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科目の基本情報

開講年度 2018 年度
開講区分 教養教育・教養統合科目・国際理解・現代社会理解
受講対象学生 学部(学士課程) : 1年次, 2年次, 3年次, 4年次, 5年次, 6年次
選択・必修 選択
授業科目名 倫理学H
りんりがくえいち
Ethics H
授業テーマ 東洋の倫理思想
単位数 2 単位
分野 人文 (2014年度(平成26年度)以前入学生対象)
開放科目 非開放科目
市民開放授業 市民開放授業ではない
開講学期

前期

開講時間 金曜日 5, 6時限
開講場所

担当教員 片倉 望(人文学部)

KATAKURA, Nozomi

学習の目的と方法

授業の概要 儒家・墨家・道家・法家の順に、その倫理思想の構造と歴史的展開とを考察する。
 祖先神としての色彩の強い「帝」がその土俗性を捨象して「天」という概念に抽象化される時、その「天」から生まれたとされる人間の内部には何らかの神性が宿ると構想されることになる。孔子の時代、このような考えは、極めて素朴な信仰にすぎなかったが、やがて、この考えは統治の根拠としての本性論として展開され、体系性を備えた「性善説」や「性悪説」として光彩を放つこととなる。直接的には本性論を展開しなかった墨家や法家にあっても、この性善や性悪の枠組みが、その思想構造に反映していることを論証しつつ、漢代の董仲舒にいたる本性論の展開を見ていくことにしたい。
学習の目的 中国古代の諸子百家の思想を、その思想構造を理解した上で、思想史的に把握することを目的とする。例えば、近年、「性善説」という言葉をよく耳にするが、多くの場合、それは「この世の中に生きている人がすべて善人である」というような極めていい加減な使われ方をしている場合が多い。しかも、それを使って、「このソフトは性善説の立場で作られた」などと自己弁護をする欺瞞的人間も少なくない。しかし、「性善説」が孟子に基づく思想であり、その構造を理解すれば、そのような一見、耳に心地のよい言葉の嘘を正確に見抜くことができるようになる。
学習の到達目標 近代日本の価値を形成している概念の多くは、明治期に西欧語の翻訳語として採用された漢語に基づくものである。しかし、翻訳語として採用されたからといって、従来の意味がすべて失われるわけではなく、その結果、極めてあやふやで曖昧な近代的価値が生み出されることとなった。例えば、「自然」は現在、誰もがnatureの翻訳語であることを理解しているが、それが『老子』に由来する、どちらかといえばautoの意味に近い言葉であったことを知るものは少ないであろう。「自由」「愛」「平和」等、曖昧なままに使われ、近代的価値を付与された言葉の本来の意味を知ることを通して、現代の価値を再検討し、自らが拠って立つべき基盤を確かなものとするのが本講義の到達目標である。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○倫理観
  •  モチベーション
  •  主体的学習力
  •  心身の健康に対する意識
考える力
  • ○幅広い教養
  •  専門知識・技術
  • ○論理的思考力
  • ○課題探求力
  • ○問題解決力
  • ○批判的思考力
コミュニケーション力
  •  情報受発信力
  • ○討論・対話力
  •  指導力・協調性
  •  社会人としての態度
  •  実践外国語力
生きる力
  •  感じる力、考える力、コミュニケーション力を総合した力

授業の方法 講義

授業の特徴

教科書 適宜プリントにて配布,『中国思想史』武内義雄著(岩波全書)
参考書
成績評価方法と基準 原則とし毎回の講義での質疑応答40%,試験60%
オフィスアワー 授業の後
受講要件 なし
予め履修が望ましい科目 なし
発展科目 なし
授業改善への工夫 現在も行ってはいるが、ビデオ等の資料を活用し、学生が関心を引き出すような授業を行う。また、パワーポイント等も活用したい。
その他

授業計画

キーワード 東洋の倫理思想、中国古代の倫理思想、心身論、「自然」「愛」「道徳」
Key Word(s) nature, love, moral
学習内容 授業計画
第1回授業の進め方について  
第2回中国古代の神観念(1)    
第3回中国古代の神観念(2)  
第4回儒家の心身観(1)孔子  
第5回儒家の心身観(2)孟子
第6回儒家の心身観(3)荀子
第7回墨家の心身観(1)   
第8回墨家の心身観(2)
第9回道家の心身観(1)老子
第10回道家の心身観(2)荘子
第11回道家の心身観(3)管子
第12回法家の心身観(1)申到
第13回法家の心身観(2)韓非子
第14回先秦諸子の心身観のまとめ(1)
第15回先秦諸子の心身観のまとめ(2)
事前・事後学修の内容 授業を受ける前に、武内義雄『中国思想史』を読み、ある程度の諸子の知識を入れておくことが望ましい。また、毎回資料としてプリントを配布するので、講義の後、板書した内容と資料とを照らし合わせて、講義の内容を復習し、疑問点があれば次回の講義の際に質問するようにしてほしい。
ナンバリングコード(試行) LIETHI1

※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。 ナンバリングコード一覧表はこちら


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