三重大学ウェブシラバス


シラバス表示

 シラバスの詳細な内容を表示します。

→ 閉じる(シラバスの一覧にもどる)

科目の基本情報

開講年度 2018 年度
開講区分 人文学部文化学科
受講対象学生 2011年度以前入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 アジア・オセアニアの社会B
あじあ・おせあにあのしゃかいびー
Asian and Oceanian Societies B
単位数 2 単位
受講対象学生 2012年度以降入学生用(文化)
学部(学士課程) : 2年次, 3年次, 4年次
選択・必修
授業科目名 アジア・オセアニアの社会B
あじあ・おせあにあのしゃかいびー
単位数 2 単位
他学部・他研究科からの受講
市民開放授業 市民開放授業ではない
開講学期

後期

開講時間 水曜日 3, 4時限
開講場所

担当教員 深田淳太郎

Juntaro FUKADA

学習の目的と方法

授業の概要 私たちはお金なしに生きていくことはできない。様々なモノを売り買いするための道具であるということはもちろん、私たちの世界の価値観や秩序を形作っているのが貨幣であるとも言えよう。貨幣のような存在、すなわちさまざまなモノの取引を媒介し、価値の基準のような役割を果たすものは、あらゆる社会において存在しているが、しかしその形や制度は多様である。貨幣が違えば、取引の在り方や価値秩序の仕組みも当然異なってくる。本講義では、アジア・オセアニア地域のさまざまな社会における貨幣の多様な在り様を見ることを通して、貨幣について、あるいは貨幣と社会について考えていく。
学習の目的 貨幣については、哲学・経済学・社会学・・・・・その他あらゆる学問分野で議論が積み重ねられてきている。それらの古典的な議論を紹介した上で、文化人類学における貨幣についての議論を見ていく。社会を成り立たせる一つの基点となる貨幣の多様な在り方を知ること、そしてそれらがいかに成立しているのかのメカニズムについて考える。
学習の到達目標 ・それぞれの社会の在り方によって、貨幣の意味や機能が変わっていることが分かる。
・貨幣や貨幣が表しているとされる「価値」が、人工的・構築的なものであることを理解する。
・その上で、人工的であるにもかかわらず貨幣がリアリティを持つのはなぜかについて考えることが出来る。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  • ○共感
  •  倫理観
  •  モチベーション
  • ○主体的学習力
  •  心身の健康に対する意識
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的思考力
  •  課題探求力
  •  問題解決力
  •  批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○情報受発信力
  •  討論・対話力
  •  指導力・協調性
  •  社会人としての態度
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○感じる力、考える力、コミュニケーション力を総合した力

授業の方法 講義

授業の特徴

教科書 特定の教科書は用いません。
参考文献は授業中に紹介します。
参考書 デビッド・グレーバー(2016)『債論 貨幣と暴力の5000年』(以文社)
クリス・ハン、キースハート(2017)『経済人類学』(水声社)
成績評価方法と基準 期末試験(あるいはレポート)60-70%
コメントシート30-40%
オフィスアワー ・火、水、木の昼休み~午後は研究室にいる可能性が高いです。
・確実につかまえたいときは、事前にメールでアポイントをとってください。
受講要件 前期のアジア・オセアニアの社会Aと合わせて受講することが望ましい
また木曜1限のアジア・オセアニアの民族と文化Bと合わせて受講すると、人間とお金の関係がより良く分かります。
予め履修が望ましい科目 教養の文化人類学、文化人類学概論
発展科目 アジア・オセアニアの民族と文化A、B
アジア・オセアニアの社会A
アメリカの民族と文化A、B
授業改善への工夫
その他

授業計画

キーワード 貨幣、原始貨幣、経済人類学、地域通貨
Key Word(s) money, primitive money, economic anthropology, local currency
学習内容 1.イントロダクション
2.お金の起源についてのいくつかの仮説
3.マルクスの貨幣論について
4.ジンメルの貨幣論について
5.もう一つの貨幣としての原始貨幣の「発見」
6.経済人類学における貨幣概念の相対化:ポランニーによる貨幣の定義
7.近代貨幣は原始貨幣を駆逐するか:グローバリゼーションの中の原始貨幣
8.貨幣の経済的意味と社会的意味:交換の長期/短期サイクル理論
9.法定通貨と貝殻貨幣の共存Ⅰ:パプアニューギニアの貝殻貨幣の法定通貨化
10.法定通貨と貝殻貨幣の共存Ⅱ:貝殻貨幣と市場経済はどう「馴染む」のか
11.法定通貨と貝殻貨幣の共存Ⅲ:私たちの「市場」が成立しているメカニズムにおける「貨幣」の役割
12.ハイパーインフレにおける貨幣:ジンバブエクライシスの民族誌
13.オルタナティブな貨幣システムの模索Ⅰ:「エンデの遺言」
14.オルタナティブな貨幣システムの模索Ⅱ:南フランスにおける地域通貨運動
15.まとめ
事前・事後学修の内容 講義内で指定する参考文献に可能な限り目を通すこと。
ナンバリングコード(試行) HU-ASOC2

※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。 ナンバリングコード一覧表はこちら


Copyright (c) Mie University