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科目の基本情報

開講年度 2024 年度
開講区分 生物資源学部
受講対象学生 海洋生物資源学科・海洋生物資源学教育コース
学部(学士課程) : 2年次
選択・必修 選択必修
教育コース選択必修:水圏P指定科目
選択科目:海洋P指定科目
授業科目名 水族発生学
すいぞくはっせいがく
Developmental Biology
単位数 2 単位
ナンバリングコード
BIOR-Mari-2531-002
開放科目 非開放科目    
開講学期

後期

開講時間 月曜日 5, 6時限
授業形態

対面授業

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

「オンライン授業」・・・オンライン会議ツール等を利用して実施する同時双方向型の授業
「ハイブリッド授業」・・・「対面授業」と「オンライン授業」を併用した授業
「オンデマンド授業」・・・動画コンテンツの配信等によって実施する授業

開講場所

担当教員 古丸 明(非常勤講師)

KOMARU, Akira

実務経験のある教員 水産庁養殖研究所に勤務していた時期に、二枚貝類を中心に無脊椎動物で発生工学的な実務的業務を遂行していたので、受精、卵割、受精卵操作についての実際の発生過程について詳しく詳述することができる。

SDGsの目標
連絡事項

* 状況により変更される可能性があるので定期的に確認して下さい

学修の目的と方法

授業の概要 本講義では発生学と進化学の基本を講義する。講義は前半ではおもに無脊椎動物を対象に,配偶子形成、受精過程から個体発生に至るまでの過程について解説する.さらに、後半で進化学について概説し、自然選択説、分子進化、遺伝子重複について概説する。
 この講義により対象とする生物の生活史、様々な進化の過程を理解し、その大きな流れを理解して説明し、生物生産のあるべき姿、資源の有効利用法のあり方を考える能力を身につけることを目指す。 
 この講義は4つの力のうち「感じる力」「考える力」を身につけるため生物資源学のDPである(2)専門基礎知識の習得を目指す. 学科のカリキュラムの中では、基礎的な位置付けの科目である。
学修の目的 生物の有効利用を考える上で、対象とする生物の根幹にある原理を理解することは重要である。この講義を受講する学生は
生物の発生、進化の過程について基礎知見を身につけ,水生生物についての理解を深め、幅広い分類群における共通したメカニズムについて知識を得る。対象生物のみならず生態系の保全、多様性の保全等についても、種々の生物が置かれている現状について課題を把握し、自ら解決する能力を養うことを目的とする。
学修の到達目標 (知識)受講する学生は、発生学、進化学の基礎的な知識を理解し、ここの事例の根幹を流れている原理について説明することができるようになる。具体的な事象と根底を流れるメカニズムについて結びつけて説明できるようになる。
(態度)小課題に取り組むことにより、具体的な事例について、自分自身で考え、考察し、示すことができるようになり、より理解を深めることができる。
(技能)小課題は小論文式であるので、自分の考えを文章にして論理的にまとめることができるようになる
ディプロマ・ポリシー
○ 学科・コース等の教育目標
 (1)幅広い教養と倫理観、国際感覚を身につけ、豊かな人間性を有している。
○(2)生命、環境、食料、健康等に関する生物資源学の基本的な知識と技術、経験を有している。
 (3)科学的で論理的な思考を展開することができ、計画的に問題の解決に取り組むことができる。
 (4)豊かなコミュニケーション能力を持ち、他者と協力して行動することができる。
 (5)社会の変化に柔軟かつ自律的に対応し、発展的に生きていくことができる。

○ 全学の教育目標
感じる力
  • ○感性
  •  共感
  •  主体性
考える力
  • ○幅広い教養
  • ○専門知識・技術
  • ○論理的・批判的思考力
コミュニケーション力
  •  表現力(発表・討論・対話)
  •  リーダーシップ・フォロワーシップ
  •  実践外国語力
生きる力
  •  問題発見解決力
  •  心身・健康に対する意識
  •  社会人としての態度・倫理観

○ JABEE 関連項目
成績評価方法と基準 定期試験70%、小課題30%、ただし出席率3分の2を定期試験受験必須要件とする。それ以下は自動的に再受講とする。試験は記述式の小論文形式で実施
授業の方法 講義

授業の特徴

PBL

特色ある教育

Moodleを活用する授業

英語を用いた教育

授業アンケート結果を受けての改善点 少し話のつながりがわかりにくい部分があった、という指摘があったので、一回の講義の中の項目の配置を
再検討します。
教科書 指定しないが、moodleに講義用資料をあげておきますので、講義前には事前学習として、精読しておくこと。またわからない点をあらかじめ、把握しておくこと
参考書 生物進化を考える(木村資生) 岩波新書
オフィスアワー メイルで都合を聞いて御来室ください。講義の日の15-16時 (530室)
受講要件 特になし。細胞生物学を履修済みであること
予め履修が望ましい科目 細胞生物学
発展科目 分子生態学
その他

授業計画

MoodleのコースURL
キーワード 発生、受精、先体反応、形態形成、進化、自然選択、分子時計、分子進化の中立説、遺伝子重複による進化
Key Word(s) development, fertilization, acrosome reaction, evolution, natural selection, molecular clock, gene duplication
学修内容 第1回 : 無脊椎動物の発生(1) 細胞内小器官, 核, 細胞質
第2回 : 無脊椎動物の発生(2) 減数分裂と体細胞分裂
第3回 : 無脊椎動物の発生(3) ウニ受精過程
第4回 : 無脊椎動物の発生(4) 卵割パターン
第5回 : 無脊椎動物の発生(5) 調節卵とモザイク卵
第6回 : 無脊椎動物の発生(6)形態形成遺伝子-1(ホメオティック遺伝子とは)
第7回 : 無脊椎動物の発生(7) 形態形成遺伝子-2(タンパク濃度勾配が異なる遺伝子発現を促す)
第8回 : 指の極性のきまりかたについて (ZPAとはなにか)
第10回:自然選択説について
第11回:分子進化ー1 分子時計とは
第12回: 分子進化ー2 変わりやすい分子と変わりにくい分子1
第13回: 分子進化ー3 変わりやすい分子と変わりにくい分子 2
第14回: 分子進化ー4 中立的な変異の運命?
第15回:遺伝子重複 新機能をもった遺伝子と偽遺伝子
定期試験

毎回の提示された内容について、あらかじめ以下の項目参照して予習をしておくこと。さらに、講義各回終了ごとに、自宅で小課題に取り組み内容を十分に理解しておくこと。
事前・事後学修の内容 毎回の提示された内容について、あらかじめ予習をしておくこと。さらに、講義各回終了ごとに、自宅で内容を十分に理解しておくこと。また課題を出したり、関連する文献の配布をすることがあるので、必ず対応すること(毎回、予習、復習、課題対応 合計4時間が必要となる)。講義ごとに小課題という形で課題を課す。


第1回 : 無脊椎動物の発生(1) 細胞内小器官, 核, 細胞質
事前学習: 細胞を構成する要素について、構造、機能について調べておくこと(essential 細胞生物学)
事後学習: 原核生物、真核生物の体のつくりの相違、細胞内小器官の有無、についてよく理解しておくこと

第2回 : 無脊椎動物の発生(2) 減数分裂と体細胞分裂
事前学習:減数分裂と体細胞分裂の相違について、形態面、遺伝的な相違について予習しておくこと。資料、エッセンシャル細胞生物学
事後:減数分裂の生物学的意義について整理しておくこと。進化的に減数分裂にはどういう意味があるのか。自分なりにまとめておくこと

第3回 : 無脊椎動物の発生(3) ウニ受精過程
事前:受精の過程について、多精拒否の仕組みについて調べておくこと(配布資料による)
事後:多精拒否の仕組みについて、その機構について細胞レベル、分子レベルで十分理解しておくこと

第4回 : 無脊椎動物の発生(4) 卵割パターン
事前:ウニと軟体動物の卵割パターンの相違についてあらかじめ図版集で相違を理解しておくこと。
事後:放射卵割、螺旋卵割、表割、盤割等について動物分類群と卵割パターンを突き合わせてよく理解しておくこと

第5回 : 無脊椎動物の発生(5) 調節卵とモザイク卵
事前:両者の相違についてあらかじめまとめておくこと。またどの分類群がどちらに対応しているか
事後:両者に本質的な差があるのかどうかをよく復習しておくこと。

第6回 : 無脊椎動物の発生(6)形態形成遺伝子-1(ホメオティック遺伝子とは)
事前:ホメオティック遺伝子とは何か?essential 細胞生物学で概略の把握をしておくこと
事後:上記遺伝子群に関して特徴を整理してまとめておくこと

第7回 : 無脊椎動物の発生(7) 形態形成遺伝子-2(タンパク濃度勾配が異なる遺伝子発現を促す)
事前:発生に関与する遺伝子群の発現パターンについて理解すること
事後:遺伝子が連続的に段階的に発現する様子について十分復習をすること

第8回 : 指の極性のきまりかたについて (ZPAとはなにか)
事前:指がどう形成するのか、理解しておくこと(配布資料)
事後:ホメオティック遺伝子の指形成における役割を理解すること

第10回:自然選択説について
事前:ダーウインの提唱した自然選択説について概略を理解しておくこと
事後:具体例に関してその具体例をしらβヴェテ理解しておくこと

第11回:分子進化ー1 分子時計とは
事前:分子時計の概念について資料をよく読んで概略理解すること
事後:ヘモグロビン鎖におけるアミノ酸の変化について理解しておくこと

第12回: 分子進化ー2 変わりやすい分子と変わりにくい分子1
事前:変わりやすい部位と変わりにくい部位、どうして生じるのか予習しておくこと
事後:ヘモグロビンのヘムを支える部位が変わりにくいのはなぜか、理論的に説明できるようにしておくこと

第13回: 分子進化ー3 変わりやすい分子と変わりにくい分子 2
事前:変わりやすいタンパクとそうでないタンパクがどうして存在するのか調べて理解しておくこと
事後:タンパクの進化速度がどうして種類によって異なるのか、理解しておくこと

第14回: 分子進化ー4 中立的な変異とは?
事前:中立的な変異とはどのようなものかあらかじめ調べておきなさい
事後:中立的な変異は集団内でどのような経緯をへるのかまとめなさい

第15回:遺伝子重複 新機能をもった遺伝子と偽遺伝子
事前:遺伝子重複とはどういう意味か、進化的な意義についてまとめておきなさい
事後:偽遺伝子の進化速度が大きいのはなぜか?まとめておくこと
事前学修の時間:120分/回    事後学修の時間:120分/回

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