力ある主張を述べることができる。
④ 具体的実例における自他との対話を通じて、自らの立脚地の姿を見つめ直すことができる。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
 法律・政治・経済・経営の諸分野において、専門的知識と豊かな教養を身につけている。
 現代社会について、専門的知識に基づいて論理的に考え、総合的に判断できる。
 法律・政治・経済・経営の諸分野を広く学び、学際的視点で問題を探究できる。
 現代社会の課題に挑戦する積極性を備える。
 自ら学んだ知を的確に発信し、国際社会と地域社会の発展に貢献できる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  • ○共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  • ○リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  • ○社会人としての態度・倫理観

成績評価方法と基準 報告内容とゼミに対する積極的な取り組み具合に基づき評価します。
授業の方法 演習

授業の特徴

PBL

特色ある教育

グループ学習の要素を加えた授業

英語を用いた教育

授業改善の工夫 参加者との日々の対話の中で改善点を探ります。
教科書 伊藤正己『憲法入門〔第4版補訂版〕』(有斐閣、2006年)
木山泰嗣『新・センスのよい法律文章の書き方』(中央経済社、2018年)
参考書 戸松秀典・初宿正典『憲法判例〔第8版〕』(有斐閣、2018年)
オフィスアワー 毎週火曜日10:30~12:00としますが、柔軟に対処いたします。指定時間外は予約をしていただければ確実に応対できます。
受講要件 ① 中学生でも一読してすぐわかるような明晰な文章を書く作法をあらかじめ身につけておきましょう。木山㤗嗣『弁護士が書いた究極の文章術』(法学書院、2009年)という本を参考にされるとよいかと思います。
② あなたが興味関心をもった事柄について、なぜ興味関心をもったのかを自分との対話を通じて発見してみましょう。
予め履修が望ましい科目 人文学部で開講されている憲法関連以外の科目
発展科目
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 法の支配 自己 憲法上の権利 統治機構
Key Word(s) Rule of Law, Self, Constitutional Rights, Government
学修内容  一年を通した流れとしては、前期に「憲法上の権利」に関する憲法判例を検討し、後期に「統治機構」に関する憲法判例を検討する予定です(参加者の問題関心によります)。また、前期には『学生論集』執筆のための検討会を実施し、後期には卒業論文のテーマについての報告会も実施する予定です。重要な最高裁判例を3つほど選定しますが、参加者の問題関心等を踏まえ、開講直前に判例を指定する予定です。

〇 前期――憲法上の権利に関する最高裁判例の検討
第1回~第8回  最高裁判例①
第9回~第13回  最高裁判例②
第14回~第15回 学生論集の準備

〇 後期――統治機構に関する最高裁判例の検討
第1回~第6回  学生論集
第7回~第12回  最高裁判例③
第13回~第15回 卒業論文報告会
事前・事後学修の内容  何気ない日常の中に常ならぬ具体的現実が露わになるとき、私たちは、それまで知らず知らずのうちに囚われてきた出来合いのモノサシに盲従することにどこか違和感を抱いたり、そうした出来合いのモノサシではとても歯が立たないことを思い知らされたりすることがあります。憲法上の権利が侵害されているといわれる状況はその典型であるといえるでしょう。そうした事態に遭遇したとき、一旦アタマを冷やして立ち止まり、自他の底から響いてくる「声なきものの声」に耳をじっと傾け、出来合いのモノサシの「いわれ」や「用い方」を省みようとすることが何よりも大切なのではないでしょうか。

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