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科目の基本情報

開講年度 2024 年度
開講区分 生物資源学部
受講対象学生 生物圏生命化学科・生命機能化学教育コース
学部(学士課程) : 3年次
原則として生命機能化学教育コース(コース必修)を対象する。対面で受講する場合は教室の座席にゆとりがあれば選択科目履修の学生も受け入れる。
選択・必修 必修
教育コース必修科目(生命機能化学教育コース)
選択推奨科目(海洋生命分子化学教育コース)
授業科目名 微生物遺伝学
びせいぶついでんがく
Microbial Genetics
単位数 2 単位
ナンバリングコード
BIOR-Life-2131-007
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 金曜日 3, 4時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所 授業時間割で教室等を確認して下さい。

担当教員 木村 哲哉(生物資源学部), 國武絵美(生物資源学部)

KIMURA, Tetsuya, KUNITAKE, Emi

実務経験のある教員 公設研究機関にて、醸造微生物のスクリーニング、遺伝育種プロジェクトと中小醸造企業の技術指導に従事経験があり、それらをバックグラウンドとして微生物の遺伝育種、バイオテクノロジーから微生物学の無菌操作などの一般的な技術について本授業で扱う。

SDGsの目標
連絡事項 教室の座席制限のため、原則として生命機能化学コース(コース必修)を最優先として、海洋生命分子化学コース4年(コース選択推奨)、同3年(コース選択推奨)、その他の順に受講を認める。

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 微生物遺伝学の基礎について分子レベルで講義し、また、それを発展させた遺伝子工学の手法について講義する。さらに、応用的な側面についても取り入れる。
学修の目的 微生物遺伝学について、分子生物学的側面から理解できるようになる。また、それらを応用して遺伝子工学的な実験手法についても理解できるようになる。
学修の到達目標 微生物の遺伝学と生理学の分子レベルでの知識を得る。それらを応用するための遺伝子工学的手法について最新の技術を中心に理解できるようになる。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
 (1)幅広い教養と倫理観、国際感覚を身につけ、豊かな人間性を有している。
○(2)生命、環境、食料、健康等に関する生物資源学の基本的な知識と技術、経験を有している。
○(3)科学的で論理的な思考を展開することができ、計画的に問題の解決に取り組むことができる。
 (4)豊かなコミュニケーション能力を持ち、他者と協力して行動することができる。
 (5)社会の変化に柔軟かつ自律的に対応し、発展的に生きていくことができる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  •  幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  • ○表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

○ JABEE 関連項目
成績評価方法と基準 期末試験50%
授業への取り組み(レポートを含む)50%
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

Moodleを活用する授業
その他、能動的要素を加えた授業(ミニッツペーパー、シャトルカードなど)

英語を用いた教育

教員と学生のやり取りは日本語でも、英語による論文や教材の講読を含んだ授業
授業アンケート結果を受けての改善点 授業内容を消化し、考える過程を取り入れるため授業中に配布したプリントを利用する。
教科書
参考書 ベーシックマスター分子生物学(東中川徹・大山隆・清水光弘)オーム社
基礎講義遺伝子工学I(山岸明彦) 東京化学同人
バイオ系実験安全オリエンテーション(片倉啓雄、山本仁)東京化学同人
オフィスアワー 毎週火曜日12:00~13:00 761号室
受講要件 微生物学を履修済みであること
予め履修が望ましい科目 微生物学
発展科目
その他 教員免許・各種資格取得に関連した科目 (注 : 必ず入学年度の学修(習)要項で確認してください)

授業計画

各回
共通
MoodleのコースURL
第1回 概要 はじめに
授業時間内の学修内容 この授業全体の進行について説明すると同時に、微生物遺伝学とはどのような学問か説明する。
キーワード(Key Word(s)) 序論(introducition)、微生物(microbiology)、遺伝学(Genetics)
事前学修の内容 事前にムードルにて配布する資料に目を通す。
事前学修の時間
事後学修の内容 授業中に解説した予備知識について問う問題について復習をする。
事後学修の時間 60分
自由記述欄
第2回 概要 微生物遺伝学によって何が解明されるか。
授業時間内の学修内容 序論に続き微生物遺伝学の基本的な考えかたを大学院入試問題を例に出して解説する。
キーワード(Key Word(s)) 遺伝学(Gnetics),リボソーム(ribosome), 変異株(mutant)
事前学修の内容 事前に配布するプリントに目を通し、問題について考えておく。(リボソームの合成など)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に解説をした微生物遺伝学の問題について復習をする。
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第3回 概要 微生物実験における実験操作の安全について説明する。
授業時間内の学修内容 バイオ実験によく使う実験方法や試薬について、安全な扱いをビデオを使い説明する。
キーワード(Key Word(s)) バイオセーフティー(biosafety)
事前学修の内容 バイオ実験の安全についてのプリントを熟読しておく。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に出した宿題について期日までに提出をする。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第4回 概要 遺伝子クローニングの概要について説明する。
授業時間内の学修内容 分子生物学の授業ですでに学習をしている遺伝子の扱い、クローニング、制限酵素などについて解説する。
キーワード(Key Word(s)) クローニング(shotgun cloning)、制限酵素(restriction enzyme),ゲノムライブラリー( genome library)
事前学修の内容 基礎分子生物学の授業で学習済みの遺伝子クローニングの方法について、該当する教科書部分を熟読しておくこと。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に配布する宿題プリントを期日までに完成する。(コーエンとボイヤの業績を説明する英文の翻訳)(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第5回 概要 制限酵素、プラスミドについて説明する。
授業時間内の学修内容 遺伝子クローニング操作に必須の制限酵素、プラスミドについて、研究の歴史、発見した研究者など研究の背景から、実際の実験について詳細に解説する。
キーワード(Key Word(s)) 制限酵素(Restriction enzyme)、プラスミド(Plasmid)
事前学修の内容 基礎分子生物学で学習した制限酵素とプラスミドに関する基礎的な内容について教科書を熟読する。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 制限酵素発見に至る実験について、原著論文の実験と結果を読み宿題を提出する。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第6回 概要 前回に引き続きプラスミドの応用について学ぶ。また、塩基配列決定について解説する。
授業時間内の学修内容 プラスミドの抽出方法について、英語の原著論文を解説する。塩基配列の決定方法(サンガー法)について詳しく学ぶ。
キーワード(Key Word(s)) アルカリSDS法(alkaline extraction)、シークエンス(sequencing)、サンガー(Sanger)
事前学修の内容 基礎分子生物学で学習した塩基配列決定法について該当する教科書を熟読すること。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 プラスミド抽出法に関してBirnboimとDoleyの原著論文を読む。授業中に課した問題を期日までに仕上げる。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第7回 概要 遺伝子の転写とその制御
授業時間内の学修内容 遺伝子の転写、環境に応じた発現制御について、原核細胞を中心として真核生物と比較しながら解説をする。
キーワード(Key Word(s)) 遺伝子発現(gene expression)、遺伝子発現制御(gene regulation)
事前学修の内容 基礎分子生物学で学習した内容について、該当する教科書の部分を熟読しておく。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に解説した細菌の遺伝子発現制御機構について復習をする。授業中に紹介した文献などを読む。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第8回 概要 翻訳とタンパク質の合成
授業時間内の学修内容 翻訳機構(タンパク質の合成)機構について、原核生物と真核生物の違いを示しながら、詳細に解説をする。リボソームの構造の違いなどを中心とする。
第二回で紹介したリボソーム合成メカニズムと微生物遺伝学的な解析についての実験を詳しく紹介する。
キーワード(Key Word(s)) 翻訳(translation)、rRNA,リボソーム(ribosome)、抗生物質とリボソーム(antibiotics)
事前学修の内容 ボートの基礎生化学(教科書)の関連ページを熟読すること。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に出す問題について、授業中の解説を復習して「微生物遺伝学とはどんな学問か」を理解するように努めること。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第9回 概要 遺伝子の解析方法
授業時間内の学修内容 遺伝子の解析方法について、サザンブロッティング、ノーザンブロッティング、ゲルシフト解析、プライマー伸張法について解説する。
キーワード(Key Word(s)) サザンブロッティング(Southern)、ノーザンブロッティング(Northern)、ゲルシフト(Gel-shift)、プライマー伸張(Primer extension)
事前学修の内容 事前に配布するプリントと関連する基礎分子生物学の教科書を熟読すること。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に出す問題について理解を深めること。(授業中に十分な時間が取れなかった場合は宿題とするので、次回の授業までに提出する)(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第10回 概要 遺伝子発現の解析
授業時間内の学修内容 最近の遺伝子発現解析技術についてリアルタイムPCR法を中心として解説をする。PCR実験におけいる注意事項も解説する。
キーワード(Key Word(s)) リアルタイムPCR(RealTime PCR)
事前学修の内容 事前に配布したプリントを使った予習をする。(インターネット上にある同実験方法の解説も参考にするとよい)(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 リアルタイムPCRについて、そのような場面で応用が可能か調べること。(ネット上には多くの情報があるので自分で検索をしてみること)(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第11回 概要 細菌の遺伝子発現制御とラクトースオペロン研究(その1)
授業時間内の学修内容 ヤコブとモノーが発表したラクトースオペロンの転写制御機構は、生物が環境に応答して遺伝子の発現を制御するという現代の生物学における研究の中心となるテーマのモデルを提案している。この研究の歴史を学び、生物学における命題にいかに取り組むべきかということを考えるきっかけとする。そこにおいて大腸菌の遺伝学が果たした役割を学ぶことで、微生物遺伝学のもつ可能性を知る。
キーワード(Key Word(s)) ヤコブとモノー(Jacob, Monod)、ラクトースオペロン(lac operon)、リプレッサー(lacI)
事前学修の内容 ベーシックマスター分子生物学(教科書)の関連ページを熟読しておくこと。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 単に現象を暗記するだけでなく、研究を歴史、研究者の発想を学び理解することで、生命科学をより深く理解するように復習をする。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第12回 概要 細菌の遺伝子発現制御とラクトースオペロン研究(その2)
授業時間内の学修内容 その1に引き続き、ラクトースオペロンにおけるカタボライト抑制について、その分子機構を学ぶ。さらに、それがどのような実験で説明できるかということ解説する。
キーワード(Key Word(s)) カタボライト抑制(Catabolite repression)
事前学修の内容 その1で学んだラクトースオペロンの誘導機構、LacIたんぱく質の機能について復習をしておくこと。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に解説した問題について、再度自分で解いてみて微生物遺伝学的な研究手法と考え方を理解する。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄 ラクトースオペロンは分子生物学にとっては基礎・応用どちらも非常に大切であることから、しっかいりと学習すること。毎年、定期試験には出題をしているので、単に暗記するのではなく、考え方も良く理解し自分のものとすること。
第13回 概要 微生物の遺伝子発現制御(その他について)
授業時間内の学修内容 ラクトースオペロン以外にも、遺伝子発現の制御には数多くのメカニズムが知られている。アテニュエーション、リボスイッチ、翻訳制御などについて解説する。また、酵母や糸状菌などの遺伝学についても紹介する。
キーワード(Key Word(s)) アテニュエーション(atenuation)、リボスイッチ(riboswitch)、酵母の遺伝学(yeast genetics)、糸状菌(fungi)
事前学修の内容 事前に配布するプリントを熟読すること。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業中に紹介した例を中心として、遺伝子発現の制御についてほかにどのようなことがあるか自分でも調べてみること。特に、転写レベルの制御、翻訳レベルの制御などの生物学的な意義を考えてみること。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第14回 概要 遺伝子のクローニングについて復習する。(復習その1)
授業時間内の学修内容 遺伝子のクローニングに関する様々な技術や酵素などについて昨年度の定期試験を使って復習をする。
キーワード(Key Word(s)) クローニング(cloning)
事前学修の内容 遺伝子のクローニングに使う様々な技術について昨年度の定期試験問題を使って復習をする。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 授業で解説をした内容を事前学習で勉強した内容と比較し、間違いなどを修正して知識をより確実なものとする。(2時間)
事後学修の時間 120分
自由記述欄
第15回 概要 ラクトースオペロンを中心に復習をする(復習その2)
授業時間内の学修内容 今回の授業について、前年度の試験問題を解説しながら復習をする。
キーワード(Key Word(s)) ラクトースオペロン(lac operon)
事前学修の内容 配布した昨年度の定期試験問題(ラクトースオペロン)について回答を考えておく。(2時間)
事前学修の時間 120分
事後学修の内容 定期試験に向けて、過去問を復習しておくこと。(5時間)
事後学修の時間 300分
自由記述欄 定期テストついては、思考力を問うので単に暗記だけをすることなく、内容を深く理解するように試験準備をすること。

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