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科目の基本情報

開講年度 2018 年度
開講区分 工学研究科(博士前期課程)創成工学教育科目
領域
創成工学
受講対象学生 大学院(修士課程・博士前期課程・専門職学位課程) : 1年次, 2年次
選択・必修 選択
授業科目名 機械設計製作法特論及び演習・実習
きかいせっけいせいさくほうとくろんおよびえんしゅうじっしゅう
Advanced Lecture and Seminar on the Industrial Arts
単位数 4 単位
他学部・他研究科からの受講
市民開放授業 市民開放授業ではない
開講学期

通年

開講時間 火曜日 7, 8, 9時限
開講場所

担当教員 稲葉忠司(工学研究科機械工学専攻),川上博士(工学研究科機械工学専攻),吉川高正(工学研究科機械工学専攻),中西栄徳(工学研究科機械工学専攻),尾崎仁志(工学研究科機械工学専攻)

INABA, Tadashi
KAWAKAMI, Hiroshi
YOSHIKAWA, Takamasa
NAKANISHI, Eitoku

学習の目的と方法

授業の概要 具体的な課題を設計し、実際に製作・評価することを通して、材料力学、機械設計、各種の材料加工法、機械材料学の知識が有機的に関連していることを習得する。
 具体的な課題として,本講義では、破損までの荷重が最大となるような3点曲げ荷重を受ける梁を設計する。講義では,設計に必要な材料力学,機械工作法,機械材料などの知識の確認および発展的な問題点について講述する.
 講義と並行して,演習では実際に製作する梁を設計する.実際の設計に則して、本講義では使用する材料の種類・量および使用する加工方法などについて制約を課す.工程時間割の期限を守り作業を進展させることも制約のひとつである.設計演習を通して,個別の知識の関連を理解して融合された知識として習得する.
 講義,設計演習と並行して,実習では自らが設計した梁を製作する.実習の最後に製作した梁の3点曲げ破壊実験を実施し,設計値と実験値との比較検討を通じて,実際の生産活動が包含する問題点を考察する.
学習の目的 材料力学,機械材料学,機械加工学を復習し,学部における知識の応用力が身に付く.
学習の到達目標 将来,機械技術者となるために最小限要求される設計能力を習得する.
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
○ JABEE 関連項目

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  •  倫理観
  •  モチベーション
  • ○主体的学習力
  •  心身の健康に対する意識
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  •  論理的思考力
  • ○課題探求力
  •  問題解決力
  •  批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○情報受発信力
  •  討論・対話力
  •  指導力・協調性
  •  社会人としての態度
  •  実践外国語力
生きる力
  •  感じる力、考える力、コミュニケーション力を総合した力

授業の方法 講義 演習 実習

授業の特徴 能動的要素を加えた授業

教科書 配布するプリント類および図書室の資料
参考書
成績評価方法と基準 出席60点,提出資料20点,プレゼンテーション20点
オフィスアワー 稲葉  毎週水曜日 16:20-17:50,場所 機械棟4F教員室
川上  毎週木曜日 12:00-13:00,場所 機械棟4F教員室
吉川 毎週火曜日 16:20-17:50,場所 機械棟4F教員室
中西  毎週水曜日 15:00-17:00,場所 機械棟3F教員室
尾崎  毎週月曜日 16:00-18:00,場所 機械棟4F教員室
受講要件 実習には危険が伴うので、学生教育研究災害傷害保険には必ず加入すること
機械工学科卒業生であること.本授業は機械工学を基礎としている.他学科卒業生は履修前に担当教員に相談して下さい.
予め履修が望ましい科目 機械工学の基本的知識を持っていることが要求される.他学科の卒業の場合には,材料力学の独学が要求される.
発展科目 材料加工学演習
授業改善への工夫 講義,演習,実習を同時進行として,演習,実習と講義との関連を意識的に深めた.
プレゼンテーションの機会を設け,説明能力の向上を図った.
その他

授業計画

キーワード 材料力学,はりの曲げ,溶接技術,被覆アーク溶接,レーザ切断,CAD/CAM,破壊実験
Key Word(s) mechanics of materials, bending beam, welding technology, shielded metal arc welding, laser cutting, computer aided design/computer aided manufacturing, fracture testing
学習内容 毎回の授業は,講義と演習と実習からなる。
4月
第1回講義 ガイダンス(川上)
 設計・製作する梁の要求項目、製作法、評価試験方法などの概略を説明する。

第2-3回講義 材料力学1,2(稲葉)
 矩形断面の棒や丸棒などの単純形状の梁について復習し,箱形の梁やフランジやスティフナーが付属した複雑形状の梁の強度を設計する方法について学ぶ.

5月
第4回講義 製作法概説(川上)
 レーザ切断加工、NC制御切削加工法、被覆金属アーク溶接法など,本授業で用いる工作方法全般を講述し,梁の全体的な製作方法を計画するための知識・情報を提示する.

第1-2回演習 梁の基本計画作成
 梁の基本計画を決定する。材料の形状と大きさを考慮しながら、計画の実施の可否を検討する。基本計画に従って梁の図面を作成し、梁の破損荷重を推定する。

第5回講義 梁性能計画発表会(全教員)
 基本計画に沿って設計した梁の性能について,それぞれのグループが発表する.発表8分,質問7分

6月
第6回講義 溶接設計および溶接製図(川上)
 溶接継手強度の考え方について講述する。さらに溶接は局部的な急加熱急冷の熱加工であるため、様々な種類の熱変形が生じる。溶接変形の概要および対応策を解説する。

第7-9回講義 材料力学3 梁の総合強度(稲葉)
 製品に僅かな変形や非対称性が生じると、負荷時に座屈する危険が増大する。座屈について講述する。座屈を考慮した強度設計計算は複雑になり困難な場合が多い。座屈を生じる可能性について講述し、計画中の梁の補強に対する情報を提示する。

第3-4回演習 梁の基本計画作成3
 梁の基本計画に基づいて2分の1の模型を発泡スチロール板で製作し,基本計画の再検討を行う。梁模型の負荷実験結果を利用して,梁の組み立て順序、座屈が予想される箇所の補強などを検討・決定し、梁の基本計画全体を取りまとめる。

第5-9回演習 設計書の作成
 最終的な梁設計書を作成する。設計書には全ての事項が決定され、記載されていなければならない。すなわち、梁の強度計算(作成1)、材料の板取り計画(作成2)、部品図(作成3)、組立図(作成4)、製作工程表(作成5)を必ず記載する。

7月
第10回講義 熱切断法(尾崎)
 本実習で用いるレーザ切断および熱切断法全般について講述する。

8月-9月
第10回演習 2次元CAD/CAM加工データの作成(尾崎))
 レーザ切断実習の準備として加工用プログラムの作成方法を習得し、設計書に従ってプログラムを作成する。

第11回演習 3次元CAD/CAM加工データの作成(中西)
 MC機加工実習の準備として加工用プログラムの作成方法を習得し、設計書に従ってプログラムを作成する。

第1-2回実習 レーザ切断加工実習(尾崎)
 演習で作成した加工プログラムを用いてレーザ切断実習を行う。

第3-4回実習 MC機加工実習(中西)
 演習で作成した加工プログラムを用いてMC機加工実習を行う。


10月
第11回講義 被覆金属アーク溶接法概説(川上)
 梁の組み立てに採用する被覆金属アーク溶接法を説明する。代表的な溶接法の一つである本法を講述し、溶接技術の基本的な問題点の理解を深める。

第12回講義 設計書発表会(全教員)
 最終的な製作計画をそれぞれのグループが発表する。発表時間10分、質問・討論8分

第13回講義 設計書検討会(全教員)
 前回講義の発表内容について疑問点の確認、計画中の訂正すべき点などについて検討会を行う。

10月-11月
第5-12回実習 梁の組み立て1(川上、尾崎)
 溶接して梁を組み立てる。被覆金属アーク溶接は溶接士の技量を必要とし、技量は接合強度に直接関連するので、組み立て加工の前に溶接の練習を実施する。

12月
第13-15回実習 梁の3点曲げ破壊試験1(吉川、中西、尾崎)

第12-13回演習 3点曲げ破壊試験結果の整理・分析
 破壊試験結果を整理し,設計書を基にして結果を分析・考察する.

第14-15回演習 報告書作成および報告会準備
 5月の計画発表会内容、10月までに作成した設計書、12月の破壊試験結果の整理・分析結果の全てを取りまとめ、梁設計・製作作業の全体に対する報告書を作成する。報告書は1月に実施される報告会前までに完成し、報告会資料として事前に印刷配付すること。

第14-15回講義 報告会1・2(全教員)
 梁設計・製作の全体についてそれぞれのグループが発表する。発表時間は20分、質問・討論は15分
事前・事後学修の内容 設計書作成および提出,プレゼンテーションの準備・資料作成,梁の製作実習および評価試験などが授業時間内に終了できなかった場合は,全てが課題(宿題)になる.
ナンバリングコード(試行) EN-COMN-5

※最初の2文字は開講主体、続く4文字は分野、最後の数字は開講レベルを表します。 ナンバリングコード一覧表はこちら


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