三重大学ウェブシラバス


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科目の基本情報

開講年度 2024 年度
開講区分 工学部電気電子工学科/総合工学科電気電子工学コース ・専門教育
受講対象学生 学部(学士課程) : 3年次
選択・必修 選択
選択科目
授業科目名 制御工学Ⅰ
せいぎょこうがくいち
Control Engineering I
単位数 2 単位
ナンバリングコード
EN-ESYS-3
開放科目 非開放科目    
開講学期

前期

開講時間 金曜日 7, 8時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所 工学部15番教室

担当教員 弓場井 一裕(工学部電気電子工学科)

YUBAI, Kazuhiro

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 「制御」に関する体系的な学問である制御理論の基礎について,まず最も重要な概念である「フィードバック」の本質的利点の理解に重点を置きながら学習する。特にシステムの伝達関数表現に基づきながら,古典制御の枠組で扱われてきたフィードバック制御系の解析と設計に関する内容を学習する。さらに,制御系のロバスト性解析について学び,ループ整形によるフィードバック制御系の設計法について学習する。三重県内においても多くの化学産業,製造業があり,さまざまな業種において制御工学は役に立つ学問と言えます。
学修の目的 ① 運動方程式や回路方程式から制御対象のモデルを構築できる。
② 与えられた制御対象に対して,設計仕様を時間・周波数領域において記述できる。
③ 開ループ整形を用いて設計仕様を満たす制御器を設計できる。
④ 制御対象モデルの不確かさに対してロバストな制御系を構築できる。
学修の到達目標 ① フィードバック制御の利点を理解する。
② フィードバック制御系の感度特性・定常特性を理解する。
③ システムの周波数応答を理解し,ベクトル軌跡・ボード線図による表示を習得する。
④ フィードバック系の内部安定性を理解し,ナイキストの安定判別法を習得する。
⑤ 安定余裕について理解する。
⑥ モデルの不確かさとフィードバック制御系のロバスト性について理解する。
⑥ ループ整形の考え方を理解し,フィードバック制御系の設計法を習得する。

★学習・教育目標:「基礎・専門知識」,「自主的継続的学習能力」,「制約下での仕事」に関する能力を向上させる。
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
 多面的な思考能力と素養:日本や世界各国の種々の時代や地域には、多様な考え方が存在していることを学び、様々な立場から互いの意見を尊重して相互に理解できる。【認知的領域】
 技術者倫理:電気電子工学の基礎知識を身につけ、科学技術が社会や自然環境に及ぼす影響を理解し、責任ある技術者として行動できる。【情意的領域】
○基礎知識と専門知識:数学、自然科学、情報技術、並びに電気電子工学に関する基礎及び専門知識を修得し、それらの知識を応用できる。【認知的領域】
○デザイン能力・ものづくり能力:電気電子工学の基礎と専門知識を基にして、関連した情報の収集を図り、課題を解決する手法を提案でき、それに基づいて「ものづくり」を行える。【技能表現領域】
 コミュニケーション能力:実験した内容や考察した内容、調査した内容を図、表等を利用して文書により表現し、他人に説明できる能力、討論を行える。専門とする分野の英語で書かれた文献について理解し、説明できる。【技能表現領域】
○自主的継続的学習能力:電気電子工学に関連する種々の分野に関心を持ち、未知な分野が広がっていることを感じて、自主的、継続的な学習が必要であることを認識できる。【情意的領域】
○制約下での仕事の推進・統括:電気電子工学分野の基礎に関する与えられた課題または自ら設定した課題について、計画的に物事を進め、期限までにまとめて報告書を提出できる。【認知的領域】

○ 全学の教育目標
感じる力
  •  感性
  •  共感
  • ○主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  •  表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  • ○問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

○ JABEE 関連項目
学習・教育目標との関連(達成度点検シートの重み):基礎・専門知識(0.8),自主的継続的学習能力(0.1),制約下での仕事(0.1)
成績評価方法と基準 レポート20%,中間試験40%,期末試験40%,計100%(各項目で5割以上取得し,合計が60%以上で合格)
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

Moodleを活用する授業
地域理解・地域交流の要素を加えた授業

英語を用いた教育

授業アンケート結果を受けての改善点 制御工学は抽象的な学問であるため,具体的な対象を用意し,適宜動画や見学を交えて理解を深める工夫を加える。また,数学の基礎知識の不足が理解の妨げになっているため,数学的な準備を充実する。
教科書 システム制御工学シリーズ 3 「フィードバック制御入門」(杉江俊治,藤田政之:コロナ社)
参考書 ブルーバックス 「制御工学の考え方-産業革命は「制御」からはじまった」(木村英紀:講談社)
オフィスアワー オフィスアワー:毎週木曜日13:30-18:00 場所:電気電子棟1206室
(その他の時間については,訪問時間を電子メールにて尋ねてください。)
受講要件 微積分学,複素関数論,行列演算など基礎数学の知識および理解を有していること。
予め履修が望ましい科目 共通教育科目:基礎微分積分学Ⅰ・Ⅱ,基礎線形代数学
専門教育科目:電気数学演習,常微分方程式及び演習,複素関数論及び演習,解析力学
発展科目 内容が連続している科目:制御工学Ⅱ,電気電子設計,応用実験など。
その他 制御工学Ⅰは応用実験 「メカトロニクス」を選択するための「受講要件」,「電気機器」を選択するための「予め履修が望ましい科目」となっています。これらのテーマを希望予定の学生は是非履修してください。

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード フィードバック制御,ラプラス変換,周波数応答,安定性
ものを動かす分野(ロボットや電力関係)を志向する人には不可欠な授業である。
Key Word(s) Feedback control, Laplace transform, Frequency response, Stability
This class is essential for students who would like to study robots and/or power control.
学修内容 第1回 序論:制御とは?,フィードバック制御の利点と課題,数学的準備Ⅰ
第2回 数学的準備Ⅱ
第3回 ダイナミカルシステムの表現:ダイナミカルシステムとは?,伝達関数とブロック線図
第4回 ダイナミカルシステムの過渡応答:インパルス応答と伝達関数の関係,たたみ込み積分
第5回 ダイナミカルシステムの安定性:極・零点,ラウス・フルビッツの安定判別法
第6回 フィードバック制御系の特性:感度特性,定常特性
第7回 周波数応答:周波数応答,ベクトル軌跡,ボード線図
第8回 中間試験
第9回 フィードバック制御系の安定性:内部安定性,ナイキストの安定判別法
第10回 フィードバック制御系の安定性:ナイキストの安定判別法,位相余裕,ゲイン余裕
第11回 フィードバック制御系のロバスト性解析:不確かさとロバスト性,ロバスト安定性
第12回 フィードバック制御系のロバスト性解析:ロバスト安定性,制御性能のロバスト性
第13回 フィードバック制御系の設計法:設計手順と性能評価
第14回 フィードバック制御系の設計法:PID補償による制御系設計
第15回 フィードバック制御系の設計法:位相進み・遅れ補償による制御系設計
第16回 期末試験
事前・事後学修の内容 各回教科書の以下に示す該当部について予習を行うこと。
復習を兼ねて適宜課題を課す。

第1回 第1章
     1.1 制御とは
     1.2 制御系の標準的構成と制御目的
     1.3 フィードバック制御の利点と課題
第2回 数学的準備 ラプラス変換と微分方程式
第3回 第2章
     2.1 ダイナミカルシステム
     2.2 伝達関数
     2.3 ブロック線図
第4回 第3章
     3.1 インパルス応答とステップ応答
     3.2 1次系の応答
     3.3 2次系の応答
第5回 第3章
     3.4 極・零点と過渡応答
     3.5 ダイナミカルシステムの安定性
第6回 第4章
     4.1 感度特性
     4.2 定常特性
第7回 第5章
     5.1 周波数応答と伝達関数
     5.2 ベクトル軌跡
     5.3 ボード線図
     5.4 ボード線図の性質 
第8回 中間試験のための準備
第9回 第6章
     6.1 フィードバック系の内部安定性
     6.2 ナイキストの安定判別法
第10回 第6章
     6.2 ナイキストの安定判別法
     6.3 ゲイン余裕,位相余裕
第11回 第7章
      7.1 不確かさとロバスト性
第12回 第7章
      7.2 ロバスト安定性
      7.3 制御性能のロバスト性
第13回 第8章
      8.1 設計手順と性能評価
第14回 第8章
      8.2 PID補償による制御系設計
第15回 第8章
      8.3 位相進み―遅れ補償による制御系設計
第16回 期末試験のための準備
事前学修の時間:120分/回    事後学修の時間:120分/回

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