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科目の基本情報

開講年度 2018 年度
開講区分 教養教育・教養統合科目・地域理解・日本理解
受講対象学生 学部(学士課程) : 1年次, 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
選択・必修 選択
授業科目名 PBL政治学(地域・日本)
ぴびーえるせいじがく
PBL Political Science
授業テーマ 国際政治学の解体新書
単位数 2 単位
分野 社会 (2014年度(平成26年度)以前入学生対象)
開放科目 非開放科目
市民開放授業 市民開放授業ではない
開講学期

前期

開講時間 木曜日 3, 4時限
開講場所

担当教員 中谷 直司(教養教育機構)

NAKATANI, Tadashi

学習の目的と方法

授業の概要  学問の役割には色々ありますが、その1つが常識とは違う見方で世の中を理解することです。たとえば国際政治を論じることは文字通り誰にでも出来ます。しかしあなたが一度国際政治学の考え方を身に付けると、もはや常識だけで考えていた状態には後戻りできません。それほど学問の「ものの見方」とは強力なのです。
 こうした見方をとりあえず知るには、2つの方法があります。
 1つは少なくとも15回にわたって講義を聞くことです(私もそうした講義を担当しています)。効率的ですが、しかし退屈かもしれません。さらにその後本を読んだり友達と議論したりして能動的に学習しないと、ほとんどの内容を忘れてしまうでしょう(私も、大学時代の講義内容そのものは1つも覚えていません。誇張ではありません)。
 もう一つの方法は、自ら国際政治学の考え方を「発見」することです。そのための授業がこのPBL政治学(国際政治と日本外交)です。具体的には、学期中にグループワークを通じて、国際政治学や日本外交の専門論文を2本読みます。その上で、各論文の新奇性を説明するプレゼンテーションを作成・実施します。もう少し簡単にいうと、その論文が国際政治や日本外交の「ものの見方」をどう変えたのかを、その論文を読んでいない学生に説明する方法を考えてもらいます。はっきりいって学習の仕方としては非効率です。失敗や思い違い、遠回りもたくさんするでしょう。しかし、その結果身に付けた「ものの見方」を、あなたは一生涯忘れないはずです。そのために、他の学生と力をあわせて国際政治学の『解体新書』を書いてみませんか。
学習の目的  大学は勉強するところではなく(実際にはするのですが)、研究するところと聞いたことがないでしょうか。ではあなたの勉強が「研究」と呼ばれるためには、何が必要でしょうか。それは「新奇性」(novelty)です。ひらたくいうと、人類レベルでこれまで誰もたどり着けなかったアイディアや事実、法則などを提示することです。しかもそれが世の中を変えるためには、説得的に示す必要があります(それまで誰も思いつかなかったアイディアをです!)。
 しかし本授業では、みなさんの勉強に「新奇性」を要求することはありません。その詳しい理由は授業で説明しますが、「人類レベルで」といったようにとても難しいからです。なお、少しだけ誇張を交えて言うと、私を含めて、みなさんの講義を担当している研究者のほとんどは、この目標達成に失敗します(少なくとも自分が期待したようにはできない)。
 よって本授業の目的は、以上の困難な課題達成に一応は成功した(これだけでも凄いことです!)研究論文を、教員の手助けと学生同士の協働の下で実際に読み、理解し、そして他人に説明することです。そうすることで、そもそも学問の「新奇性」とは何かを体験的に把握します。その結果得られる理解は社会科学をはじめとした、あらゆる分野の研究に応用可能です。結果、卒業年次になってから勉強と研究の違いに突然ショックを受けることはなくなるでしょう。卒論や卒研、あるいは就職活動や就職後にも必要なプレゼンテーション能力も早くから鍛えられます。その上で、「授業の概要」で述べたように、国際政治学/日本外交分析についてのあなたの「教養」を、その後アップデートしながら一生涯使える頑健なものしましょう!
学習の到達目標  あなたが実際に読んだ論文が扱っているテーマを中心に:
・国際政治学・日本外交分析の基本的な「ものの見方」を理解する。(C評定)
・国際政治学・日本外交分析の成果(新たな知見)について、説明できるようになる。(B評定)
・国際政治学・日本外交分析の課題(まだ明らかにできていないこと)を説明できるようになる。(A評定)
 なお、本授業をはじめとするPBL授業では、A評定が得られる程度の努力をすると、付随的に次の3つの能力が向上することを狙っています:(1)多様な視点から批判的に論理を組み立てる思考力、(2)全体観に基づく計画力と実践力、(3)自分の実力と行動を冷静に分析して社会の中で自分を生かす社会性。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  •  倫理観
  • ○モチベーション
  • ○主体的学習力
  •  心身の健康に対する意識
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的思考力
  • ○課題探求力
  • ○問題解決力
  • ○批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○情報受発信力
  • ○討論・対話力
  • ○指導力・協調性
  •  社会人としての態度
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○感じる力、考える力、コミュニケーション力を総合した力

授業の方法 演習

授業の特徴 PBL Moodle

教科書 指定しない。
参考書 初回にリストを配付する。
成績評価方法と基準 個人得点50%、グループ得点50%
【個人得点】
①グループワークへの貢献度(司会、書記、タイムキーパー、あるいはプレゼンでの活躍など)
 *一部ピア評価(学生間評価)を取り入れる。
②研究ノートの提出回数/内容(クオリティ)
③第1回および第2回報告会で質問した数

【グループ得点】
①プレゼンテーションの完成度(論理性・わかりやすさ、独創性;時間管理)
 *一部ピア評価(学生間評価)を取り入れる。
②第2回報告会で質問された数
③第1回報告会で代表に選ばれる
 *選ばれた場合、AA評価にぐっと近づく。ただし選ばれなくてもAA評価は可能。

***試験やレポートは課さない!!***
オフィスアワー 第4週を除く毎週水曜日15:30~16:30、総合研究棟Ⅱ314-1
ただし会議・出張等で不在あり。その他の曜日・時間はメールで予約して下さい。
(出勤日:月~木)
受講要件 ・未知のものへの熱意、好奇心
・試行錯誤・遠回りを楽しむ気持ち
予め履修が望ましい科目 なし
発展科目 なし
授業改善への工夫 ・第8回に授業改善および各グループの協働改善のためのグループワークを実施する。
・コメントも随時歓迎。
その他 履修予定の学生は、第1回の授業に必ず参加して下さい。

授業計画

キーワード 国際政治学、日本外交、PBL、学問的な新奇性
Key Word(s) International Politics, Japanese Diplomacy, PBL, academic novelty
学習内容  第1回の課題文献は共通のものを使います(初回配付)。
 第2回の課題論文は候補リストを配付して、各グループごとに合議で決定します。
【1】ガイダンス──Project-Based Learningでなぜ学ぶか;
  文献検索法(図書館データーベース/CiNii, J-Stage)と基本的な参考書の紹介
【2】論文を読んでみる1──その論文のテーマは何か/キーワードは何か
【3】論文を読んでみる2──何が新しいのか1──教科書・参考書を見てみる
【4】論文を読んでみる3──何が新しいのか2──先行研究にあたってみる
【5】中間報告(各グループ7分、担当者が机を回る)
【6】第1回報告を準備する
【7】第1回プレゼンテーション(グループから代表選抜;プレゼン資料は全グループが3日前迄に提出)
【8】課題論文2の選定
【9】論文を読んでみる1──その論文のテーマは何か/キーワードは何か
【10】論文を読んでみる2──何が新しいのか1──教科書・参考書を見てみる
【11】論文を読んでみる3──何が新しいのか2──先行研究にあたってみる
【12】中間報告(各グループ7分、担当者が机を回る)
【13】最終報告を準備する
【14】第2回プレゼンテーション1(各グループ20分、2回に分けて全グループ報告)
【15】第2回プレゼンテーション2(同上)
*授業の進度や目的に合わせて、受講生と相談の上、若干変更を加える場合がある。
事前・事後学修の内容 ・【2】および【9】の前に、それぞれ課題文献に目を通し、分からない言葉や重要と思われる箇所をチェックしてくる。
・グループワークについては、最低限必要な作業が授業内できるように計画している。
ナンバリングコード(試行) LIPOLI1

※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。 ナンバリングコード一覧表はこちら


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