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シラバス基本情報

開講年度 2008 年度
授業科目名称 機械材料学及び演習
よみがな きかいざいりょうがくおよびえんしゅう
英語表記 Materials for Mechanical Engineering and Exercises
対象学生・科目区分 工学部機械工学科・専門教育・・2年次
開講学期・単位数等 後期・学科必修・2.5単位
開放科目 開放しない
担当教員 鈴木実平(工学部機械工学科)

授業内容・授業計画

授業形態 講義,演習
キーワード・テーマ JABEE基本キーワード:材料の構造と組織
JABEE個別キーワード:工業材料の性質と機能
学科キーワード :平衡状態図、熱処理
授業の目的・概要 機械に用いられるの主たる材料は金属材料である。その他にもゴム、プラスチックス、ガラス、石など様々な材料も用いられているが、本講義では最も基本的で重要である金属材料について講述する。
 金属材料の性質は、物理的側面、化学的性側面、力学的側面など多面的である。またそれらの性質を原子レベルで理解する立場と、相当多数の原子の集まりとしてマクロ的に理解する立場とがある。この二つの両極端の立場は将来は互いに密接に関連するものであるが、現状ではその関連は完全には解明されていない。
 地球上に存在する元素の種類はたかだか100余りであり、金属元素は60余りである。さらに機械や構造物の材料として多用されている元素の種類は20~30に過ぎない。物質を純物質として機械材料に用いるのであれば、各物質の性質に対する知識だけあれば事足りる。しかし、実際に使用されている金属材料の種類や性質は次のような技法を用いることで非常に多様になる。
・合金化(2種類以上の元素を混ぜること)
・熱処理(金属を温度や加冷却速度を制御して加熱、冷却すること
・加工処理(金属に歪み(変形)を加えること)
・加工熱処理(熱処理と加工処理を組み合わせること)
合金化では元素の組み合せや混合の割合まで考慮すれば、合金材料の種類は無限とも言える。さらに、熱処理条件によって材料の性質が連続的に変化させることも可能である。したがって、個々の材料の性質に関する知識の集積では全体が把握できず、また勉学の効率も悪い。本講前半では金属材料の基礎的事項を講述し、後半では鉄鋼材料を中心にして、合金化、熱処理、加工などによる材質の改良機構の基本的な知識を修得する。また日本工業規格(JIS)で規格化されている金属材料に関する知識を修得する。
学生の到達目標 工業製品,特に機械類を構成する金属材料に関する基本的な知識を持ち,機械設計に際して材料を選択する能力を身に着ける.種々の金属材料の合金設計の基本知識を持ち,金属材料の機械的性質および物理的化学的性質を判断する能力を身に着ける.平衡状態図および現実の金属材料における平衡状態との不一致に関する知識を持ち,金属材料の熱処理法を評価する能力を身に着ける.
受講要件 特に無し.
発展科目 金属材料学
教科書、参考書 参考書:機械材料(打越二爾、東京電機大学出版局)、金属材料学(高橋、浅田、湯川、森北出版)
成績評価方法と基準 期末試験(100点満点)得点の1/10の値の小数点以下を四捨五入して成績評価とする.
ただし,出席およびレポート提出を期末試験受験の条件とする.
オフィスアワー 毎週火曜日10:30~13:00 2412室(機械棟4階)
E-mailによる質問も受け付けます.jsuzuki@mach.mie-u.ac.jp
授業改善への工夫
教育方法の工夫: 内容を重要事項にだけ限定して、個々の事項を詳細に講述するように努める。したがって、学生諸君は講義内容のほとんどを理解し納得する必要がある。60%の理解では定期試験で60点は取れません。
これまでの改善点: 資料を配付し板書の量を減らしている。板書は講義後の復習用のメモと考えるべきである。日本工業規格で規格化されている金属材料の主たるものについては材料の分類、化学成分、使用目的などの資料を配付するが,規格および他の参考書を利用して調査し、報告書に纏める。
その他 「考える力」=100%
授業計画・学習の内容と課題
学習内容 学習課題(予習・復習)
第1週 機械材料について
最も古くから用いられてきた機械材料は木材と石である。金属の使用が文明を飛躍的に躍進させ現在に至った経緯を概説し、金属材料の特徴を説明する。
第2週 金属結晶
金属材料の特徴の起源は、金属結合と結晶性である。これらの議論の基礎である結晶格子の種類、ミラー指数の使い方などを解説し、結晶の概念を理解する。さらに2種類以上の元素で構成される合金の結晶構造について学ぶ。
第3週 金属の凝固と拡散現象
ほとんどの金属材料は溶融精錬によって製造される。金属材料の性質はその”生まれ”に依存するところが大きい。金属材料を理解するために必要な凝固現象とその後の育ち(熱処理)を理解するために必要な原子拡散現象について概説する。
第4週 合金の熱力学1
合金の性質を議論する基礎は平衡状態図である。その基礎として、濃度の図示方法、相混合の概念、てこ(梃子)の関係などを説明し、さらに混合エントロピー、混合の自由エネルギー変化、ギプスの相律など合金の平衡状態図の背景を解説する。
第5週 合金の熱力学2
2元系合金の全率固溶体型、共晶型、包晶型、偏晶型平衡状態図を紹介し、状態図の読み方を練習する。さらに鉄鋼材料の基礎として鉄-炭素系平衡状態図を取り上げる。3元系状態図を紹介し、2元系状態図の理解を促進する。
第6週 金属の塑性変形と格子欠陥
金属材料の強度や変形特性の起源は金属結晶の不完全性(欠陥)である。金属の基本的な変形機構である滑りと双晶および金属の強度に重大な影響を及ぼす転位について概説する。さらに、加工硬化、回復、再結晶現象との関連を説明する。
第7週 金属の強靱化と破壊
金属の強靱化の手段として、固溶強化、析出強化、マルテンサイト変態、結晶粒の微細化、繊維複合強化を概説する。また金属の機械的性質として引張強さ、衝撃値、硬さ、クリープ強さ、疲れ強さなどを紹介する。
第8週 製鉄と製鋼の概要
鉄は隕石など別として、元来は鉄鉱石(酸化鉄とその他の酸化物の塊)を金属鉄に還元して製造する。この操作は高炉製銑作業と転炉製鋼作業とに分けられる。これらの作業を中心とする鉄鋼材料の製造方法について概説する。
第9週 鉄鋼の変態と組織
金属材料には熱処理によって性質を変化させうる金属とし得ない金属とがある。このことを理解するために、性質を変化させうる金属の代表例である鋼について、鉄-炭素系平衡状態図に基づき、各種炭素含有量の変態過程を解説し、鉄鋼の標準組織を紹介する。さらに平衡状態から逸脱した、恒温変態、連続冷却変態について説明する。
第10週 鋼の熱処理
代表的な熱処理として焼ならし、焼なまし、焼入れ、焼もどしについて、熱処理の目的、性質の変化、微視的機構、実施方法などを解説する。
第11週 鋼の表面硬化法
機械部品の熱処理として重要な、表面焼入れ、浸炭、窒化、肉盛、CVD、PVDについて解説する。
第12週 各種鉄鋼材料1-圧延のまま用いる鉄鋼材料
一般構造用鋼、溶接構造用鋼、耐候性鋼、高張力鋼、低温用鋼についてJIS規格にもとづいて解説する。
第13週 各種鉄鋼材料2-機械構造用鋼
機械構造用炭素鋼、機械構造用合金鋼、快削鋼、超強靱鋼などについてJIS規格にもとづいて解説する。
第14週 各種鉄鋼材料3-特殊な目的に用いる鉄鋼材料
ばね用鋼、軸受鋼、工具鋼についてJIS規格にもとづいて解説する。
第15週 定期試験

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